無限空想世界の幻想的な物語~夜桜~ 第11話 「蘇る伝説」
「ようやく・・来たか・・待ちくたびれたぞ」
「あなたが門番?」
「いかにも、それがしは向日葵組隊長【天道寺 光太郎】1代目の爺ちゃんからずっと受け継いできた2代目の門番、この門を通りたくばそれがしと勝負ッ!」
やはり話し合いはでは通れないか、
だとするとここもやはり先ほどと同じく一対一での勝負なのでしょう。
「リアリナ下がりなさい、私がやるわ」
「ショコラさん!?ですが!?」
「大丈夫よ、言ったでしょ?年長者だって、ここは若い奴を守るのが年長者てっもんよ」
「・・わかりました、きっと止めてもやるのでしょうからここはお任せします、ですが無理だけはしないでください」
「ええ、任せてちょうだい」
ショコラさんがそういうとザッザッと歩いて行って、
あの光太郎と言う男と戦う覚悟を決める。
無敵の壁と言われた男、どれ程までに強いか気になる所だ。
この戦い、無事にショコラさんが勝つことを祈った。
「じゃあ・・始めましょうか、私とあなたの一騎打ちッ!」
「まさかこんな少女が私の相手とは・・返り討ちにしてくれるッ!」
男は2本の腰に差していた刀を両手で同時に抜くと、
周りに風が吹き荒れる。
どちらも各々の武器を構えていざ勝負が始まるッ!
「行くぞッ!!」
「来いッ!」
男はまっすぐ走りだし切りかかろうとショコラに一直線ッ!
「フッ・・」
シュンッ!
「き、消えたッ!?」
男が消えた、一瞬にして目にもとまらぬ速さで目の前から姿を晦ます。
「ちぇぃサーッ!!」
「グッッ!!」
ピシャァンッ!!
刀と杖がぶつかり合い飛びかかって切りかかった男の攻撃を止めたッ!
「ほう・・この不意打ちを防ぐか・・」
「なめんじゃないわよッ!!私のスタッフはそんな刀じゃ切れはしないッ!」
「ならこれはどうだッ!【三日月流:疾風迅雷】ッ!!」
ズザァン!ザザンッ!ズザンッ!ザザザァァンッ!!
男は華麗に距離を取って後ろに下がると、
2本の刀を素早く地面を抉るように回転をかけて切って
衝撃波を放つこの技はさっきの・・、
これは先ほど柘榴がなんども止められた技ッ?!
「は、早いッ!!」
「当然ッ!!それがしは柘榴と違って無駄を省いている、柘榴とは違うんだよ柘榴とはッ!!」
「グッ・・このッ!!【結晶壁】ッ!!」
ゴゴゴォォォッ!!
強く地面を揺れ動かして結晶の壁を作るショコラさん、
スタッフを強く動かして地面に命令するかのように壁を作る。
衝撃波の攻撃を見事に防ぐ、流石です。
「所詮真っ直ぐ行く単調攻撃よ、その程度は当たらないわ」
「まあこんなの予測の範囲内だ・・ではこれだ【隼疾走】ッ!!」
今度は刀を後ろに構えて素早く動くッ!
すると大きく空へと飛びあがり、
大きく斜めに剣を突き刺そうとダイブ攻撃を仕掛けて来たッ!!
「うぉぉぉッ!!」
「ハァァァッ!!」
ガァキィンッ!!
当然これも突如現れた地面からの結晶で防いだ。
だが彼の攻撃はまだ終わらないッ!
「貴様の後ろだッ!!」
「早いッ!!けど残念ッ!!」
ピギィンッ!
これも地面から巨大な結晶の壁を作って防御する。
ショコラは魔術師なのにとても反射神経がいい、動ける魔術師だッ!
「中々やるな・・接近戦ならそれがしが有利だったと思ったんだが・・どうも違うらしい」
「当然、私はただの魔術師じゃないわ」
結晶の壁から軽やかに出てくるあたりずいぶんスタイリッシュな魔術師だ。
最初っからただ者じゃない事はわかっていたけどここまでとは・・。
「これだけの実力を見せられてそれがしも・・いや俺も能力を使わざる負えまい」
「やっぱ、貴方も能力持ちね・・さっきの子は自分でドジ踏んでいたけど、貴方は当然そんな事ないわよね?」
「当然だ、見よッ!!これが俺の本気ッ!【百鬼夜行】ッ!!」
彼の能力、一体どんな能力なんでしょう・・、
彼が能力名を言った瞬間にこの吹き荒れる風、
間違いなくとんでもない物に違いない、
風がどんどん強くなり霧が出てくる。
辺りが霧で周囲を覆い隠した。
そして一瞬で霧が晴れて、
風が吹き荒れて数秒、その時目にした驚異の光景ッ!
