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暗殺騎士の学園生活  作者: いづみ
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プロローグ2 新たな依頼

「はいよ、2人とも任務お疲れさん」


中年の男はそう言って紅茶を青年と少女の前に差し出す。香りからしてかなり上品なものだと分かる。


「「ありがとう」」


2人は紅茶を飲み出す。

騎士団夜影(よかげ)の本部の一部屋である。騎士団とは帝国に仕える者達の集まりである。騎士団にも神刃(かんば)夜影(よかげ)がある。神刃は王族の住む王宮の保護以外にも、行事を取り締まったりなど表に出る仕事を多々している。一方青年達の所属する騎士団夜影は暗殺を主な仕事としている。

しかし、夜影の存在は民衆はおろか神刃の騎士達にも知らされていない。王族と、その信頼たるものしか知らない存在。この国が抱えるドス黒い秘密の一つである。

しかし、秘密はどこかで漏洩するもので、夜影という騎士団が存在しているらしい、ということを知っているものも神刃にも数人いる。


「レイド、この記事面白いぞ」


中年の男はそう言い青年、レイドに新聞を渡す。


「シアド帝国の鬼が暴走って…大丈夫なのか?あそこの鬼は確か《怠惰》だったよな…」


この世界にはフェリス帝国以外に、フィア帝国、ニドラ帝国、ロズリ帝国、シアド帝国、セア帝国、デイル帝国の六つの国がある。

どの国も全て国を囲むようにして壁を張り巡らせている。

その理由とは、魔族だ。壁の外には魔族と呼ばれる化物たちが存在している。その魔族にも強さの段階があり最弱のゴブリン、その次に弱いオークなどがいる。ゴブリンなどは壁の周辺をうろついているため学校の演習で倒したりしている。

そして魔族の中で最強なのが、鬼だ。世界には鬼は丁度7体しかいない。そして国も7つ。そういうことかどうかは知らないが今現在は一つの国に1匹の鬼が捕えられている。

魔族で最強の鬼がどのようにして捕えられたのかは今でも分かっていない。一体誰が、どうやって。研究者たちは今もその謎を追究している。

そして鬼にはそれぞれ《暴食》、《強欲》、《色欲》、《嫉妬》、《怠惰》、《傲慢》、《憤怒》の呼ばれ方があり、それぞれその名にあった『異能』を持っている。


「面白いのはその下だよ」


中年の男はさも楽しそうにそういう。


「この事件には死神の眼(リーパーズアイ)が関与してる可能性が高いって…またあいつらか…」


死神の眼(リーパーズアイ)、誰が発端なのかはしらないがこの世界そのものに不満を抱いている最大犯罪組織である。そして、フェリス帝国の捕らえていた《暴食》の鬼を一時期奪っていた集団。しかしその後鬼の暴走によりその支部は壊滅。今は無事フェリス帝国の元にある。


「何をしようと思ったのかはしらないが、また失敗したようだな。そして、これのお陰でお前には依頼が一つきている!」


「死神の眼への潜入か?」


「いや、違う。王女様の護衛としてお前には王女様の通う学校、リーレス魔術学院に通ってもらう!」


「…いや、は?」


話が唐突すぎて状況を理解できない青年。


「今度《王の会》があるだろ?それで神刃の連中は忙しいんだ。そんな中死神の眼が不穏な動きを見せている。王女様には腕の立つ護衛が必要って訳だ」


《王の会》。それは七つの国の王がいずれかの国に集まり、会議をする年に1回の行事である。集まる国は毎年変わる。


「なるほどな。でもどうして俺が?」


「人員選びは俺の自由だったから、まぁなんとなくだ!」


「そんなことだろうと思ったよ」


「いや、それだけじゃない。お前はリーレス魔術学院の卒業生だからだ」


「いや、でも俺殆ど夜影の訓練で…分かった分かったもういい。その依頼、受けよう」


「本当か!?いいのか!?ありがとう!!」


「受けるっつってんだろ!中年のおっさんに抱いて泣きつかれるとか冷めたグラタン食べさせられるくらいに嫌だっての!」


「そ、そこまでか…そうか…」


「あ、なんか…すまん…冷めたロールキャベツに訂正する…」


「あ、ちょっと嬉しいかも。ほら、冷めたグラタンってイメージ的にちょっとネチャっとしてるじゃん?」


「分かる」


俺達が訳の分からない会話をしていると横から任務を共にした少女が言う。


「リドノ、その依頼ってあたしも付いていけるの?」


中年の男、リドノは答える。


「いや、お前にはほかの任務にあたってもらうぞ、リシア」


「そっか…じゃあレイドとはちょっとバイバイだね…」


少女、リシアは綺麗なピンク色の髪を揺らしながらそう呟く。


「そうだな…」


淡々と答えるレイド。しかし─────

(リシアァァァアアアァァア!!俺も!連れて行きたい!!あー、可愛い!!昔からちょこちょこ付いてくるの超可愛い!はー、まじ癒しですわ)

内心デレデレのレイド。

リシアは元々顔立ちが整っていて、いわゆる美人だ。レイドは超絶美少女だと思っている。そして、まだ体も小さくいわゆる"ロリータ"である。もうレイドはデレデレ。しかし、そんなことは決して外には見せないレイド。


「連れていけないのは、まぁ少し残念だが…リシアも任務頑張れよ」


「うんっ!がんばる!レイドも頑張って!」


(フオオオオオオオオウアアアアア!!)内心めっちゃデレるレイド。


「おう」


しかしいたって淡々と答える。


一息置いてしきり直すようにリドノが言う。



「実はお前さんの任務明日からなんだが、急ですまない。じゃ、行ってこい!レイド」


「おう!」



ここから、暗殺騎士の思いもよらない様々な学園生活が幕を開けるのであった。

ここからいよいよ暗殺騎士の学園生活が始まります!よろしくお願いします!

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