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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
第一章 真紅編
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無限空想世界の幻想的な物語~真紅~ 第13話  「受け継がれる能力」


妹様の背後を狙って登場したのはお嬢様ッ!

先ほどとは打って変わってもう封印は解けているッ!

手には赤く黒くなにか禍々しい槍を持っている、

羽は先ほどの怪我が嘘のようにまた生えていた、

そして全身が美しく蘇っているッ!


「食らえッ!【紅の一突き(クリムゾン・ブレイブ)】ッ!!」


地上から妹様と距離を取った場所からの勢いある一撃、

あの女帝が命を絶ってしまった場所にやや近いッ!

お嬢様が大きく横回転を入れ、槍を妹様目掛けて撃とうするッ!


「グッ・・ならせめてあいつだけでもッ!」


このままではただやられるだろうと考え妹様は、

せめてリアリナさんにダメージを与えようと攻撃をしようとするッ!

確かに距離的にまだ離れきっていない、

先ほど体力を使いすぎてバックステップが間に合ってないッ!

息切れ寸前のままでかなり苦い顔をしているッ!


「(苦しいッ・・もう・・足も・息もッッ!)」


「(チェンソー投げれば一撃で仕留められるッやってやるッ!)」


アレの焦っているようで狂気の見開きの目は確実にあのチェンソーモドキでやるつもりだッ!!

あんなのぶっ刺されば即死不可避ッ!


「アッッ!?(しまったッ!?足を踏み外したッ・・ッ!)」


「リアリァさぁんッ!?」


「絶好のチャンスとぉぉぉぉらぁぁぁイッ!ダァァァァァッ!!」


赤く黒く勢いよく発射される巨大な攻撃ッ!

あんなの細胞一つ絶対に残らないッ!

このままではリアリナさんがッ!!


「させねぇェェェェェッ!!」


ジャックさんがリアリナさんに向かって走り出すッ!その速さはまるで神速ッ!

ジャックさんが今あのどす黒い衝撃波の前でリアリナさんの前に立ちはだかるッ!


「ジャッ・・クッ!」


「喋んなッ!二酸化炭素振り回す暇があったら・・深呼吸してろッ!」


「グッ・・ごめんッ!」


「ア゛ッ!?勘違いすんじゃねぇぞすっとこどっこい白銀野郎ッ!俺はてめぇと心中なんざごめんだッ!」


「でもッ!これじゃあ・・」


「前向いてるくせに後ろ向きの言葉弱音を吐き散らすんじゃ・・ねぇぇよッ!!!」


「・・・ッ!!」


ジャックさん、目の前がどうしようも無いのわかってんのに・・、

どうして、どうしてそこまでッ!

それが、それがあんたが持てるすべての答えなのかッ!?


「俺は今までこの右腕は絶対に差し出さないと決めていたが・・、仕方がねぇ・・くれてやるッ!右腕をなぁッ!!!」


「ジャックッ!!!」


「(な、なに・・あの執事お兄ちゃんの気迫が・・違うッ!?)」


「禁断の右手ッ・・【絶対斬滅ジャック・ザ・リーパー】ッァァァ!!」


その一瞬はとても儚くも勇ましい姿だった。

右手をグッと握りしめ、力を込める。

そしてその右手で巨大な刃を作り、すべての覚悟を決め、

赤黒の衝撃波へと突っ込むッ!!


「ウォォォォォラァァァァッ!!」


ジャックさんと衝撃波はぶつかり合ったッ!!

そして大きな爆発と共に、もう一つの「赤い槍」も放たれていたッ!


「イッケェェェッ!!」


お嬢様がこれ以上に無いくらいの気迫で声をあげる、

目を開き、あの小さな腕は妹様に引導を渡そうと黒き赤い槍を握りしめ、


今、時放たれたッ!


ズドシャォォォンッッ!!


強烈な音だ、床を砕いてもおかしくないくらいの音を立てた。

あの音の中、ジャックさんはリアリナさんに抱きしめられてなんとか衝撃の中生きていたッ!、


「馬鹿ッ!あんな無茶して・・」


「うっせ・・右腕無くなっただけだ」


「でも・・でもぉぉッ!!」


「泣くんじゃねぇよ、おめぇのお嬢様守れたならそれで俺は満足だ」


「うっ・・うっ・・・・うわぁぁぁぁんッ!」


「チッ・・うるせぇ・・」


リアリナさんがとても大泣きしながらジャックさんの事を怒った。

でも、なんだかちょっぴり安心も抱いていそうだ。

ジャックさん、あんな安らかな顔で・・、

右腕と言っても間接部分が残っていたみたいで良かった肘以降はまだあるッ!