「なっ・・嘘でしょッ!」
「ふっふっふっ・・これぞ百鬼夜行の能力、さて・・見破れるかな?」
なんとあの光太郎と言う人物が数え切れないほど出て来たッ!?
こんなのってありなのッ?!
「こけおどしよッ!こんなの私に通じると思わない事ねッ!」
「だが・・本当にこけおどしか?」
「言っておくが俺が100人増えたんじゃない」
「俺が100人存在しているんだ」
「これがどういう意味かわかるな?」
「さっぱり分からんッ!」
「そうかッ!ではその体にとくと味わえッ!!」
男はそういうとショコラの周囲を大量の自分で囲い始めた。
ぐるぐると何人も何人も多すぎて困惑してしまう人数だ。
「行くぞぉぉッ!!」
「来いッ!!」
その瞬間私は確かに見ていた。
ショコラがまた結晶で攻撃を防ごうとしていたのを、
しかしまるで防ぐ時間が無かったかのように素早く、
男はショコラをなんにもの人数で身動きを取れなくさせたッ!
刀を串刺しにするかのように上手い具合に肉体に当てず、
複数の男が刀を別々の場所に差し向ける事で完全に取り押さえられてしまったショコラッ!
「ショ、ショコラッ!」
「残念だったな・・だが安心しろ、貴様の命は取りはしない、あいにく女性を傷つける刀は持ち合わせておらんのでな」
「(いや、さっきの攻撃は絶対傷つける気満々だったろ・・)」
「フッ・・口も押えられては流石に詠唱も・・」
「(詠唱が出来なくても・・指が動くッ!)・・・ッ!」
「き、貴様ッ!?」
シュインッ!ズガァァァンッ!
一瞬ショコラの右手の指がパチンッと鳴り響き、
地面に瞬間的に表れる魔法陣が光出してあたり一帯を爆させたッ!
だけどこれ無事なのかッ!?
「・・計画通りね(やっちまった)」
「まったく・・デンジャラスな御嬢さんだ(この魔術師おっかねぇ・・)」
「ショコラ無事だったんですねッ!(服が爆破の影響でサービスシーンな大破状態ですが・・)」
「流石魔術師殿・・(なんと破廉恥なッ・・)」
あの大量にいた光太郎と言う男を一気に複数も消し飛ばして生還するとは流石はショコラ、
長年生きた知恵が生かされていますわッ!
「まったく・・人をここまで乱暴なまでにビリビリで破廉恥な格好にさせるなんて、私じゃなかったら今頃のび〇さんのエッチーとか言われて桶か石鹸投げられるところよ」
「安心せいその時は即堕ち2コマの如く都合の良い機械~で【おっと規制だ】すれば問題ない」
「それ全く安心できない上に【再び規制だ】てっもはや古典的過ぎて笑うんだけど、もっと他にあったでしょ【言い方変えても】とか【規制ですよ】とか」
「その辺にしておかないとそろそろ運営様に鉄拳制裁されますよ」
『マジメニヤリマス』
とは言えあんなボロボロの状態の二人を見ても状況は明らかに光太郎さん有利、
これは流石に勝負あったたか?
「・・リアリナ、少し離れて、そこからでも十分だけど・・もうちょいね」
「何かするんですかッ!?」
「ちょっと危険な大博打、下手したら死ぬかもね、作画も作品もッ!」
「ごめんちょっと何言ってるのかわからない」
「とにかく離れて、そこからあと五十歩百歩明〇への一歩よ」
「・・最期のはよくわかりませんが、わかりましたッ!」
私はショコラさんの言うとおりさらに後ろへと下がる。
一体何をする気なんでしょうか・・、
「女、それ以上は止めておけ・・と言いたいが私も鬼畜ではない、最後くらいえんたーていめんとと言う奴を見せてやらなければな・・どれ、最後の一手を・・俺にくらわせて見ろッ!」
「・・後悔しない事ね、その慢心が貴方の最後となるわ」
「なんだとッ・・」
ショコラは杖をスッと前に構え、両手を強く握りしめる。
そしてショコラは詠唱を始めたッ!
『黙示録の煉獄の炎より解き放たれし烈火の魔弾、禁断の扉からその封印されし翼と力を解き放ち、数多の強者を焼き払えッ!究極召喚:邪帝神竜・バハムートッ!!!』
詠唱を唱え今までの魔術よりさらに吹き荒れる突風ッ!
ショコラの後ろには巨大な召喚陣ッ!
詠唱をし続ける事でみるみる浮き上がる巨大な魔法陣ッ!
そしてそこから現れた謎の巨大な扉ッ!
『今こそ貴様の力を見せる時だッ!!』
『ヴォォォォォォッ!!』
ズシャァァァン
扉は一瞬にして粉砕され、天へ飛び上がった謎の黒い竜ッ!
巨大な四つの翼を広げ、雄々しく飛び立つ巨大な竜ッ!
鋭い爪、たくましい体、まさに神話に登場する竜そのモノだッ!
