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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
第三章 夜桜編
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無限空想世界の幻想的な物語~夜桜~ 第4話  「荒らされた里」


こうして色々と楽しい話に盛り上がり賑やかな馬車、

時間はあっと言う間に過ぎていき、

まだまだ話したいと思っていても、

気づけば目的地の春風の里の門についてた。


「さーて、ここが春風の里!・・の門だ、ここを開けてもらえれば通れるはずだけど・・」


「おかしいわね?この時間はフリーだから開いてたんじゃなかったかしら?」


「・・匂う」


「ショコラ?どうしたの?」


「ショコラさん、もしかして何かを感じているのですか?」


門に来て見たら空気が一転、

なんだかショコラさんがまたあの苦い表情をする。


これは不穏な空気かもしれない、


「嫌な・・予感・・里が・・危ない」


「なるほど、お得意の【記憶探し(メモリーサーチ)】だね、ショコラ君」


「うん、間違いないわ、里が危険にさらされてる」


「どういう事ですか?」


ショコラさんの表情が戻ったと思ったら今度は里が危険?

一体どういう事なの?


「あの・・今どういう状況なのでしょうか?」


「ん?ああ、リアリナ君は初めてだったね、これはショコラ君の【能力(アビリティ)】だ、ショコラ君は【記憶探し(メモリーサーチ)】の能力を持つ、これは未来、過去、現在の出来事を四つのヒントで表してくれる能力、まあ、自分の周りの物じゃないといけないのが欠点だね」


