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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
外伝その3
134/150

無限空想世界の幻想的な物語~外伝~ 魔章28 「笑いあり涙ありの戦い」

今、私の身に何が起きたのかさっぱり分かっていない。

この静かににらみ合う私とサギーの間でそれは確かに確信した。

そう、能力だ・・私の中で能力が目覚めたんだ。

私自身、何か体の中でざわめいて止まない脈動と鼓動がある。

確実に言える、今、私は歩き出せているとッ!

サギーさんがこちらを鋭い眼差しできっと見て、私のそれを確信しているはずだッ!


「背中に光り輝く六翼、輝く二色の青と赤の眼、白く輝く弓・・なるほど【ガブリエル】か」


「が、ガブリエル?」


「古来より愛と光を司る大天使、お前はその一つの力に選ばれたんだぜ」


よ、よくわからないけど・・私はそういう人の力の能力に選ばれたのかな?

今はどういう能力かさえも分からないからなんとも言えないとけど・・やらなきゃッ!


「サギーさんッ!続き・・続きをやりますッ!」


「おう、来やがれよッ」


構えろ私、その手に入れた新たな力を振るう時が来たんだ。

迷うな、きっとこの能力をくれた人は私を信じて力を託してくれたんだ。

なら、今はそれに答えるだけッ!

一本の弓矢を鋭く構え、今放つッ!


「誰かを傷つけ、誰かに痛みを与えるか、それら全てを消して放つッ!【ライト・アロー】ッ!!」


スパッ!


今度は二本の足で芯をしっかりと保ち放つ通常の構えからの魔力照射ッ!

私の射撃性能と合わされば、きっとこの導き出された魔術が答えてくれるッ!


バシュッッッッ!!!


やった、私の光の矢は確実にサギーさんの右腕に命中したッ!

けれども様子がおかしい、サギーさんの腕に命中したのはいいけれども。

サギーさん、全然痛くなさそう、と言うより・・平然としている?

ま、まさか・・弓矢一本喰らっても大したダメージじゃないッ!?

そ、それじゃあ私の攻撃はほぼ無意味だった?!


「(嬢ちゃんの攻撃が俺に命中したが・・なんの痛みもねぇな・・まさかだと思うが・・ッ)悪いが・・反撃させてもらうぜ・・ッ?!」


「あ、あれ・・まただ・・サギーさんが今度は・・右手を震わせている・・」


「(おかしい・・腕が上がらねぇ・・つかそういう事か・・分かったぜ・・アイツの能力・・ッ!!)」


サギーさんがさっきからまるで何かを考えているみたいに体から汗をだらだらと・・。

一体・・何を考えてそこから動かないのかな?

それより、何故さっきの攻撃を何故やめたのだろうか・・。


「(・・そうかッ!私の能力に気づいたんだッ!)」


瞬間的に私の頭に電流が走った、そのおかげでピカーンと来たッ!

分かった、私の能力・・それは名前通りの【愛と光を司る能力】なんだ。

あの神々しい矢は刺さっても痛くないし、肉体に傷さえもつけない無死の矢ッ!

さらにそこから善意と良心を与え、攻撃の感情を完全に消すッ!

私の能力はそういう戦いに対して争いを消す能力ッ!

サギーさんがあんなに汗だくになって悩むのも理解できてしまったッ!


「(アイツは気づいただろうな・・しかし問題はこの能力にはおそらく癒しの力もある・・微かだがこの弓矢・・俺の肉体から疲労を決してやがる・・俺の様な相手ならともかく・・この先相手次第ではこの能力は強力なハートフルボッコな能力になるだろう・・)恐ろしいぜ」


「サギーさん・・腕、上がる?」


「ああ、残念だが・・左腕がまだ・・動けるぜッ!」


流石に左腕が動いたら片方の腕から弓矢を抜くことは可能だよね。

私もそれは予想していたよ、でもその程度ではくじけないッ!

まだ、いくらでもチャンスも勝利も掴む事は可能ッ!


