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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
外伝その3
115/150

無限空想世界の幻想的な物語~外伝~ 「イフニアの七夕 2017」

更新が遅れて申し訳ありません。

しかも投稿シナリオが外伝で本当にすいません!

しかしこれを期にまた執筆へと足を歩かせます!


※注意

本編未登場キャラクターなどが少数

また本編終了後の世界観でお送りします。


それでもいいと言う方はぜひ・・どうぞ!

今日は七月七日、

ある世界ではこの日は織姫と彦星と言う二人の男女が一年に一度出会える日だそうだ。

大昔、その二人は出会いがしらイチャコライチャコラと仲良く遊んでいたらしいが。

遊んでいたせいで仕事は放棄状態、流石にこれはどげんかせんといかんと思った神様は。

一度その二人を引き離す事にしたと言う。

しかしずっと会えないのも可哀想なので、

こうして毎年七月七日の一日のみを二人が会える日となったそうだ。


「・・と言うのが七夕の物語らしいよ、まあ詳しくは知らないけど」


「へえ~・・素敵だね~・・ところでなんで僕ら人間や吸血・・魔物が短冊に願いを書くんだい?」


「相変わらず兄さん無知だね・・こうやって短冊に書くと願いが叶う・・って言うのはイフニア界でも常識だろ?・・まあ所詮はそういう行事なんだけど・・」


「ほへ~・・じゃあ【今年もみんなと楽しく過ごせるように】と書いておこう!僕はまだまだ楽しみ足りないからね!」


「あはは・・兄さんらしいね・・」


コオロギの鳴く音聞こえる涼しくも少しだけ熱くなったイフニアの夜。

いま俺達が来ているこの場所は【夏風の里】だ。

この夏風の里は和と洋を中間的にかたどった観光地としても有名な里。

団子屋、人獣山、夏風の神社・・沢山の店があり沢山のスポットがある。

兄さんは以前この里で何か事件を解決した事があるらしいがそれはまた別の話。


※詳しくは楽園編をチェック


俺はジン・ウィルコンティ、この銀髪のポニーテールのシルバー・ウィルコンティの弟だ。

僕は金髪で髪の毛も短く、スラッとしたヘアーに整えている。

服装もだいぶ異なり、僕のはチェック柄で装飾品が少し多い。

兄さんのは腰マントをしており、ひらりひらりと風になびかせる仕様の服装。

同じタキシードでも服装が違うのは兄さんのお手製だからだ。

そんな兄さんとなぜ夏風の里に来ているか・・答えは今日は七夕だから。

七夕の日イフニアは夏風の里の夏風神社に集り、人はそこで短冊にお願いを書いていく。

運が良ければ叶うかもしれないし、所詮はただの神話なので叶わない事もある。


まあ、兄さんの様に純粋にいる事が叶う秘訣になるだろう。

純粋じゃないとするならば・・そう、あそこにいる悪い大人だ。


「今年も新薬と患者が多く来ますように・・っと」


「姉さんそれ医者としてどうなんだ・・確かにムーンメディカルセンター的には商売繁盛も良いんだろうが・・それ以前に怪我人0の方がいいんじゃないのか?」


「闇裏よ・・これも人としての嵯峨・・人はお金には敵わないのです・・同情するなら金をくれッ!!」


「姉さん・・」


本編で行方不明になっている灯先生と闇裏だ。

闇裏はともかく灯先生ここにいてええんだろうか?