「なるほど、能力(アビリティ)だったんですね」


私や銀が人外になって行く一方ですっかり忘れていたけれど、

この世界で自然に目覚める物が一つあった事を、

それが能力だ、能力は1人一つのみを持ち歩いおり、

生まれてから1~40代までの間が目安で目覚めるという。


この能力は発動するには人間に依存している魔法発動原料の【マナ】が必要とされている。


要するに魔法が使えない人もこの能力が何かをきっかけに目覚めると言われている。


魔法については一般人が身に着ける事はまず不可能だ。

この世界ではそれこそ魔術師の家庭でなければ覚える事ができない、

なので一般的なのはこの【能力(アビリティ)】による特殊な力が、

メジャーな魔法類とも言われている。


ちなみに屋敷で留守番している銀もつい最近だが能力者として判明した。


能力は【血の決闘(ブラッドデュエル)】、まだどういう能力はわからないが、

今までに無かった能力(アビリティ)とされているとか無いとか医者が言っていた。

まあ、

今はそんなことはどうでも良い、問題はこの門の先で不穏な事が起っているという話だ。


「どうしましょうか?ここはここから生存を確認をしてみますか?」


「いえ、それだと中にいる者に危害を加えてしまう可能性があるわ、おそらくこれは里を荒されているのよ、声なんてかけてこちらに反応させたら二次災害よ」


「そうですか・・それでは一体どうすれば・・」


「僕様に良い考えがある!」


「どうせロクな考えじゃないでしょ?」


「ショコラに賛成、また仲間を使った強制転送魔法けんぜんてきないどうほう~とか言い出すんでしょ?あの時すっごく大変だったんだからね!」


なんだろう、強制転送魔法てっ・・、

凄い気になるけれど、なんだかこれは信用されていなさそうだ。


「ちっちっ・・甘いな!僕様がそんな事を二度もすると思うかい?」


「思う(だって人のポストに毎回自動販売機ツッコむし)」


「思うわ(だって人のお店で毎回借りパクしてるし)」


「な、なんだその目は・・、今回は真面目だよ!大真面目だよ!」


「じゃあなぁに?カラフル素麺なりに良い考えがあると言うのね?」


「うむ!絶対良い考えだよ!これは成功間違い無し!」


「で、その作戦は?」


「題して【強行突破で(ばしゃをぶつけて)門をぶち破ろう(ごーごーさくせん)】作戦!これで門を開いてすぐに市民を助け出せれば・・」


「ショコラ」


「うん、わかってる」


「お、お二人とも何を!?」


『ちょっと、良い鍵を見つけただけよ!』


「ホワイ!?」


そういうとメアリーはあの鏡之介さんをガッと掴み、

ショコラさんが馬車の外に飛び出して、

地面にチョークで魔法陣を一瞬で書き上げた。


凄い、スタイリッシュな方だ・・、


「ちょ、ちょっと!?これどういう事!?どういう状況!?何が一体起ろうとしているの!?」


「さあね・・ただ邪魔な馬鹿を今から大砲に突っ込んでマスターキーにしようとしているのよ!」


「それ、強行突破!?」


「うっさい!ショコラ準備は良い!?」


「いつでも!今ならアーラ〇ュすら凌駕してしまいそうだわ!」


「よーし!じゃあ貴方もこの大砲でス〇ラしましょうか!」


「ふざけないで!僕の今の状況はどう見てもす巻きだよ!て言うかそんなご乱心的な行動はやめてぇぇぇッ!!」


「ごちゃごちゃうるさーい!」


「あ゛あ゛ぁ゛ー!!たずげでー!!」


何と言うかこれは色々やばいが南無三と言う奴ではないだろうか、

致し方が無い犠牲だ。


私は死んだ目の様に悟り思った。


「嫌な・・事件でしたね・・」


「うわぁぁぁ!大砲の中でせめて胸に理想を抱いて死にたかった!!」


「理想を抱くのは構わんが・・別に貴方を大砲の弾として打ってしまっても構わんのだろう?」


「体は剣で出来ているのでしょう?」


「2人ともそれ違うし!僕様はアーチャーじゃないから!料理も上手くないし最近オルタ化もしてないよッ!!」


『良いから吹っ飛べッ!!』


ズドンッ!

爆音を鳴りたてて発射される大砲、

綺麗飛行機雲の様な物を描いて飛んで行く鏡之介さん、

何と言うかこれがこの世界で良かった。


「あ゛あ゛ー!!さらば僕様は鳥よぉ~!!」


そう言いながら勢いよく飛び門へと飛び立つ鏡之介さん、

そして見事に門の真ん中へとぶつかりそうになったその時だ。


「クッソこうなれば『|我が革命はここに来たれり《マイ・レリボリューションズ》』ッ!!」


ズドォォォン!


大きな爆発の音そして鏡之介さんの近くの地上からは大きな剣の刃の様な物が、

三本も門に向って突き刺さって行く、一体鏡之介さんは何を!?


「きょ、鏡之介さん!?」


「大丈夫、あいつはこの程度じゃ死なないから、それより早く門に行かないと!」


「え、ええ!そうですね!」


心配されてないくらい丈夫とは一体何者なのでしょう鏡之介さん・・、

ますますどういう人物かだんだん分からなくなってきますが、

今はとにかく門へい急ぐことにした。


門へと着くと辺りがボロボロだったが何とか入ることのできるスペースから入った。

そして中に入るとそこで見えた光景は・・、


「な、なんですか・・この光景は!?」


「酷い・・和の都とも言われていた春風の里がこんなにも・・」


「なるほどね・・どうりで私の能力から悲痛な叫びも聞き取れたわけよ」


本来な美しいほどの綺麗な里なのだろう。


だが今は人が沢山倒れこみ、誰一人として生存が確認できないほどの酷いありさまだ。

私がこういう絶望的な光景に慣れていなかったらきっと吐いているほど酷いありさまだ。

建物は燃やされ、人の死体は山住となり、そして川や自然が汚れきっている。


「これが里・・?これがあの和の都?そんな・・こんなのって・・」


「落ち着きなさいメアリー、こんな事で錯乱してたらキリが無いわよ」


「で、でも!人が・・里が・・誇り高きこの場所が・・」


「悲しいのはわかる、辛いのは分かる・・けれどこれを否定しながら己を壊すなんてそれこそ二の舞よ」


「うう・・うぅ・・」


楽しい旅が一転、とんでもない事件にたどり着いてしまった物だ。

ここまで酷い有様もあの雨の中の屋敷以来だろう。


「アタター、誰も僕の心配してないのねー!」


「あ、生きてた」


「生きてるよ失礼なショコラ君だね」


「私は常に誰に対してもこんな物だけど?」


「嘘だ、絶対に嘘だ、差別してるよ人種差別」


「気のせいよ、それよりこの惨状を見て何とも思わないのかしら?」


「思っているとも、こりゃあ酷い有様です事だ。頭抱えちゃうねー、どうしてこんな事起きているのかな?」


『それは俺がここを破壊しつくしているからだッ!!』


「上から声ッ!?誰だッ!?」


「てっ、なにこれ流星群!?」


鏡之介さんが言ったその次の瞬間、

私たちが上を向くと空から大量の流星群が降ってきた!?

降り注ぐ大量の星々、

これは早々に避けなければならない!


「みなさん!逃げてくださいッ!時間を稼ぎます!」


「無茶よ!!流星群は広範囲に散らばる無属性魔法!高速で放たれるから一度放ったら時でも止めない限り・・」


「【放射停止時計ストップ・タイム・ザ・キャノン】ッ!!」


時でも止めない限り止まらないのなら止めればいい、

そう、私の魔法を持ってして!


これぞ懐中時計から放たれる直線上の物を止める事が出来る魔法!

私は時の魔法なら誰にも負けないッ!