「まだいけるなら・・まだ戦えますよねッ!」


「そうだ・・そうやって弓を構えろ・・まだ勝負は続くぜッ!」


サギーさんの燃える闘志が私の心にも伝わるッ!

おかげでとても戦いに熱が入る、この調子なら私も見えて来るッ!

この戦いにかける思いがッ!


「(嬢ちゃんの面構えが完全に変わった・・来るなッ!)」


「神聖なる孤高はここにありて、全てを詠み、全てを誓う」


「(詠唱からの魔力照射は確かに強力・・しかしッ!)」


「(来る・・目の前からサギーさんが全力でこちらに攻めて来るのが分かる・・だからと言ってこの詠唱を中止して避けるわけにもいかない・・ッ!)私に光をッ!【ライト・バニッシュ】ッ!!」


スパパパッ!!


一つの矢を二つに、二つの矢を四つにッ!

速度を上げるごとに分散を起こす、光の散弾ッ!

一つの矢からいくつもの答えを生み出す、その意味を込めた可能性の攻撃ッ!


「(なるほど・・この全速力で突っ走る俺に対していい攻撃・・だがッ!)」


ズザァッ!


止まった!?

突然サギーさんの全速力の疾走が矢を目の前にしてブレーキをかけて止まった。

何か来る、ここからカウンターを仕掛けてくるの?!


「見せてやるぜ・・これが俺のもう一つの武器・・」


な、なんだアレは・・両腕をゆったりとまるで何かの構えの様に動かしている。

一度両手首を合わせてまたゆったりと何かを描く様にゆらりくらり・・。

そして、終いに見せたのは両腕を大きく広げ、これから何かに襲い掛かろうという構え。

まさに、その構えだッ!


「思いしれッ!魔術格闘拳【漢破羅切(かんはらせつ)】ッ!」


「なッ?!」


シュバババババッッッッ!!!


い、今この時まで私は数分り出来事だと錯覚していたッ!

違う、正確にはおじさまは今この一瞬で魔術格闘拳の構えを行ったんだ。

肉体に魔力を集中させ、前進しながら連続的に拳で弓矢を裁く構え。

まさに神業、あの数秒でなんて手さばきなの、ゆらりと見えていたのは錯覚ッ!

本当はあの動きを瞬間的に行っていたんだわ、完全に油断してしまったッ!


「そしてくらえ・・これがッ!」


「(こ、今度こそ来ちゃうッ!!)」


「魔術格闘拳・・ッ!!」


シュピィッ!!!!


その瞬間、サギーさんは光の様に消えて私を通り越す。

目を閉じて両腕で防御の構えをしていた私にそれは見えなかったが。

確実に感じた、私を通り越す・・風の音をッ!

そして、気づけば後ろを振り向き・・やはりいるのはサギーおじさまの姿ッ!

い、一体私は何をされたの・・ッ!?


「クッ・・きゃひぃ・・」


「これぞ・・【満悦笑拳】ッ!今貴様は笑いのツボに入った!」


「な、なんてこぉフヒャハハハッ!アッハッハッハッ!!」


「どうだ~!貴様は笑わずにはいられまいッ!」


「うくぁ・・ら、らめぇッ!わ、わらっちゃ・・、フハハハッ!」


だ、だめ・・これは結構おなかに来ちゃうッ!

涙が出るほどにこれ、笑っちゃう・・ッ!!

笑いたくないのに・・こ、こんな・・こんなッ!

両足をバタつかせて、体をがむしゃらに右往左往してしまうッ!

止まってッ、こんな見っともない私を見ないで~ッ!!


「う・・くく・・や、やっと止まった・・」


「これぞ・・魔術格闘拳の流儀・・思い知ったか?」


「うう、魔術格闘拳・・なんて恐ろしいのッ!ちょっと苦しかったんだからッ!」


や、やっと笑いが収まった・・死ぬかと思った。

けれどもなんなの・・このちっとも嫌な気持ちならない。

むしろ、なにかスカッとする開放感・・これも魔術格闘拳のおかげなの?

