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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
外伝その3
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無限空想世界の幻想的な物語~外伝~ 魔章31 「YES!マジカル!」

月光の闘技場、試合はいよいよ第二回戦になり。

緊迫のムードはさらに飛躍する、私の緊張はさらに加速する。

・・はずだった。

私の緊迫と緊張は一瞬で吹っ飛ぶことになった。

今、私の目の前にいるとんでもないキラキラ輝く金髪の魔法少女。

なんだこの少女、いきなり現れてとんでもないアイドル面してやがるぞ。

この女、本当に戦いに来ているのか?

もしかして私は馬鹿にされているのか?

そんなことはないはずだ、私だって二回戦に勝ち進んでいる。

確かに私自身は敗北してしまったが、みんなに思いを繋いで勝ち進む事ができた。

私自身も敗北からすぐさま次の試合に向けての準備を始めた。

にも拘わらずこの非情なまでのとんでもぷりっはなんだ。

いきなり現れて「はい、アイドル通りまーす、アイドルが通りますよー」見たいな。

そんな雰囲気で私の目の前に登場しなくたっていいじゃない。

もうちょっと真面目な雰囲気で登場すればいいんじゃん。


アレか?

無限空想世界の幻想的な物語の作品内の魔法使いは変態と阿保の子しかいないのか?

今まで出て来た奴も虹色素麺、ぼっち精霊魔法使い、変態全裸魔法使い、中二病、元ヤン、これと言って魔法の要素もかけらもねぇとか思ってたら次はアレか。

アイドル系ぶりっこ魔法使いってか、どんだけ属性濃いと思ってんだよ。

よりによってまたそういう系統の少女増やしていく。

しかもなんだあの輝きを放つ自信に満ち溢れた女は。

なんだかもう私の心はこの言葉で統一されてしまいそうだ。


「えっと・・とりあえず殺○に行きます」


「落ち着けッ!巫女!落ち着けッ!」


「殺意に捕らわれちゃダメよ巫女ちゃん!」


「あかん!出雲ちゃん抑えて抑えて!」


「は、放して!私にはやらなくてはいけないんです!今すぐに未来の人気投票の為にも勝ち取らなきゃけいない戦いがここにあるんです!ここで倒しておかないと多分アイツ書籍化決定と同時に行った時に一枚絵に凄い目立つセンターとかにさりげなく描かれてしまいそうな予感がするんですよ!ほら、あるじゃん!こういうキャラ最近流行ってんじゃん!【てへ☆私ドジっ子~マジヤバ☆マジヤバ☆バンピカル!】とか言う変なネタキャラに限って人気投票絶大の一位とかなったりするじゃん!!何よりああいうキャラには絶対裏では【腹黒】だったりとか、あるいは【ビッ○】だったりとか【淫乱】【下衆野郎】【ヤリ○○】だったりとかするじゃないでs」


「そこまでッ!!そこまでだ未来有望の巫女よッ!後の人生に影響を出したく無ければ黙れッ!」


「そうよ!そろそろ来ちゃいけないモノが飛んで来るわよ!!」


「え、何それ怖い」


「な、何はともあれ出雲ちゃん落ち着けってッ!」


そ、そうだ・・あまりにもカオスすぎるキャラ個性のせいで私は混乱していた。

いや、殺意を芽生えさせられていた。

あ、頭がどうにかなりそうだった。

まるで作者が「最近ネタ挟んでないよなー」って言う願望から。

見事に私がネタキャラに走らされる呪いが掛かってしまった様だ。

何を言っているか分からないと思うが、私にも分からない。

作者特権だとか、プロット改変だとかそういうチャチなモノじゃ断じてない!


良かった、魔王様と桃子さんとガッツ君がいなかったら今頃消されていた。

私の信頼ある仲間に感謝しなくてはいけない。

ありがとうみんな、そしてありがとう。


「ふぅ・・さて、落ち着いた事ですしそろそろ試合に行ってきます、いつまでも会話や変に長い推理パート挟んでいたらキリがありませんからね」


「あ、ああ・・今回はやたらめったらテンション高いな巫女、貴様はそんなキャラだったか?」


「いくら別キャラの話が真面目過ぎたからといってこの扱いはあまりにも不浄すぎるわ、試合では私がしっかりサポートするとはいえ、不安ね、この落ち着かない調子で大丈夫かしら」


「そうだな、俺っちも不安だ、こんな尺稼ぎの要員のような使われかたしてたら後の方でもセリフと解説のオンパレードで中々戦いに進展しないグダグダ小説になりかねない」


なんだろう、私も自覚はある、確かに今回の私は今テンションが高い。

どうしたことかとても気合が入ってはいる、けれども気合の入り方が違うと言うか。

なんというか、カオス・・そう混沌ッ!

