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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
第一章 真紅編
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無限空想世界の幻想的な物語~真紅~ 第2話  「私の王子様が来た」


お昼の後はごく普通にまた仕事に戻ります。

でも今日は雨なのでとても暇です。

超暇です、誰か助けてくれ、もうこのさい傘の業者がバイオレンスでハザードしても良いから、

だれかこの退屈な日常どうにかして、


「ああーまじ ひま!」


叫んでも僕の声は届かない、

そう、なんせ周りには誰もおらんのです!

なにこれ、さびしいね


「・・・なぜ叫んだんだろ」


駄目だ、自問自答するようになったら今度こそ終わりじゃ、

やべぇよ、やべいよ、どうする。

もう、いう事言ったぞ僕、

このままだともし僕の名が知れた時に「トーク力が皆無の兄」と言われてしまう!

そんな不名誉なあだ名つけられてたまるか、ここは僕がトーク力に優れている事を教えてやる!

ついでにボギャブラリー兄さんと言うあだ名をつけてやる。

名誉返上、汚名挽回だ。

ちょうどいい、

そこのメイドさんにでも話しかけて僕の実力を今日物語を聞いてる諸君らに凄まじいほどすげー凄いという事をわからせてやる!

見てろ貴様ら、僕を見た時「うわー!ボギャレるトーク兄さん」と叫ばさせてやる。


「やあ、メイドさんメイドさん、こんにちは!」


「あら、シルバーさん、こんにちは」


よし、つかみはばっちりだ!

この調子でかっこよく決めてやる!


「今日はとてもいい天気ですねッ(キリッ)」


「今日は・・雨ですよ?」


「えっ・・ああ・・ほら、あの・・雨も良い天気だなーてっね・・そのほら、音が良いからつい・・」


「フフッ・・可愛い方ですね!私も好きですよ、雨!」


「あ、ああ!ありぃがとぉ・・」


「それでは!ごきげんよう!」


「うん!また!」


こうして、僕とメイドちゃんによる会話は結構平和に終わりました。

いやー、めでたしめでたし、

僕は隣にあった扉を開けて、

スタスタとその部屋に閉じこもり、

地面に手をついて叫ぶのでした。


「んなわけあるかッ!!」


そうだよ!そうだよ!なにこれ!?なぁにこれ、

珍百景でもなければ、ドゥヒンでもねぇよ?

さてはこれ公開処刑だなオメー、


「クソ・・サブカルクソ男が・・」


もうだめだ、何言って良いかわからない、

つかなんでこんな事しようとしたの、

馬鹿なの?死ぬの?廃人になりたいの?人間やめたいの?

わかんない、わかんない、わかんない、わかんないわかんなぁぃ、

俺の言ってる事は昔からこれぽっちも何一つわかんない・・、


「・・アカン、流石に止めよう、全国のいたるところからマジレスのゲート・オブ・サイバー攻撃が飛んでくる」


落ち着け、落ち着くんだ、ポジティブ・・僕はポジティブだ。

一度の失敗や2度の失敗で落ち込む野郎なんかじゃない・・、

そう、僕はシルバー・ウィル=コンティ・・長男なんだからなんだってできる。

兄より優れた弟なんぞ・・存在するけど気にしない!


「はは・・ここからだ、ここから取り返すんじゃ・・」


・・そういえば、一つ気になる事がある。


ココドコ?


く、暗い!光がない!

電気もねぇ!明かりもねぇ!ちっとも暖かくねェ!


「お、おらこんなところいやでーす・・」


僕は今、恐怖してる。

超恐怖してます。

なんて言ったらいいのだろう、言葉に表せない恐怖、


「あわわ、なんかビンにそうめんみたいな物とかタコ焼きがあばば・・」

※現実逃避してます。


「おちつけ・・ドアを開ければすぐ出れる」


しかし、後ろにいくら手を伸ばしてもひょいひょいとなぜか壁にすら当たらない、


「(あれ・・おかしいな・・僕こんなに歩いたかな・・いっけね、もうオリーブオイル切らしてたのわすれてた)」

※現実逃避してます。


こういう時こそ、深呼吸ガ大事だ。

そう、吸って吐くのは深呼吸、吸って吐くのは深呼吸、


「よーし、僕もかっこいいところ見せてやるぞ・・吸って・・」


『ガタンッ!』


「あ゛あ゛ぁ゛ー!!藤さんだッッー(360)!!」


もう、だめぽー、僕の人生やはりここで終了だ!

きっと今頃「銀の人生終了のお知らせ」てっ書いてんだろッ!

良く死亡フラグが成立してる1枚絵の様にッ!

ああー、こんな事なら僕も魔法が使いたかったよー、

弟よ、先に良い旅夢気分を味わってしまいます。

許せッ!僕はもう、それはそれは精一杯手のひらをいただきまーすした。


「・・・ッ」


「・・声?」


その時だ、向こうの方からなにか声が聞こえた気がした。

それは一瞬だがとても小さな声、なぜ聞き取れたのかはわからない、

その時、聞こえた気がしたんだ。


『助けてッ!』


間違いない、これは別に現実逃避の末の幻聴じゃない、

確実に聞こえた。

僕みたいなやつに助けを求めていた。

確実に求めていた。

僕は声を頼りにおびえるのを止め、暗闇の中、

地面を手探りで声の方向へとにじり寄る。

ペタペタと、地面を誰得四つん這いになりながら手探りで、

そして、ある程度進むとその先には、


「・・・これ・・かな?箱?それとも・・なんだ・・」


良くわからないが、なにやら冷たい箱・・ではない、

暖かい、とてもやわらかで、とても心地よくて・・、

なんだか、ずっと触れていたい・・、


「なんだろう・・母に抱かれているぬくもりを表すこの感覚は・・」


その時、その箱は・・光輝いた。

周囲を轟々と風を吹き、今から召喚でもするかかと言うぐらい、

そして箱の周りは正体を現した。

それは・・棺桶だ。


「棺桶?なんで・・」


両手で風と抵抗するので必死だった僕はただ少ない腕の隙間からのぞき見た。

それは光輝く白い棺桶、次第に周りに張られた札的な何かがはがれ、

ついに、棺桶は開く、

勢いよく、バカッと、

開いた瞬間勢いは止み、風も止んだ。

僕は腕を下して改めて現場を確認する。

気づかなかったがまわりがなぜか少し明るくなっていた。

このふよふよ浮いたほこりが明かりになっているのだろうか、

それはともかく、棺桶だ。

一体中には何があるというのだろうか、

僕は恐る恐る、棺桶の方へとみると・・


「・・な、なん・・」


「・・・まあ」


そこには可愛い、とても可愛いくて小柄なお姫様がいた。

白くフリフリとしたドレス、胸にはペンダントを大事につけている。

そして白と黒の2色の翼を広げ、足をクロスさせて美しくこちらを見ている。

その瞳は赤と青がまるで宝石に見えるほど美しい色をしていた。

セミロングの様な髪の毛がわしゃわしゃとフレアがかかっていた。

色は美しい・・空色と海色が混合されている色だった。

その子は天使のような微笑でまるで悪魔のようにも見えた。

そして、その子はこちらにこう告げてきた。


「初めまして、私の王子様!」


「・・・ふぇッ!?」


これが、僕の最後の退屈な日でした。


とぅーびー こんてぃにゅー?

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