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織田信長という謎の職業が魔法剣士よりチートだったので、王国を作ることにしました  作者: 森田季節
伯爵会談

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15 大国との会談準備

日間2位、週間1位ありがとうございます!(朝10時50分現在) 今回から前回、砦で戦ったミネリアとの話になります。

 俺はそのあとも周辺の小領主を次々につぶしていった。

 もともと、どんぐりの背比べだった勢力のうち、一か所が急成長すると、一方的な戦いになる。

 これは数字で表現すると、わかりやすい。

 各領主の勢力が6から8までの三つの数字の間に収まっているとする。ただし、数字が大きいほうが常に勝つとは限らず、だいたい力は拮抗しているとする。

 そこで7の勢力が8の勢力を吸収して15になると、そこに単独で勝てる勢力は全くいなくなる。


 二か所目、三か所目の攻略は正直言って、マール子爵家を滅ぼす時より、はるかに楽だった。

 まず、調略でこちらの味方になる敵方の家臣を増やしておく。こちらの攻撃を恐れる家臣は割合、あっさりこれに乗る。そこを攻めると、裏切りが出て、簡単に敵は壊滅する。


 仮に事前に敵がそのことに気づいて、家臣を粛清したとしても、敵の力を殺ぐことができるから、こっちには有利に働く。


 結局、フォードネリア県の十二郡のうち、七郡をマール子爵家を倒してから半年で支配するようになった。

 もう、規模としては伯爵を名乗れなくもない立場なので、傾いている王家に伯爵号使用の許可を求めて、金を送った。

 こういう体面も重要だ。たとえば、伯爵からの服属命令なら立場的に従いやすくても、同格の子爵の命令ならプライドから首を縦に振れないという領主だっているだろう。


 地方領主というのはつまり、田舎貴族。田舎にいようと貴族は貴族だから、面子にはこだわりを見せる者が多い。だからこそ、実力だけでなく、形式面でも上にならないといけない。


 伯爵を名乗ってよいという王家からの許可はあっさりと出た。


 これで県の名称をとってフォードネリア伯爵と名乗れないこともないけど、県全域を支配しているわけじゃないから、ネイヴル伯爵のほうが据わりはいいだろう。県の名前をつけると、残ってる勢力を刺激することにもなる。


 伯爵になって、しばらくのうちは新たに入った領地の整備に時間をかけることにした。


 まず、ネイヴルを中心に商業を発展させたい何箇所かで出店税が無料の場所を作った。地元の市でやった時と同じシステムを各地に増やしたのだ。

 さらに商業組合に加入しなくても出店できるようにシステムも変えた。


 オダノブナガいわく、これは「ラクイチラクザ」というらしい。邪教の呪文みたいな発音の言葉だが、この場合の「ザ」というのは商業組合のことだという。

 商業組合からは当然のごとく反発を受けたが、領主の命令であるということで強引に押し通した。


 商業組合も大昔に成立した時は、商人を保護するためのものとしての価値もあったが、だんだんと既得権益を守るための団体になってしまった。結果として、新たな商人の参入が難しい商売が増えてきたのだ。

 それに、組合があるせいで、物の値段も高めに設定されてしまうということにもつながる。


 こういったテコ入れで、まず都市が発展した。郡都ネイヴルの人口が増えてきているのを明らかに実感するし、税収も確実に増えてきている。都市が発展することは、俺の国(領内には、ネイヴル家が定めた法が通用するのだから、もう国と言っていいだろう)にもプラスになる。


 遠方の商人も俺のところにやってくるようになった。金になると目をつけたのだろう。こっちとしても、もっと金を落としてくれるならありがたい。


 都市が豊かになっていく中で財務官僚も雇うことにした。


「伯爵様、ごきげんうるわしゅうございます」

 俺の前で、犬耳のワーウルフの男が頭を下げていた。

 ファンネリアという大商人だ。もともと油を中心に商っていて、そこから富を増やして様々な品目を扱うようになっていったらしい。


「うむ、領地も広くなって、俺だけだと管理ができないからな。よろしく頼むぞ」

「はい。わたくしとしても、商業組合を廃止していただけたおかげで、商売がしやすくなります。これからは組合に属するような小規模な商人が何かをやる時代ではなくなっていくはずです」


「同意見だ。だから、お前を雇った。頼むぞ」

「はい、おそらくですが、川に面した港町の中で、もっと発展させられる場所があるように思います。少し調査をさせてくださいませ。大きな船で交易をする時代がいずれやってくるかと考えています」