混沌に満ちている、今私のテンションは混沌に満ちているんだよッ!

頭の中がこうぐちゃぐちゃにかき回されて誰かに意図的にメタメタする展開を作られ。

そのうえでこんなみんなを巻き添えにカオス会話のオンパレード。

あまりにも不自然、私がネタにこんな触れた要素がどこかにあるはずだッ!

くそう、きっと能力・・能力に違いない・・。

こういう時に限って外部からの攻撃だろうか?

もしかしてさっきの無茶苦茶な戦いぶりから私嫌われている?

誰かに呪われているの私?

もしかして一変死んでみる的なノリで藁人形を渡されて。

それを使い方を間違えてごっすんくぎを使って【死ねッ】といいながら。

何度も釘を木に向かって打たれている!?

あるいは遠距離からの刺客、ありえない話ではない。

ここまでそう言った外部による特殊能力系は場所を選んで登場して来た。

しかも攻撃的な能力が多い中での登場は是非も無しに求められているはずだ。

私は今頭の中で確実に確信した、いる、絶対にこの会場の中にいるッ!

間違いなく奴はそこにいるッ!

奴って誰だ?!


「おのれッ!通りすがりの能力者!ヴァレン何某!」


「落ち着け、この世界にライダーも剣姫もいないぞ巫女ォ」


「大変、そろそろ本格的に危ないわよ・・何が危ないってこのままだと巫女ちゃんの解説で再び連載終了の危機に立たされる可能性も無くはないわよ」


「それもう危ないで済むのか?それもう危険とかそういうレベルじゃね?」


「はぁ・・はぁ・・ダメだ・・ここにいるだけなのに・・さっきから何か言いたくなる病気にでも掛かってる様だ・・どうして・・どうしてこんなに・・」


「み、巫女ちゃん、このままだとその喋りだけで今回終わっちゃうし、そろそろ読者も飽きて来る頃だからそろそろ会場に足を運ぼう!」


「そうだな巫女、もうこのままだとただ体力を消耗するだけだ・・流石にこの量喋る貴様は今頭がおかしいぞ」


「いや、具体的にはみんななおかしいと思うんだけどな、俺っちはそう思う」


みんな言う通りだ、一人の意見が答えとなって私の心に突き刺さる。

確かにその通りだ、今この場でまるで意図的に体力を消耗させれて・・。


「巫女ちゃん!行こうか!はい!背中押してあげるから!心の中で何か考えない!」


「これは誰かの陰謀だ!私が裁く!私が裁かなかったら一体誰が裁く!?」


私の熱烈とした奇怪な発言はたとえ闘技開始位置についても収まる事は無く。

桃子ちゃんが背中を押して進ませてくれなかったらまだ心の中でも発言していた事だろう。

しかし、今はただの奇怪でおかしい発言だけかもしれないが。

後にこれが厄介な現象、あるいは呪いとして私の前に立ちはだかるなんて。

誰も知る由はこの時無かった、この私自身さえも気づく事は無かった。

控えで待っているガッツ君や魔王様も気づいた時。

初めて、敵の恐ろしさが伝わるのだろう。※


「(ガッツ・・巫女の異変がおかしい・・敵の能力かもしれない)」


「(ちがいねぇな魔王、俺達まで発言がおかしいなんて・・しかも俺達のは軽症・・これは雲行きが怪しいぜ)」


「(あながち・・敵は戦闘馴している奴かもしれん・・不安だが見守るしかあるまい・・)」


※若干すでに気づいてました。


しばらく背中を押されて私は敵との距離を取られたこのスタートラインに立たされる。

そして、さらにそこで目にした光景とはまたしても混沌パレード。

それはあのウザさMaxのキャラ全開のスタートである。


「イエーイ!!お二人様どうも~!賢い☆可愛い☆キューティクル!(キランッ!)みんなのハートを鷲掴み(イェイ!)☆ハートドキ☆ドキのラブリーアイドルことマジカル☆ルイカちゃんです☆YES!マジカル!NO!ロジカル!(ロジカル!(ロジカル!))」


「これはこれはご丁寧にご挨殺ありがとうございます、ところでお墓は缶詰がいいですか?アイス棒がいいですか?」


「巫女ちゃんッ!落ち着いて!アレにキレたら相手の思惑通りだよッ!」


「んー?どうしたんですか?・・あっ!わかりました!私の可愛さに嫉妬しているんですね!んもう!ダメですよ?私は世界一可愛いのは当然なんです、当然事に怒るなんて・・イ☆ケ☆ナ☆イ・・人!」


こ、この女どういう方法で戦いで屈服させてやろうか!?