「あ、ありえないッ!!バハムートだとッ!?そんなの古来から受け継がれし召喚士でもなければ召喚が不可能・・まさか貴様ッ!?」
「あえて言わせてもらおう・・私は魔女・・大召喚者であり禁忌の魔女だッ!我が名は最古の三大魔術師【ショコラ・エーデルアラモーデルス】ッ!」
「貴様エーデルアラモーデルス家の魔女かッ!?さてはドロシーだなオメーッ!?ウィッチこの野郎ッ!」
「ドロシーで何が悪いッ!勝てば正義だッサムライッ!覚えておけッ!」
「き、き、キィィィィ!?」
「食らえッ!!【怒りのデストロイ・フレア】ァァァァァァアッ!!」
『グォォォォォォッ!!』
その時、天に上った竜が大きく怒りのエネルギーを溜めて空に一つの輝きを見せる。
大きな口から放たれる赤き紅蓮の魔弾ッ!
デカイッ!とてもつなくそれはデカイッ!
巨大な炎の玉がドォンッ!と発射されるッ!
そして玉は地上へ落下していくッ!
「ゆ、ゆゆ・・許さんぞッ!女ァァァァアッ!!」
「慢心したな・・男ォォォォオッ!!」
地上の二人の目の前の間に落下する紅蓮の玉、
そし瞬間ピカァと光って次の瞬間ッ!
ズガシャァァァァァァアッ!!
地面を爆破させる巨大な爆発ッ!
辺り一帯の物を全て焼き尽くす破滅の炎ッ!
飛び散るッ!とにかく残骸が飛び散るッ!
巨大な隕石が降ってきたみたいな衝撃だッ!
「てっ・・やり過ぎたァァァァッ!!」
「(森林の事は一切考えないのですね・・)」
またかッ!例によってまたかッ!
思わず必死こいて逃げるレベルで大災害だよッ!
絶対五十歩百歩じゃ足りてないよッ!
私達はとにかく被害を受ける前に全力疾走で逃げた。
そしてしばらくしてまた戻るとそこにいたのは、
元気そうにところどころ黒ずんでいる全裸のショコラさんだ。
何故、全裸・・、
「フゥ・・全部計算通りね」
「ショコラと言い、白鶴さんと言い、魔術師は爆破テロ犯なの?」
「やーね、これでも私はまともな方よ」
「そうですか、ちなみにまともな人は全裸でそんな威勢よく立っていませんからね」
「ああ・・これはバハムートの魔弾の代償よ、流石に近くにいないといけないから最後の玉だけは避けれないのよね、だから衣服全部もえゃうの、迷惑よね~」
「ああ、確かに・・いやッ!なんで肉体は平気なんですかッ!?」
「よくあるご都合主義てっ奴ね、作者の陰謀によって回を重ねるごとに全てのキャラ崩壊が激しくなる一方で一人のキャラは元からキャラなんて崩壊させておいて後々の変態要員もしくは服がやぶちゃう系立ち位置に安定させるのよ」
「いやだよそんな要員ッ!あんたも認めんじゃないわよッ!」
「安心してください、はいてませんよ」
「もういいッ!喋んな露出狂ッ!」
「(この国の女性はどうなっているんだ・・)」
ショコラさんこんなカオスな人だったのか、
なんだかどっと疲れた。
「き、貴様ら・・俺の存在忘れていないか・・」
「あ、すいません・・そこの全裸の人が目立ちすぎて・・こっちも服破けてたァァッ!」
「安心しろ、半裸だ」
「確かになッ!?でもあなたの袴防御高いですねッ!ショコラさんに見習ってもらいたいところですッ!」
「防御強くしたら美味しくないじゃない」
「誰も得しないし、この作品の命に係わるのでお願いですから防御の高い服を着てください、なんで最初防御の高かった人がこんなカオスなまでのキャラになっているんですか」
「よくいるじゃない、出会い初めは大人しいのに出会って数日後から馬鹿みたいに騒ぐ人」
「駄目だこの人早くなんとかしないと」
ともあれ、ショコラさんが無事で良かった。
これで身も全て滅ぼしていたら笑えない冗談になる所だった。
「・・話は変わるけど、これどっちが勝ったの?」
「俺の負けだ・・俺にはそこまでして勝てる勇気はない」
「(いえ、33対4で貴方の勝ちですよ)」
「そんなお前らに話しておきたい事がある」
「何?遺言ならどうぞ?」
「ショコラッ!」
「ごめんつい、て言うか言い方がなんか犬のしつけ見たいだから止めよう」
「・・夜桜、俺の親友の事で話しておきたい事がある」
『・・・ッ!!』
その言葉に反応する一同、夜桜と言う男についての話、
そして、この話がこの先大きく運命を揺るがすとは誰も思わなかっただろう。
ここから、物語はクライマックスへと進むのであった。
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