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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
外伝その3
113/150

無限空想世界の幻想的な物語~外伝~ 魔章9 「巫女と開幕」

「相手の力量も見ずにいきなり侮辱することは無礼に等しい、そう何度も教えたはずだが?」


「分かっているウサ、けれどアタシのこの赤い赤い眼から見ても超がつくほど弱いウサね」


「・・間違ってはいない」


「おい、そりゃあどういう発言だこの野郎」


時は入場入り口付近での出来事。

突如現れた謎の兎耳の女の子と水色の髪の毛の男。

最初は兎の女の子が無礼な行動をしたにも関わらず。

次は男の方まで無礼な発言をする始末である。


「貴様・・我が魔王と知っての発言か?」


「ほお・・百年どこにいたかも分からなかった行方不明の魔王と来たか・・それは失礼した・・しかし今の俺からしてみてもどう考えても今の貴様は本来の実力の役3割・・俺でも貴様程度倒せてしまうな」


「な・・この我を3割ともうしたかッ?!」


「ああ、もうしたとも・・余裕すぎるな、この俺【神風寺(しんふうじ) 金鵄(きんし)】のこの肉眼を持ってして今、確認できた」


「金鵄ッ!?貴方あの金鵄なのッ!?」


「えっ?桃子さんご存じなんですか?」


馬鹿にしたように鼻で笑い、これでもかと言う笑みで余裕を見せる。

その時口にした金鵄と言う名前に何か覚えがあるように桃子さんが。

まるで不意打ちに合ったような驚愕のが見えている様だ。

そんなにすごい人なのだろうか?


「ご存じって・・貴方巫女なら知っときなさいよ!金鵄・・しかも【古代魔術拳 神風寺流の伝承者】・・そのお方よ!噂では戦った相手はみんな秒殺だったとか・・」


「そ、そんな優勝候補になりそうなお方がこんなところにッ!?」


なんという事だろう、びっくりして目を皿のようにして驚いてしまうそうだ。

そんなにもお強いお方ぽっい人がこの場所へ赴くとは。

これは私みたいなド新人が来て良かったのだろうか。


「優勝候補かどうかなんぞ俺に分からんが・・女、貴様が俺を知らなかった時点で貴様なんぞまるで話にならないな」


「なっ・・」


にしても先ほどから現実を突きつけてくる言葉の強さが半端なんかではない。

言葉の強さも優勝候補並に辛い一言だよ。


「ちょっと!それって凄いひどくないッ!?この子一様輝夜様にお呼ばれされているくらいなのよ!」


「それがどうした・・輝夜様のいつもの気まぐれ・・高々田舎でお母さんの手作り晩御飯を食べていられた、裕福な家庭の貴様程度には負けないと言っている」


「うっわ、そうやって自分がまるで厳しい環境で生きて来たみたいな発言やめてよね、こっちだって別に毎日楽しかったわけじゃないんだからね!そうよね?巫女ちゃん!」


「う、うん・・なんかもう・・つらい」


「ちょっと男子ィ!!巫女ちゃん心折れちゃったじゃない!」


「キャー!最低だわー!」


「ありえないわー(棒)」


「貴様ら・・試合が始まった覚えておけよ・・特にスライムの小僧と桃子ッ!」


別に心が折れた・・いや心は折れた、うん確かに敵うはずないんだけどこれはひどい。

別に甘やかされて育ったわけではない、それは自分がよく分かっているはずだ。

けれども、金鵄さんの方がもっと苦労しているのは分かっている。

名前や異名からそうとうの苦労と努力をしてきたのが伝わる。

なによりあの体の傷跡からも強者の風格がうかがえる。

先ほどからニヤニヤとガッツ君と桃子さんにニヤニヤと煽られているが・・。


「あと梓様はなぜそやつらの近くにおられるのです!」


「んー?少し輝夜に頼まれたし・・興味があって・・でしょうかね?」


「なんと・・梓様が興味を?それもこの者達にですか?」


「うっさー・・梓様もついに老いぼれの・・アダダダダッ!!イタイ!耳を引っ張てはいけない!」


「因幡ちゃん本当にお口が達者になりましたね~・・そのまま他界させてあげましょうか?」


「もう言いません!もう言いません!!もう言いませんから~!!だからゆるひて~!!」


「うーん・・まあ、今日はこのぐらいで勘弁してあげましょうか・・大会前ですし」


「ぐへぇ・・本当に勘弁してくあさい!!」


あの因幡ちゃんと言う少女と梓さんは何か深い関係でもあるのだろうか。

まるで昔からの知り合いみたいな関係に見えるが・・いやむしろそれ以外に無い?