私がいくら巫女だからと言って・・許せる範囲と許せない範囲がある!

この女は今私の許容範囲を余裕で超えた、よって死刑ッ!

こんなさっきからクルクル踊りながら私に指さしでキャピとかやる奴は正常ではない。

異常、そう精神異常者だ、敗北と同時に医務室じゃなくて精神科に送って。

毎日「はいお薬ですよ」って言われる生活しかできない様にしてやる。


「(巫女ちゃん!わりと分かりやすい殺意を出さないで!わりと私でもそんな真っ黒なオーラ出されたら心の中が分かる・・心の中が分かる?アレしかも結構完璧に分かっちゃうわ・・これもしかして私天才じゃね?)いやぬそれよりも巫女ちゃんしっかりして!」


「対戦前から大変ですね~・・これはルイカちゃんピンチかも~!(クックッ・・馬鹿め・・裏では実は私の能力【禁断(タブー)書物ノート】が発動しているとも知らずに馬鹿な連中め・・この能力は私の書いた事が実現する能力・・しかし世界を狂わしたり・・因果関係などの法則無視は不可能・・悪魔で現実で起こりうる可能性のみを叶えてくれる万物の能力・・勝利には導けるわけじゃないけど・・どうやら上手く言ったみたいですわ!相手チームのネタキャラ化を図ってみただけで巫女の方がこんなにも効果覿面・・リーダー格さえ馬鹿になっちまえば・・あとはそいつをつぶすだけよ)」


「魔女、あまり顔に感情をだすでないぞ」


「うへぇッ!?晴明様申し訳ござ・・いませんでしたのー☆」


「(あれ・・今アイツ御椀に話しかけた?)」


「な、何故今・・アイツはお椀に話しかけたんだ!?もしかしてそういうイタイ子?」


絶対、イタイ子か何かだと信じておきたい。

まさか常識人であんな月と星の柄の和風お椀に話しかけるなんてありえない。

しかも空中に浮遊している時点で魔法使いのあの子が操っているに違いない!


「晴明様、そういえばそろそろ出陣のお時間なので・・お顔を出した方が・・」


「む?そうか・・ではそうするとするかな!せいやッ!」


「(ッ!!!思い出したッ!!!)」


「な、なな・・」


私はこの眼で確かに見た相手の隣のお椀から出て来た謎の可愛い生物。

それは感覚的にはあの魔物であったガッツ君を見た時のような。

そう、その生物はお椀の蓋をかぽっと跳ね除けて飛び出して来たのだ。

椀の蓋が空から落ちて再び椀の蓋にすると同時にその椀の上に乗っかる小さな生物。

それこそ、まさに小人であった。

可愛らしい紅の和服、着物のようなモノを着ている小さな小人。

おとぎ話のような生物、黒髪のショートヘアーの生き物。

クリクリとしたつぶらな瞳で小物なのに大物のような風格を漂わせる者。

彼女はとてもどや顔で誇っていた。


「控えおろォッ!私こそは小人最強にして最後の生き残り・・【天田 晴明】なるぞ!頭が高い!」


「そ、そうだわよ☆ず、頭が高くってよ!」


「なんか挙動不審になったぞ・・片方」


「そんな事ないだわよ☆!ただのあなたの勘違いって奴だわさ☆」


「嘘おっしゃい!!」


「小人可愛い!あれが絶滅したと言われている小人さんですね!」


「うわぁッ!?急にいつもの巫女ちゃんに戻った!?」


「あれ・・確かに私今テンションが゛下がっています!普通・・普通ですよ!」


「(しまったッ!!!この能力は私が常にハイテンションじゃないと発動しないッ!けれども晴明様の前で無礼なマネができるはずないじゃないッ!もうッ!)」


「(なんかよくわからんけど凄い悔しそう)」


「よーしッ!いつもの翡翠を取り戻したので・・ここから一気に流れを掴みましょう!」


「そ、そうね!この調子ならいけるわ!やっちゃいましょう出雲ちゃん!」


流れが戻って来た、今まで変な流れが来ていた気がするけど。

一気に悪い風かが吹き飛んだみたいだ。


「晴明様!相手との勝負が始まります!とりあえず・・お覚悟をッ!」


「うむ!存分に振る舞ってやるとするかのう!」


相手からの風格もまた変わった、一風変わって凄いまともだッ!

アレはマジの目だ、確実に戦いに来ている。

始まるまで、不穏な空気だったけれどもようやくまともな試合ができそうだ。

ここから始まる第二回戦、さあ、始めよう!

運命の戦いを今ここにッ!


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