「わかった。場合によっては、港の改修にも金を出す」


 しばらくはファンネリアに商業の管理をさせておく必要があった。

 というのも、西側の大国との関係を考えないといけない状況になっていたからだ。


 俺が砦を死守した時に戦った、ミネリア領だ。

 カルティス伯爵家が代々、ブランタール県を支配している。その中でも最大の都市がミネリアなので、ミネリア領と呼ばれている。


 現在、ミネリアとの戦争状態は一時休戦となってはいる。だからこそ、こちらもその隙に勢力を広げたのだが、いいかげん向こうも気になってきただろう。


 そしたら、向こうからちょうど使者がやってきたのだ。純粋な家臣というわけではなく、神官だった。使者として神官を利用するということは、どこの国でもよくやる。


 使者が来るなんてことは長らくなかったから、城内はピリピリしていた。


 とくにラヴィアラが「お前は何をしにきたんだ」とでも言い出しそうな顔で、使者をにらんでいる。ただし、使者である神官のほうはそういうのに慣れているのか、割合と堂々としていたが。


「このたびは、子爵が伯爵位を取得したことのお祝いに参りました」

「そうか、それはうれしい。伯爵の先輩にそう言ってもらえるとはな」

 いきなり喧嘩腰になったら、田舎者丸出しだ。鷹揚に応じる。


「現在、ミネリアは北側に兵を進める準備をしております。そこで休戦と言わず、もっと強い同盟関係をネイヴルと結びたいと考えていまして。一度、伯爵同士で会談することはできないでしょうか? 場所は両国の国境近くの神殿で行うというのはいかがでしょう」


 なるほどな。提案する内容を聞くだけならまともなものだが。

「アルスロッド様、騙し討ちの計略かもしれません。ご注意ください」

 ラヴィアラがすぐに注意を促した。それぐらいの懸念は俺もある。


 一方で、相手の使者は表情に笑みを張り付かせている。なかなか慣れた奴だ。

「疑いになられるのも無理はないかもしれませんね。ご判断はお任せいたします。ただ――」

「こちらも同盟を結んだほうが西側に意識を払わずに済むからありがたいかもしれないな。ミネリアに今、攻められると、東のほかの領主を倒す兵力を割けなくなる」

 俺は相手の話をさえぎって言った。

「お話が早くて、助かります」


 場合によっては、こっちを攻めてもいいのだぞという脅しだ。

 まだ国力ではミネリアのほうが明らかに大きい。面積でも相手が倍ほど大きくて、人口や兵力もあっちが上だ。長らく、一県を支配していたから、俺の領地より求心力もあるだろう。


 つまるところ、敵(少なくともこの使者)はまだ俺を舐めているわけだ。

 どうにか伯爵位を得ただけの成り上がり者程度にしか見ていないだろう。


 そのことはラヴィアラもすぐにわかったらしく、険しい顔をしていた。

「ネイヴルとアルスロッド様を侮辱しに来たんですか? こっちから攻めこんでもいいんですよ?」

「もしも、戦争となったら、ネイヴルの近隣の領主と同盟をして戦争せざるをえませんな。おそらく、全方位からの攻撃に耐えうるほどの兵力はとれないでしょうから」

 ぐぬぬ、という顔にラヴィアラはなる。


 けど、実はそのラヴィアラの態度がありがたくもあった。それと、使者の態度も。


「わかった。ミネリアの伯爵と会談をさせていただこう」

 俺は会談の日程を決めて、使者を帰した。


 そのあと、ラヴィアラと二人きりになった時にいろいろと言われた。

「アルスロッド様、どうしてあのような話をお受けになったんですか? 表面上は丁寧でも相手は尊大でしたよ」


「だから、いいんだ。これで会談で逆の印象を与えることができれば、相手はこちらを侮っていたことを恥じる。ミネリアを引き込むこと自体の価値はあるからな。まだミネリアと争う時期じゃない」

「ですが、アルスロッド様を侮っている者の印象をどうやって変えるんですか?」

「いくつか手はある」


 俺はにやりと笑った。


「まずは連れていく軍隊を徹底的に鍛える。肉体的ではなく、統率的な面でな」


 これまでの軍隊は大半がぞろぞろと雑兵の集まりみたいに歩いていた。あれでは寄せ集めのようにしか見えない。

 だが、もし、それが足並みを完全に揃えてやってきたら、雰囲気はまったく異なる。


「そんなこと、短期間でできるんですか?」

「できる自信はある。俺は負け惜しみを言う人間じゃないからな」


 実は新しい特殊能力を獲得したのだ。


 ――伯爵ランクの領主になったため、特殊能力【覇王の道標】獲得。指揮を受けている兵士の信頼度と集中力が50パーセント上昇。

本日も2回更新目指します! 夜に更新予定です!

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[一言] ラヴィアラうるさい
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