いや、それでも・・もうごめんだけどねッ!


「油断してるとまた笑いのツボを狙われるぜ・・」


「もう油断しないんだからッ!見てなさい・・ここから一気に」


「的あての時間だァッ!」


バァンッ!


来るッ!

サギーさんの風格も一変する、私の目の鋭さも増すッ!

狙いを定めろ、今はあのサギーさんの出された的風船を一気に撃ち落とすんだッ!


「いっけぇッ」


シュピィッ!・・パンッ!


まずは一つ、続けて二個目・・ッ!

大丈夫、自分の感覚を信じて、そうすれば・・必ず当たるッ!


「せいやァッ!!」


スパァンッ!


やったッ!

三つとも確実に・・私の鋭い眼光を持ってして全て命中させたッ!

思わず空に放たれた風船にびっくりしちゃったけど、大した事無いねッ!


「見事だな、嬢ちゃん」


「うん・・アレ?サギーおじ様は?」


「後ろだ・・」


し、しまったァァァァァァッ!!

思わず放たれた風船に夢中になって的あてしちゃってたッ!

サギーおじ様の罠に完全にはまっていたッ!


「魔術格闘拳・・」


「い、嫌ぁッ!もう笑うのはいやぁッ!」


「【悪夢睡拳】ッ!」


ドドドドッ!!


振り向いて直後に防御を取れず、体に数発鋭い拳を喰らうッ!

手を平たくしてこちらに仕掛けて来た攻撃なにも関わらず・・痛くない?

一体今度はどういう拳を・・。


「な、なにこれ・・私の周りに見える・・ナイスバディな人達の姿がぁぁッ!」


あ、悪夢だッ!

私よりはるかに体格のいい人達がこんなに無数にいるなんて考えたくないッ!

やめて、私に見せないで・・こんなの見たくないィィィッ!


「うーん・・巨乳・・スリム・・ボン・キュ・ボンのお姉さん・・うーん・・」


「みよ、これぞ・・相手の一番今悩んでいる事を悪夢として再現させる強制睡眠拳法・・一度見たら最後覚めるまでその悪夢は続く・・そしてこの悪夢を見ている中で・・この大量の爆弾を周りに置いておく・・」


「う・・うぅん・・夢・・?」


や、やっと覚めた・・良かった・・やっぱりバスト200なんて化け物いるはずがないんだ。

そうだよね、そんな人外のような生命もどきいたら私も流石にひいちゃう。


「・・アレ、この周りの蒼い玉は?」


気づいた時には遅かった、この玉はサギーおじ様のしかけた爆発物だという事に。

私は慌てて周りを見渡したが、その時にはすでに爆弾は爆発寸前だった。

プルプルと震えてもう逃げだすにはとうてい遅かった。

しかし少しでも離れた方が良かったのではないかと、そんな思考も頭にはあった。

しかし、さっきの悪夢の影響で体が思った通りに動いてくれない。

こ、これが・・悪夢を見させる意味と言う事・・ッ!


「い、いやぁッ!」


爆発する瞬間が近づき、ミシミシとと言う音に怯えてその場で叫ぶ私。

逃げ遅れて、もう後がなくなり、爆発をもろに食らう事をただ待つだけだった。

そして・・次の瞬間ッ!


バァァァァンッ!・・べちゃくちゃべちゃくちゃッ!!


た、大量の白いヌルヌルした何かが付着したぁぁッ!!

な、ナニコレ凄いヌルヌルするぅッ!


「な、なにこれぇッ!凄いヌルヌルするぅッ!いやぁ・・ッ!!」


「安心しろ、ただのムーン生クリームだ」


「あ、本当だ美味しい・・じゃなくてッ!」


「ぬぅん?」


「よくも私を生クリームまみれに・・食べ物で遊んじゃダメでしょッ!」


「・・ごもっともだったぜ」


サギーおじ様のエンタメ的バトルは確かに私も感心してしまうわ。

けれども、やっていい事とやっちゃいけない事くらい・・あるでしょうッ!