と言うか願い事が本当に純粋じゃない。

大人げなさ100パーセントだよ夢が無さすぎる。


「今年中にクソメガネが爆死しますように・・っと」


「今年中にってなんでだよ・・」


「アハハ!言うまでもなく本編で中々僕が出れない八つ当たりさ!この白鶴より出る事が確定している土御門君などもはや知ったこっちゃ無し!生き地獄確定だよッ!」


「相変わらず心が荒んでいるな・・白鶴・・昔はもっとひどかったけど」


「ンだとこのヤ゛ロ゛ォッ!」


「やめろ白鶴ッ!見っともないッ!見ている私の身にもなれッ!」


「そうだ白鶴・・私も教師として子供の面倒を見ているんだ・・頼むから子供が怖がるマネはよせ」


「鏡子ちゃんにハク先生までクソメガネの肩を持つのかッ!おのれおのれおのれ・・」


「おに゛ぃぢゃんうるせぇッ!てめぇの死に場所はここだぁぁぁぁッ!!なのです」


「ヴォ゛ォ゛ォ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!!」


白鶴さんと土御門さん、それから白鶴さんの付き添いで来てた鏡子さん。

子供たちの保護をしながら土御門さんと来た白蓮先生・・いつもの面々と言うやつか。

そして白鶴さんに巨大な斧をぶちました緑髪の超絶可愛い顔したとんでもない声を持っている幼女は白鶴さんの弟、白鶴 ロゼッタちゃんだ。

いつもの様に漫才を繰り広げるあたり流石だと言いたい。


「今年はこれ以上キャラ崩壊しませんように・・」


「今年はこれ以上出番が減りませんように・・」


「今年は後一度だけでも門番として出番がありますように・・」


「みんなお願いごとが切実すぎないかしら?」


「そうでもしないと出れない連中が多すぎるのよね」


「・・まったくだ」


夜桜さん一行もここに来ていたのか、願い事はさておき意外だ。

てっきり桜の関連以外は全部行かないかとおもっていたがそうでもないのか・・。

夜桜さんはともかく柘榴さんと光太郎さんは切実すぎる願い事だな・・おい。

神霊となった霖雨さんと神様的立ち位置のロキさんやルシさんにはこういうのは無縁か・・。

願い事なんて自分から叶えそうだしな。


「銀様ともっとイチャイチャなラブラブ展開ができますように!」


「銀と幸せで激しい夜を楽しめますように~!」


「お兄ちゃんと結婚したい!」


「銀様が食べれます様に・・ウフフ」


「(背中から放たれるこの寒気は一体・・)」


銀兄さんが震える後ろに短冊に願いを書いているのは式神の美華と。

もう一人の式神心愛さん、そしてどっから来たか兄さんの妹的立ち位置のニアちゃん。

僕が月杯編で見つけた謎の少女メアちゃんだ。

それぞれの純粋な思いと、どこか欲まみれの願いが紛れた合法ロリ集団の願いにはそりゃあ寒気が走るだろうよ・・人の事言えたもんじゃないけど。


「(ジンお兄ちゃんともっと仲良くできます様に・・)」


「(もっとジン様のお役に立てますように・・)」


「(ジンはんがうちの事だけ見つめてくれはるように・・)」


「兄さん・・寒気が・・」


「まだ生きられる希望があるだけありがたいと思えよ・・」


「義理の妹同然の子と直属メイドとお姫様では大戦争不可避なんだが?」


「それもまた人生・・」


どういう人生だって言うんだよ・・

俺も俺で色んな人と関わって来たよな~・・メリルに鈴蘭に輝夜様。

メリルと鈴蘭は理解できるが輝夜様はいかんせん実感が湧かない。

何故そこまで俺に好く・・。

よくわからない事だらけの思い出を振り返りながらだが。

なんだかそれでも楽しい日々だった。

目を閉じれば色彩の様に数え切れないほどの色とりどりで虹の様な思い出達だ。

俺は今涼しい風に心地よい気分が体全体に染み渡る気分だ。


ザッザッ・・


と人が涼みながら思い出を振り返っている時にこちらに歩く音が聞こえる。

カランコロンと下駄の様な音も聞こえて来た。

ふと、その足音の方を見てみるとそこには黒いマントなびかせ白くも黒いわしゃわしゃと

なった髪の毛を風になびかせた魔王の姿と、緑色の巫女衣装を来た翡翠さんの姿が見えた。

なるほど、そういう事か。


「元気にやっているか吸血鬼の息子共よッ!」


「やっほーッ!本編外から失礼しちゃう翡翠でーす!」


「あ、緑の巫女だ・・」


「それに混沌の魔王様カオス・・まあ、ここが夏風の里だから当然っちゃ当然だよな」


「フハハッ!当然よッ!我は巫女と共にあり・・今のところは・・だがな」


「今は契約も交わして私の下にいますが・・いずれはいなくなる・・それまではこうやって今回の行事の手伝いをしてもらっています!」


「そういう事だ・・と言うわけで貴様らにも短冊・・いやもう書いた後か?それならば我が良いモノをくれてやろう・・」


「良いモノッ!?マジでもらえんですか!?」


「(兄さんの食いつきぷりから察するに・・たぶんくだらないモノだな)」


キラキラと少年の様に目を輝かせる21歳児。

そんな魔王がマントの中をごそごそと左でなにやら探る。

そんな魔王が自身満々にマントから取り出したのはなんと・・


「フハハッ!これぞ・・特製の【たこ焼き】と言うやつだッ!我が作ったお手製だぞッ!」


「やったーッ!たこ焼きいただきまーす・・アトゥィッ!!グァァァッ舌がッ!舌がぁぁッ!!」


なんだこの四コマ漫画の様に転々と進む兄さんの猫舌たこ焼き騒動は・・。

兄さんも自分が猫舌なの自覚あるんだから。

無理してそんないそいそと食べないでいいのに・・。