「なにはともあれ・・俺からしてみれば何も得れる物はないと思います」


「そうでしょうか?私が思うに世界は無限の可能性を秘めています・・彼女もその一つ・・私はまだこの世界に残すべき記録が沢山あると思っていますから・・」


「・・つまり数多の年を生きて、那由多となった貴方ですらまだ知りえない知識が得られるかもしれないと?」


「ええ・・所詮は古来より生きた古株・・なんならたまには新世代に興味が湧いてもなんらおかしい事ではない・・それは金鵄様も一緒では?」


「・・さあな・・とっくに新世代には飽き飽きしている・・」


「ふふ・・相変わらずですね~・・」


「当然だ・・とにかく俺はこれで失礼する・・せいぜい怪我しないうちに棄権を考えておくんだな・・女」


「女じゃないです!翡翠です!」


飽きれて倒れこんでいた因幡ちゃんを連れて、スタスタと足を会場内へと足を赴かせる。

背中を見せてもやはり強者の風格、言いたい事は分かる。

だから、その語れる背中にせめてもと一言私は強く心からの叫びを放った。

それが届いたどうかは分からない、けれどももし届いていたら聞こえているはずだ。

そして、次会う時その名前で呼んでくれるはずだ。

彼が呼ぶかどうかなんてわからないが。


かくして波乱の出来事で思わずため息をついてしまう。

桃子ちゃんや魔王様は「気にす事ない、気合があればなんとかなる」と。

とても暖かで心優しい言葉をもらえた。

ガッツ君も「俺に戦いのコツを教えてくれたお前ならできるさ」と。

元気の出て来る一言ももらえた。

あの人が一人で強くなった様に、私はみんなに支えられた強くなれる。

私は一人で戦えないから、だからここにみんながいる。

その思いに答えなくてはならない、この応援を無駄にしてはならない。

そう心に強く、胸に思いを抱いてこんなと共に会場への一歩を踏み歩くのだった。


 ◆


私達は案内されるがままに中へ中へと進む。

しばらくすると選手の入場口と言うところまで案内される。

梓さん曰く「ここから先は選手のみやから、ここまで」としばしお別れの様だ。

ここまで送ってくれた事に感謝し、いざ私達は前に進む。

この月光の闘技場で必ず優勝してみせると一人一人試合会場へ進む。

私は後ろから3人が入ったの見て、その背中から着いて行くように。

私も一歩を踏みしめて行くのだった。


「あ、翡翠さん」


「えっ?なんですか梓さん?」


私が気合十分にその一歩を踏みしめようとした次の瞬間だった。

後ろから梓さんがなにやら声をかけて来た。

私は後ろを振り向くと、すこしにっこりと笑うさんが明るい静かな声で次の言葉を述べた。


「思いっきり・・力を尽くしてくださいね?」


「・・!はい!ありがとうございます!」


「うふふ・・それでは!健闘を祈ってます~!」


「はい・・行ってまいります!」


私はその言葉と同時に試合会場へと今度こそ一歩を踏み歩いて。

みんなの下へと急ぐ、その会場へと入るとそれはそはれ大きな歓声に包まれた。

数え切れないほどの観客席、多くの出場選手。

凄い・・これが月杯!

