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俺、全ての説明を聞き終える。

「どうっ? これで一通り、マラソン大会の説明はしたけれども」

「どうって、でももし今キャンセルしようと思っても出来ないんですよね」

「そうだね。君の世界で言う、クーリングオフの期間が過ぎているからね」

「えっ? クーリングオフの期間があったのですか?」

「うん。契約してから10分以内だけだけどね」

「短っ、クーリングオフ期間、短っ!」

 俺は全身全力で悪あがきの意味も込めて、マイちゃんに抗議した。

 でももう、無理なんだろうなあ。ここまで来た以上は。

 俺の心にもう引き返せない引き返すことが出来ないという不安な気持ちが芽生えたが、それと同時に心のどこかで、やってやるぜ、生きてマラソン大会から脱出してやるぜという気持ちが混在し、俺の心にマーブルー色の感情を作った。

「分かりました。やります。もう弱音は吐きません。そして、必ず生きてマラソン大会を終えて、無事マラソン会場から抜け出したいと思います」

 俺は自分自身に語りかけるかのようにそう言った。

「分かってくれたようだね。ありがとう。そうか。うんうん」

 マイちゃんは何か納得したようにうんうんと言う声を発した。

「じゃあ、いつまでもここにいてもしょうがないから、そろそろ行くか?」

 しばらく口を閉ざして、俺とマイちゃんの会話を聞いていたヨークが言った。

「そうですね。もう決意しました。このマラソン大会に全力を尽くすと、そして必ず生き残ると」

「そうか」

 ヨークは俺の目をじっと見つめてそう頷いた。そして「付いてこい」と俺を誘導して歩き出した。

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