『止まった!?』


「一斉に驚かれるのは良いのですが今のうちに逃げますよ!!」


「アハハッ!それもそうだね!急いで走らなければなるまいよ!」


「急ぐわよメアリー!」


「う、うん!分かったわショコラ!」


私たちは降り注いできた隕石を難なく止めて前へと走り出す。

とにかく前へ前へと隕石の当たらない場所へと逃げ、

そろそろ大丈夫だろうと思って私たちは一度踏みとどまる。


「ここまで来ればおそらく大丈夫ですよね?」


「大丈夫だとはおもうさね、ただあの隕石はこの後どうなるん?」


「心配しなくても時間が経ってもう少しでまた地上へ向かって行くんじゃないでしょうか?」


「なるほど、誰かに当たって無ければ良いけどね~」


「そ、それよりここからどうすれば・・」


そうだ、

踏みとどまり先ほどの誰かの不意打ちを食らって、

何も考えずにこの場所へと来てしまったが、

この先の事は何も考えていなかった。


この破壊された里、危険な攻撃、どう考えても普通ならいてはいけない場所だろう、

ここはとりあえず安全な場所へと移動をした方が良いと提案を・・、


「・・待って、誰かいるッ!」


「おや、ショコラ君も感じているのかい?どす黒いマナ波に・・」


「ええ、間違いないわねこのどす黒いマナ波こそ・・ッ!!」


『俺の気配てか?そりゃあ大正解だぜッ!ヒャッハッハッハッ!!』


また遠くの方から声?

ふと慌てて建物の屋根などを見回す私、

そして高い塔の様な近くの建物の天辺を見るとそこには人が立っていた!


1人の少女、その姿は先ほどの行動からは予測できない身なりだった・・

少女はブロンドのロングヘアーが凄く長くなびかせていた。


それは若干だがウェーブがかかっているロングだ、それも前も後ろも、

中にスプライトの白黒、外に禍々しいパーカー、青いジーパンを着て

腰に黒と白の二層の風になびくマントをしている。


頭に黒いリボンを付けた片目が白無き黒と黄色の目をしている少女だ!!


「まさか、貴方がさっきの攻撃の犯人!?」


「正解ッ!我こそが最強の魔女ッ!世界の頂点にふさわしい最高で究極な魔女・・その名も「星空 コメット」ッ!!」


「ま、魔女!?どう見ても不良にしか見えないのだけれども・・」


「いーやアレで魔女だから、確かにナウなヤングに見えるけどアレはれっきとした魔女だよ」


「そんな・・コメットちゃん・・コメットちゃんがこんな事を!?」


「どうして!?コメットはそんな事しないはずよ!」


「ふ、二人ともご存じなんですか!?」


「うん、だって鏡之介さんの家に同居してるから・・良く遊びに来ていたのよ・・」


「鏡之介さんの?」


「不純な思いや下心は一切ありません」


ど、どういう事だ今いっぺんに色んな情報が入って来て理解が追いつかいない・・、

と言うより一つ凄い重要なのが聞こえたような、


「鏡之介さん・・あのコメットさんが犯人だったという事に何かご存じなんじゃ・・」


「ああ、ご存じだとも、なにせ・・当分アレを探して馬車回してたのだかサッ!」


「やはりそうだったのですね、ですが何故あんな事に・・」


「話すと長いッ!とりあえずこの状況をどうにかしてからにしてくれッ!」


「わ、わかりました・・」


「ハッ!!威勢がいいじゃねぇか鏡之介ッ!弱小の臆病者にしちゃあよォッ!」


なんかずいぶん言われたい放題な鏡之介さん・・、

彼女にとって鏡之介さんは他愛もないと言う事なんでしょうか?


「鏡之介さん、あんな事言われてますけど・・」


「あー、気にしない気にしない、アレ操られて馬鹿になっているだけだから」


「操られ・・えっ?」


「ご覧、あの首のあたりと腕のあたり、真っ黒い腕輪と首輪があるだろ?アレは【洗脳輪】だ、この国で禁止されているマジックアイテム、使えば使用者の言いなりにできる、さらに戦闘タイプの輪は普段の倍の強さを引き出せる、欠点として荒くれ者になるんだけどね~」


「そ、それであんな感じに・・」


目つきの悪いゴロツキかと思ったが実はただ操られているだけだったんですね・・、

洗脳とはまた汚い、今すぐ解いてあげなくては・・、


「鏡之介さんッ!洗脳を解く為に私戦いますッ!」


「そう言ってくれると助かる、なにせ危険な代物だ、長時間活動すると精神異常を発生して自害し始めるデメリットがある、それが起る前に気絶させて破壊する」


「OK、そういう事なら私も・・コメットちゃんを救う為に戦うッ!」


「私も、少なからず戦力にはなるはずよ、戦わせてちょうだい」


「みなさん・・ええ、やりましょうッ!」


「アハハハッ!良いねッ!良いよッ!お前まとめて全員ぶっ殺すッ!」


救いたいと言う気持ち一つでみんなの心が一つとなって団結の気持ちを露にする。

あのニタニタケラケラと笑う彼女を前にしても一切揺るがぬ気持ち、

いや、彼女のあの様子を見るからこそ救いたくなるのだろう。


この場にいる全員が一斉に戦闘の体勢になり、

今、彼女の救う戦いが始まる。




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