リアリナさんが泣きながらも大急ぎで応急処置をしているッ!

そして大胆な一撃を放ったお嬢様ッ!

お嬢様も力を出し切った様に疲れはて、ゆっくりと床へ倒れこむ。


「お嬢様ッ!」


僕はお嬢様の気絶を見て急いで駆けつける。

この足に力をいれて全力で走る、

頑張ったお嬢様を無事に迎える為にッ!

さあ、フィナーレを飾ろうッ!


『そう簡単に行くと思う?』


「なッ!?」


無我夢中になって走って全然気が付かなかった背後、

その後ろにはなんと、

槍で突かれたはずの妹様が怪我を負い、

血を流しながらも僕の背後から、

まさかの槍を奪って槍を刺した、


「グォォッ・・」


「チッ・・肩に刺さっただけか・・」


「銀ッ!」


「銀ッッ!!」


何てことだ、僕とした事が油断していた。

すっかり倒した物だと思ったよ、

気絶して、そこはその・・心地よい夢に入ってくれていたんじゃないの?

でもまあ、そんな夢の様な状態になってたと思ってた僕は・・そうとうな間抜けだな・・、

僕はやっぱり、ただのポチだったらしい、

主人を目の前にまんまと笑顔で駆けつける、ただの犬、


「ハハ・・マジか・・」


「マジもマジだよ~?あの中でも私は生きていタッ!だから、あの中で目を光らせズッッと見ていたんだ

よッ!!お間抜けさぁんッ!」


「・・・そっすか」


ああ、肩から出てくる血がいてぇ、

貫通されただけとはいえ、刺されるとこうも痛いとは思わなかった。


「さて、何か走馬灯が見えている所わるいけどネ?君は邪魔だからポイするよ、だからせめて最後にどこにポイされたいか選んでネッ!」


「・・・だったら、最後に・・一つだけ・・良いですか?」


「なぁに?」


「階段・・あたりに・・・やってくれ、お嬢様がいるから・・」


「ふーん、あっそう・・でも理由のせいでさ気分が変わった」


「えっ?」


「君とおばさん2人で仲良く眠りなよッ!」


サッと槍を振り払い、

僕の体は軽々と槍から離される。

遠く遠くへと投げ飛ばされる。

少女のただの横ふりなのに、ここまで威力のある投げ飛ばしがあるだろうか、

僕はただ、真っ黒になりそうな目と真っ白になりそうな脳で、

ただ、うつろになって考えた。

ああ、見えるぞ、見えてくる。

遠くにいるおばあちゃんが、

さっきまで遠く離れていたのに、

もう、こんな近くまで来たんだな、

手は振ってない、振れるわけないよな、

そりゃそうだ、あのばあちゃんだ、降るわけがない、

なんで僕、ばあちゃんなんか見えるんだろ、

ああ、そうか、さっき自分で言ったもんな、


『・・あきらめるのか?』


うん、むりだよ

笑顔で救うてっ言ったけど無理だよ、

ごめんね、せっかくかいほうさせてあげらるかと思ったのに・・ね、

無能な僕を許さないで、ずっと恨み続けると良いよ、

僕はおばあちゃんや弟を裏切った。

身勝手な思いや願いでただ救えると信じていた。

本当にすまなかった・・、


『そうか、残念だな・・ならせめて、ちゃんと自分で食べた物は・・残さず食べろよ?』

どういう事だい?


『さあな、ただ一つだけ言える事は・・力を・・貸してやる』


ああ、そういう・・事か・・、

はは、白い世界におばあちゃんが遠のいて行くよ・・、

待ってよ、僕もそっちに・・、


『お前はまだ早い、せめて・・全てを救ってからまた会おう、それまでは・・先にあっちで待ってる

ぞ・・シルバー・・我が孫よ・・ッ』


ふり返って笑顔を見せるおばあちゃん、

白い世界に飲まれてそれだけを告げるおばあちゃん、

ああ、そうか、

僕は、そっちにいけないんだね、

行っちゃいけないんだね・・、


階段あたりに投げろって


そりゃあ・・そうか・・、


ここには三途の川でおばあちゃんが手を振ってくれない・・、

でも、手は振れないけど・・、

力を貸してくれるッ!


