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俺、異空間狭間マラソンの会場に到着する。

「じゃあ、これから入るからな。もうここのドアを通り抜けたらお前はもう戻ることは出来ない」

「ああ、分かっているって」

「じゃあ、潜るぞ」

「おう、いつでも来いや」

 ヨークは扉に手をかけた。すると扉自体が発光したかのように眩い光を放った。

「すでに異空間マラソンコースへの扉は開かれている」

「本当か?」

 俺は扉の先の景色を目を凝らして見ようとするが、逆光の為なのか、それとも他に靄のような仕掛けで先が見えないようになっているのかは分からないが、扉の先の景色は一寸先は闇状態だった。

 顔をドアに近づけて覗いていると、ドン! と背中を強く押された。

 おい、まだ押すなよ押すなよって言っていないのに、そんなのルール違反だろう。俺はドアの向こうの空間に、倒れこみながら、ヨークの方を振り返り、ヨークを睨みつけた。

 しかしヨークは何のこっちゃというような感じで小首をかしげている。

 ドアの向こうの空間は地面がなかった。俺は押されたと同時にドアの向こうの空間に落ちて行った。

 ドン! と強烈な音がして、俺は地面に激突した。

 落ちてきたドアがあったと思しき場所を見上げる。

 すると、俺が落ちてきた開かれたドアが見えた。

 高さ約20メートルぐらいだろうか。俺はそこから落とされたのだ。だけど、それだけの高さから落とされたのに不思議と体は痛くなかった。

 その理由はすぐに分かった。

 俺が今座り込んでいる地面が、まるで全ての衝撃を吸収するかのような何とも言えない感触なのだ。

 触ると固いが、少し勢いを強めて殴ったりすると、その地面は柔らかくなった。どうやら落ちてきた威力によって、固さが自動的に変化し、衝撃を上手く吸収して、その落ちてきた物を守るように出来ている地面らしい。なるほどな。すげえ素材が世界には、宇宙には、狭間にはあるもんだぜ。

 俺は感心した。

 上をまた見上げると、俺の落ちてきたドアの輪郭が、うっすらと透明になり今にも消えようとしていた。

「これで、今度こそ、俺は一人だな」

 呟いた後、立ち上がると、俺はスタート地点を探るべく、ゆっくりと歩きだした。

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