「貴方にはこの生クリームを粗末にした罰を与えなければいけないわッ!」


「罰ね・・嬢ちゃんの罰は一体どんな罰なんだい?」


「ふふん・・私の罰も・・今までのサギーおじ様に匹敵するくらい・・笑顔の罰です!」


そう、サギーおじ様はずっと私を苦しまずどんな攻撃にも笑顔をくれた。

だから、私も罰に笑顔、もっと大切な事を教えなければいけないッ!

意味のある、罰をここに誕生させるッ!


パチンッ!


「(あり?試合会場が暗くなっちまった・・これじゃあ見えないぜ・・)」


私は指を鳴らし、照明を全て暗転させる。

この会場に一度、暗い暗い真っ暗な世界を降臨させよう。

そして大きな声で挨拶をして、スポットライトを私に当てようッ!


「会場の皆さん!聞こえますかーッ!今夜は満月の星空に導かれて、私達の試合を見てくれてありがとうッ!けれどももうフィナーレの時間がやって来ました!」


「な、勝手にフィナーレにされちまったぜ・・」


「さて!・・あらら・・私の服は白い生クリームでドロドロ・・これでは少々フィナーレを迎えるのに失礼・・ですよね?でしたら・・ハイッ!」


パチンッ!


私はまた指を軽めに鳴らし、その音ともにキラキラと光を光で生クリームを落とす。

会場はこの光景に驚愕している頃だろう、まさか服にこべりついた生クリームが落ちる。

なんて、常識破りな魔法は考えられないだろうから。


「な、なんて奴だ・・光の魔法で全部の生クリームを落としやがった・・」


「ふふ・・これはまだ序の口・・お次はドンッ!」


ポンッ☆


私が両手を空へとまっすぐ伸ばすと、大きなボウルが登場するッ!

銀色にピカピカと輝くボウル、そこには泡だて器も入っているッ!


「さあ、この中に全ての生クリームを入れちゃいましょうッ!」


「なんだと?!」


ジョバァァァッ!!


光の魔法によって全ての菌を払い、汚れ1つなく綺麗な生クリームをボウルに投入ッ!

地面には跡形も無く綺麗サッパリ生クリームが消えていった。


「そして、この生クリームをこの【故郷の味の素】と混ぜますッ!」


私はどこからともなく出現した小さな瓶に入った透明の汁の蓋を両手でバカっと開ける。

そして、片手でササッとそれを投入、後は翼で飛び立ち、あのデカい泡立て器でかき混ぜる!


「サギーおじ様、よろしかったら抑えてくださる?」


「あいよー」


サギーおじ様もしっかりと抑えてくれてるし準備万端ッ!

ゆっくりグルリグルリと回転をかけてまーぜまぜッ!

混ぜて混ぜて混ぜ回す、これが私の罰への活路ッ!

さあ、白い生クリームに輝きが手出来たら仕上げよッ!


「じゃじゃーんッ!かんせーい!」


「いぇーい!とっても美味しいそうだな!嬢ちゃん!」


「うん!でしょ!だからこれを貴方の口に全部入れますッ!」


「おお!そいつはイイな・・えッ?」


「フッフッ・・いっけえ!お仕置きの【スイート・クリーム】ッ!!」


私は銀のボウルから滝の様に攻めこむ生クリームに対して。

右腕を大きく上げて、人差し指を立てて一気に振り下ろし、サギーおじ様に向けて。

罰の命令を下すッ!


「ノバァァァァッ!!」


見事にサギーおじ様の顔面に命中、これで確実にサギーおじ様は生クリームを食べたわッ!

