表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/33

俺、ほふく前進成功する。

 階段をゆっくりと一段一段降りていく。

 そんなに古い家ではないのだけれど、階段はギシギシと音を立てる。

「くそっ!」

 俺は小さな声で吐き捨ているように呟く。

 こんな小さな音でも、今の俺にとって大音量だ。

 ようやく、階段を降り切ることが出来た。後は廊下を突っ切って、電話が置いてあるリビングに行くだけだ。

 だが、その前に一つ難関があった。

 そのリビングに行くには玄関の前を通らなくてはならないのだ。

 玄関はすりガラス状になっており、昼間なら玄関前に人がいた場合は、その人の影が微かに映る。

 だが、今は夜だ。流石に影などは映らないだろう。

 そして、もちろん俺の家の中での動きも外にいる相手にとっては分かるはずがないだろう。

 だけど、用心に用心は越したことはない。

 俺は自衛隊などがやる、ほふく前進で玄関前を通り抜けることにした。

 ゆっくりと、しかし確実に俺はリビングを目指して進んで行く。

 ああ、こええ。

 何で深夜にこんなことをして家の中を進まなければならないんだろう。母親と父親が帰ってきたら、携帯買って、って言おう。いや懇願しよう。ダメって言われても、買ってくれるまで、泣いてでも懇願しよう。もうこんな怖い思いはしたくない。これから先の人生、まだまだ俺の人生あると思うけれど、だけど、こんな怖い思いは二度とごめんだ。だって本当に怖いんだよ!

 ようやく俺は、玄関前の空間を無事移動することが出来た。俺が二階から降りて、ここまでほふく前進で来るまで、チャイムがならされることはなかった。

 もしかして……もう帰ったのか?

 俺はそう思って安堵しかけたが、でもホラーとかでは、安心しかけた時に後ろを振り向くと……ギャー! って展開がよくあるので、俺はそこで安心しないで確実に、警察に電話をしようと思った。思いました。なぜ敬語なんだろう? それはたぶん恐怖心があるので敬語することで、自分の心の中を落ち着かせようという自己防衛の一種なのかな? と考えたりしてみた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