「あわわッ!銀さん大丈夫ですかッ!?水、水飲みますかッ!?」


「そうする・・クァァァァッ!!!この水・・キンキンに冷えてやがるよ~!!超頭に来る~!!」


「忙しい奴だな・・吸血鬼の息子よ」


「うぅ・・む」


流石にハイテンションになりすぎたのかフラフラと頭を押さえている。

顔が青ざめて少し気分悪そうだ。


「大丈夫?兄さん?」


「うーん・・川の向こうに石が・・」


「そこはおばあちゃんじゃないのかよッ!?」


「うーん・・このハゲェキッンキンに冷えてやがるよ・・」


「誰が伝わるんだよそのネタッ!!」


「フハハ・・相変わらず面白い奴め!」


「本当に笑顔の英雄ですね・・銀さんは!」


「うちの兄がすいません・・」


「何故謝るッ!?」


兄さんのてんやわんやとした破天荒すぎる行動は常に周りを笑顔にしてくれる。

そういえば常にそうだったな、意外すぎる発想でいつも周りを笑顔にしてきた。

そうやって兄さんは今まで人と人を結び、少しずつ人の幸せを叶えた。

もちろん叶わなかった願いだってあった。

今まで悔やんで叶えてやりたかった願いもいくつもあった。

けれども兄さんは今でもその願いも忘れてはいなかった。


何故かって?

それはこの短冊を見ればわかる事さ。


【みんなの願いを叶えてほしい】


「兄さんらしい・・願いだな」


「ん?何か言ったかジン?」


「いや、なんにも?」


適当な事言って実は隠れて違う事やるのも兄さんだ。

理由はカッコつけたいからとかそういう理由じゃない。

ただ純粋にみんなに気づかれず、みんなが幸せになってほしい。


兄さんは無欲の意味の大切を知っているからこそ。

この短冊をこんな見えにくい位置に飾ったんだろうな・・。


きっと見えてしまってはみんながそれで気が変わってしまうから。

本来の願いからズレてしまうから。

だからありのままの自分達の願いを叶えてほしい。

そういう意味も込められているんだろう。


兄さんはどんな人の姿でも心から受け止めたいから。

願いも自分の本当の願いを書いてほしいんだろう。


流石は兄さんだ。


「・・いつもズルいな・・うちの兄さんは・・」


「・・あっ!見てください!夜空綺麗ですよ!」


「なっ・・すさまじい【天を描く川】・・これが天野川と言うやつかッ!?」


「いや・・これは・・」

兄さんたちが後ろの方で騒がしくザワザワと何かを言い始める。

なにやら川がどうこう空がどうこう・・と。

僕はその言葉につられて思わず空を見た。


するとどうだろう。

真っ黒な夜空に光り輝く彗星でも通ったかのような青い青い綺麗な川。

星々が光って橋を描いて今織姫と彦星が会えるように作ったかのような天の川。


荒んだ心さえもゆがんだ心さえも輝けるこの星空で全てがはじけ飛びそうだ。

目に映る数え切れないほどの無限大の星は、今この場所を照らしていた。

俺の眼差しに綺麗に移り、俺の瞳を輝き照らした。


俺と銀兄さん、そして翡翠さんに魔王様は肩を並べて今この星々の輝きの天の川見た。

美しい川に見とれる四人、きっと後ろの人達もこの川に見惚れているのではないだろうか。

それぐらい、人の心を動かしてしまえそうなくらい綺麗だ。


「・・綺麗だね兄さん」


「ああ、とっても・・な」


「いつまでも・・こんな夜空を見て・・過ごしたいですね・・」


「過ごせるさ・・明日がある限り・・我らの未来は約束された・・お前らが今を歩く限り・・この夜空も・・星々も生き続ける」


「なんなら・・その為にもこれからも歩かないといけませんね・・今を」


「はは・・兄さんにとっちゃ余裕だろうね・・俺もだけどさ」


「わ、私だって!ガッツ君や桃子ちゃんにアレだけの勇気をもらったんです!今を歩く事はできますよ!」


「その意気だ・・巫女ォッ!」


『アッハハハッ!ハハハッ!』


天に輝く星々たちの光に僕達は夢中になり。

なんだかとっても元気がもらえた。

明日を生きる元気、それだけじゃない。

これからどんな苦難があってもいけると思える気持ち。

それが沢山・・山積みになるくいの元気をもらった。


だからもらった分だけ俺たちはまた歩く。

来年もこの光景を見るために、これからも自分たちの未来のために戦う。

兄さんも翡翠さんも魔王様も俺自身も。


場所は違うかもしれないけど、思いは一つ。

こうやってまた一つ人々の絆は結ばれていった。

たった少数の生命達だけかもしれないけれども。


少なくとも、ここにいた人達はきっとみんなの絆が結ばれていった事だろう。

それだけでも俺は幸せで・・とても嬉しい。


明るい未来が待っているのならそれでいいんだ。

だから、歩こう。


歩かせよう、今日も明日も今も・・その明るい未来に向かってまた・・歩こう。


そう覚悟を決めた瞬間が・・訪れたのだった。




                                  END


かなりおおざっぱになりましたが・・いかがだったでしょうか?

久々でかなり絶望的に文章力が落ちたかもしれませんね泣

これからはリアルもだいぶん慣れて来たのでまた執筆業に戻ります。


毎日更新が戻るかどうかは分かりませんが

よろしければ復活のユバールにどうかまたよろしくお願いします!


以上、今回はここまで

ありがとうございました。

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