僕は右手の銃をおばあちゃんに構え、

撃針を弾く、

そして、銃は唸る、唸り声をあげる。

あの獣がまた姿を露にしたッ!


「ここで・・死んでなるものかッ・・」


「なっなんだッ!?」


僕は銃から出た獣におばちゃんを食わせ、

銃に取り込むッ!


「・・・ッ、すまねぇ・・ばあちゃんッ!!」


『!!!!!!』


「俺はまだッ!諦めるわけには・・いかねぇッ!!」


銃の獣は吠える。

そして獣はサイズを小さくし今度は僕の腕へと噛みつく、

僕は、あの獣が吸い取ったと思われる力、血、魔力、すべてを今受け継いだッ!

感じるッ違うようで同じ血の感覚をッ!

伝わる、何かみなぎる魔力が高まる感じをッ!

燃えあがる、みなぎる闘士、ばあちゃんの思いッ!

獣は再び撃針の後ろへと隠れる、

ありがとう、一か八かの最悪の賭けに付き合ってくれて、

肩の傷は一瞬で治り、

あの時の様にまた赤く赤く目を染まらせるッ!

たった数秒の出来事なのに、

まるで数十分にわたる出来事みたいに感じる。

ああ、だから人生は止められないッ!

僕は空中から体制を変えて綺麗に着地をするッ!

目を鋭く、力にみなぎる闘士を燃やすッ!

フレアに銃を構え、僕は言葉を交わす、


「ごめんな、悪い大人で」


「フざけるなぁぁぁアッ!!」


妹様は勢いよくこちら目掛けて槍を降り構えるッ!

僕も左の剣を降り構え突進をしかけるッ!

黒くも赤い憎悪、赤くも青く鋭い閃光、

2つの力が今、ぶつかるッ!

ドグシャァァァァァァアッ!!

剣はぶつかりつば競り合いになったッ!

2つの眼光は一歩も引かない、

どちらもにらみ合うッ!

怒りを露にする妹様、

静かに怒る僕、

どちらも乱れぬつば競り合い、

だがその一瞬ッ!


『・・・助けてッ・・誰か助けてッ!』


「(妹様の声ッ!?だが、何故っ・・)」


「シャオラァァッッ!!」


一瞬の救いを求める悲痛な声に驚きを隠せず戸惑ってしまう僕、

幸い怪我はしなかったがつば競り合いが途中で押されてしまったッ!


「貰ったッ!(助けてッ!!)」


「(やっぱりそうだッ!妹様の声だッ!だけどどうして・・ッ!?)」


そうだッ!

ヘルプボイスッ!

あれは・・おばあちゃんの能力ッ!

僕がそのまま受け継いでいるんだッ!

さっき一つも残らず獣が食べて、その一部を僕に移したんだッ!

凄いッ!これが力を貸すと言ったおばあちゃんの言葉ッ!

ありがとうッ!あんたはウィルコンティ家で最高の救世主だッ!

あんたが救えなかったと言っていた能力・・ここで活用し・・、

夢をかなえて見せるッ!

何かある、妹さまは狂っているようで何かを抱えているッ!

それさえ分かればッ!

だが、そうはさせまいと気づいたのか妹さまが僕に連続的に攻撃を仕掛け始めるッ!


「オラオラオラオラッ!!」


「クッソッ!!隙がありゃしねぇッ!」


「しぃねぇッ!くたばれッ!そんでもって命さらせェェェェェェいぃぃぃヤァ!!」


「また真っ直ぐ突進をッ!?」


その時、心の中に何かがよぎる、

明鏡止水の様に、一粒の水滴が落ち、

心の中で波紋を抱く、

いま、何かがひらめいた。

迷っている暇は無いッ!

これに全てをかけるッ!


「マガジンッチェンジッッ!!」


マガジンを勢いよく降り落とし落とし、

手から魔力で生成する新たなマガジンッ!

これを数秒で投入ッ!

そして銃を構え撃ち放つッ!

僕の周りが青いオーラが舞う、

ジャックさんの様に風が吹き荒れるッ!

目を研ぎ澄まし、今放つ蒼き銃弾ッ!


「【開放射出(リベラルゲート)】ッッ!!!」


パァァンッ!

大きく鳴り響く銃声、

青い一つの弾がクルリクルリと火薬に押し出されて風をまとい飛んで行く銃弾、

そしてそれが勢いよくこちらへ向かった妹様へと、

命中するッ!!


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