さて、後はこの生クリームの効き目ね。


「(こ、この味は・・)」


 ◆


「ただいま!母さんおやつは何!」


「お帰り、サギー、おやつは特製のケーキを用意してあるよ、生クリームたっぷりさ」


「えっ!?こ、これ母さんが作ってくれたのか!?あ、ありがとうッ!いつも仕事で大変だって言うのに・・本当に・・いつも美味しいモノを・・しかもこんな手間のかかるモノを・・」


「いいんだよ、サギー・・お前が喜ぶ顔を見たくて・・いつも私頑張れるから」


「母さん・・分かったよ!なら、俺も母さんにいつか喜んでもらえるような飯とか作るよッ!」


「はは!サギーはいつも嬉しい事言ってくれるわね!」


「当然だよ!俺は世界一母さんの味方だ!絶対に母さんを守ってやるんだ!この美味しいケーキや飯に誓って・・だから、また食べさせてくれ!俺はこの味ずっと覚えるからッ!」


「ああ、何度でも作ってやるとも・・何度でも・・」


懐かしいな、拾われの俺にあんなに沢山の料理を作ってくれたのは・・義母さんだったな。

腹の子でもない、肉親でもないのに、あんなに俺のを事を・・。

飯がとにかく美味かった、だから外に出てもずっと元気にいられた。

義母さんの飯はどこの店よりも美味かった、不味い飯が無かった。

外国から祖国の飯まで全部マスターして覚えた義母さんの飯は最高だった。

だから、いつか、あの笑顔に恩が返せる日を待って、俺も料理を学んだ。

絶対に美味しいって言ってもらうために、ずっと家で一人こっそりと練習していた。

義母さんはきっと影では分かっていたのかもしれない、それでもなんにも言わずに。

ただ、見守っててくれたんだ、気づいてないフリをしてくれたんだ。

優しかった、暖かった、あの日々はとても幸せだった。

俺は、生きててよかったと思った、生まれて父と母を亡くした俺に。

家族の存在を教えてくれた、おはようからおやすみの意味も教えてくれた。

そんな、大事な家族の存在を教えてくれたんだ。


いつか、俺はこの人にもっと笑顔を届けたい、そう願ってやっと。

完成したんだよな、何度も失敗して、何度もくじけて。

義母さんにそのケーキを食べて欲しかったんだ。


けれども、その願いはむなしくも、叶わなかった。


俺はその日から忘れてしまったんだ、義母さんの味をな。


 ◆


しばらくして、生クリームの大攻撃は終わった。

私は微笑みで見守る中、サギーおじ様は地面に倒れこむ。

ドサッと倒れこむサギーおじ様に私は問いかけた。


「生クリーム、美味しいですか?」


サギーおじ様はしばらくの間を置いて、涙声でこう答えた。

それは、とても悲しい声、けれどもどこか幸せそうな声だった。


「ああ・・とっても・・美味いぜッ!!!」


「ごちそうさま・・だね」


「・・ごっそさんだよ・・畜生」


『・・9・・10~ッ!!』


ファァァァァンッ!


気づけばタイムアウトの時間だ。

サギーさんが倒れこみ、10カウントが経過した。

お仕置きも無事完了、私は心の中で完全勝利に胸が高鳴るッ!


『勝者!メリル・チェッダーブライゾン!若き選手にもかかわらず相手に引けを取らない見事な勝負、さらにサギー選手の攻撃にもちゃんと対処するエンタメ精神!これには観客も満足の声を上げています!』


『本来の戦いはまた違う戦いを見せてもらいました・・流石は月杯!これは今後の試合にもまた影響されていく事でしょう!』


私とサギーおじ様の戦いはなんと血を流さない奇跡的な試合の幕引きとなった。

今までのとは違う革命的な勝利にみんな驚きを隠せない。

会場の熱はさらに上がる、この先の試合にも注目が行くのかな?


私の中でもこの勝利で戦いのカギが見えて来た。

この風の流れを止まさせはしない、必ずものにして。

流れを完全につかんじゃうんだから!

もう、何も迷いはしないッ!

サギーおじ様の教えてくれた答えを、無駄にはしないッ!


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