これが戦いのお祭りと言う事なのだろう。

この月光に照らされた里が、今夜盛大に盛り上がる。

月杯と言う名目で、この場の全ての人たちに大いなる熱き闘士を燃やしてるはずだ。

私は、必ずそれに答えて見せる。


『えー大変長らくお待たせしました!これより・・月杯大会の開会式を始めます!』


「おー!!待ってましたー!!」


「いよいよ・・始まるわね・・月杯大会・・ここまで来て帰るなんて言わせないわよ?」


「当然・・我は当初よりやる気十分だ」


「俺っちもだ・・熱く燃え滾るぜ!」


「ええ・・必ず・・勝ちましょう!」


開架式のアナウンスと共に4人の気合が一気に入る。

この繋がりにつながった思いならばどんな困難も乗り越えられる。

私はそう確信するほどの思いの強さだ!

この思いの強さが分かったところで私達はこの開会式をしっかりと聞くのだった。


『それではまず・・開会式の言葉・・代表者の輝夜さん・・お願いします!』


『はい・・ではまず皆さんこんばわ・・そして今夜はこの月光の秋の里にお集まりいただきありがとうございます・・私、月帝 輝夜はこの日この場にお集まりいただいた方々に感謝しております・・皆さん・・正々堂々とした・・この闘技場に無礼の無い戦いをお願いします』


パチパチパチパチッ!


輝夜さんの挨拶が終わり会場全体の拍手喝采。

にしてもすごい人だった、黒髪ロングストレートヘアーに美しい着物。

おとぎ話に出て来るお姫様・・いや実際にお姫様なのだろう。

声も耳に心地いほどの繊細な声、聴いてて誰もがうっとりしてしまうのではないだろうか。

これが月のお姫様と言われた人の・・魅力!

羨ましいことこの上ないです・・。


『さーて・・次は私実況寺と・・解説のスペシャルジャーナリスト義正さんによる注目チームの紹介です!これが俗にいうピックアップですよ~!』


『はは・・なんのことかはさておき・・解説の義正です・・おじちゃんの事は別に覚えなくていいからね?』


『はいはい!そんな事言わず解説しますよ?・・それでは最初のチームは・・じゃじゃん!【緑の巫女チーム】!今回初出場でしかもデータ無しのダークホース!果たしてどんな活躍をしてくれるのでしょうか?』


『注目すべき点は巫女、魔王、勇者、スライムと言った色物ぞろいの面々と言うところでしょう・・これは楽しみですね』


早速解説に色物と呼ばれている・・まあ仕方がないけど。

他にピックアップされる人はいるのかな?


『さてお次は雪狼姫チーム!あの四天王最強と言われた巴様率いる最強チームで一気に優勝を狙えるか!?』


『注目すべき点は四天王が一人と神一人・・そしてもう一人は明記されてはいませんがなにやら隠し玉が存在するらしいですね・・』


「(巴・・やっぱり参加したわね!)」


『お次はシンデレラチーム!令嬢にして裁定の者!彼女に裁けないクズはいない!』


『見どころある能力とその強い礼儀正しさが見どころらしいですね・・普段裁判長な彼女に今回は襲い掛かる者達に制裁を加えることは果たして可能なのか?そこが見どころですかね?』


『続いて不思議ちゃんたちチーム!小人さんや魔法使いさん達がおとぎの世界へご案内がテーマになっているもようです!』


『なにやら不思議な人達が多いらしいです、特に魔法使いはなにやら変わった魔法を使うらしいですね』


『そしてそして!今回遠いところからf初参戦!金鵄チーム!』


『いやー魔術拳は久々に見ますね~・・私も好きな戦いのスタイルなのでとても楽しみです、彼らの戦いに皆さんも注目してみてください!』


『さらに今回は特殊な枠を2つ・・チーム夜桜とチーム暁の狼!この2つのチームもなんと輝夜様からのお呼ばれなんです!』


『どちらもデータが存在しないまたしてもダークホース・・いや今回は楽しみでしかたがないですね~』


『以上が注目選手になります!それではみなさん・・最後に・・レッツ!ファイトー!』


『おおぉぉぉぉ!!』


実況と解説の熱いアナウンスによって幕は上がる。

ここから始まる波乱の予感、熱き決闘。

果たして優勝は誰の手に渡るのか・・運命の戦いが今、幕を下ろす!


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