1章 2 セアリーネ王女
遅れてしまいました、ごめんなさい。
今回は少し短めです。次回からやっと学園生活です(震え声)
「レイドさんはおいくつなんですか?」
「18ですよ、それからレイドでよろしいですよ」
「18!?私より4つ上なんですね…いえいえ、私が呼びたいので!」
レイド達はこんな他愛もない話をずっとしている。レイドは正直王女といったらずっと快適な暮らしをしてきた、生意気なやつだと思っていた。
けれど実際セアリーネ王女は笑顔を崩すことないし、可愛いし、相手への尊重を大切にしているし、可愛いし、感情表現もよくしてきていい子だし、可愛い。つまり可愛い。
レイドはそんなことを思いながら学校についてきいてみる。
「学校ですか?そうですね、楽しいところですよ」
セアリーネは穏やかに答える。
この子のことだ。さぞ人望も厚いのだろう。
「レイドさんは授業にも参加されるんですか?」
「いえ、俺は教室の隅にいますので」
「そうなんですか。私のクラスの先生、いい先生ですよ!レイドさんと気が合うと思います!怒ると鬼みたいなんですけどね…」
えへへ、とセアリーネがふんわり笑う。
「そうなのですか。セアリーネ王女様は鬼は嫌いですか?」
レイドは唐突にそんなことを聞く。
「へ?鬼…ですか?それは今言った表現的な鬼ですか?それとも七罪鬼のことです?」
七罪鬼とは名前の通り世界に7匹いる鬼の総称である。
「さぁ、どちらでも」
レイドはクスリ、と微笑む。
「そうですね…鬼ってあまり身近な存在ではないのでよく分かりませんがやはり怖い、とは思います。それを詳しく説明することはできませんが…」
「それが普通ですゆえ、気にしなくてもいいですよ」
「そう、ですか…でもなんでそんなことを?」
「なんとなく、です」
レイドはそう言って微笑む。
「そう、ですか…」
突然、メイドから声をかけられた。
ら「お嬢様、レイド様、夜ご飯の準備が整いました。今夜はなかなかに豪華ですよ!」
「そうですか、それは楽しみですね。セアリーネ様、行きましょう」
「はい!」
セアリーネは元気よく答えるであった。
えぇ…。
レイドは目の前の料理に困惑する。豪華とか、そんなレベルじゃない。本当に自分がこんなものを食べていいのか疑ってしまう程である。
部屋にはいい香りが充満していて、抑えようのない空腹感が襲ってくる。
「い、いただきます…」
適当に一番近くにあった料理を食べてみる。
「おふぇっ!?」
変な声が出てしまったが今はそんなことを言ってる場合じゃない。美味しすぎる。こんなものを食べたのは生まれて初めてだ。
「ど、どうされました…?」
セアリーネは心配そうに声をかけてくれる。
「い、いえ。料理があまりに美味しすぎたもので…」
セアリーネの顔がパッと明るくなる。
「よ、良かったです!わ、私が作ったわけじゃないですけど…。あとでメイドのイナにも言ってあげてください!」
イナとはさっき呼びに来てくれたメイドのことである。
「はい、もちろん」
レイドは穏やかに答える。
豪華で、和やかで、暖かい食事だった。こんなにも楽しい食事は久しぶりだ、とレイドは1人思った。
「明日は、いよいよ学校ですね。よろしくお願いします!」
セアリーネは楽しそうにそういった。
「はい、こちらこそ」
レイドはそっと微笑むのであった。
次から!やっと!学園生活ですよ!
頑張ります!宜しくお願いします。