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15/33

俺、起きた。

 目が覚めた。時計を確認する。

 時刻は午後9時を回っていた。

「って、ええ!!?? 嘘だろ。だって寝たの深夜三時ぐらいじゃなかった?」

 つまり18時間ぐらい寝た計算だ。

 嘘だろう。朝飯も食わないで。昼飯も食わないで。そして夜飯も食わなかったのかよ。

 唖然とする。

 だけどまあ。

「そりゃあ、疲れるよなあ。あれだけのことがいっぺんにあったんだから」

 俺は未だどこか信じられないあの今日の朝型、いや深夜の出来事を思い返して呟いた。

 どこからかやってきた。謎の男。

 ガラスを破壊し家に入る。そして、そのガラスを直したかと思いきや今度はマラソンの招待状を俺に渡し去っていく。

 あまりにも現実離れしすぎていて未だに実感が湧かない。

「でもまあ、事実なんだよなぁ」

 俺は自身の枕元に置いた、金色に光り輝く招待状カードを見つめながら言った。

 でも、あと二時間ちょっとしたらまたあの男がやってくる。今度はマラソンのエントリー受付をする為だ。だから、それまでに準備を色々としないと。

 もう決意は固まっていた。俺はマラソン大会に出場することにした。

 考えれば考えるほど、今の自分の生活を見つめ直すいい機会だと思ったからだ。いや見つめなおすというよりは今の自分の生活を再確認すると言った方が適切かもしれない。今の自分の生活が果たしてこのままでいいのか、それをマラソンをすることによって測ろうというのが正しいかもしれない。

 だからそれを測る為に、俺はマラソン大会に出場する。

 それにあたって準備するまず、最初は……腹ごしらえだ。だって俺、今日朝昼夜何にも食べていないんだもん。

 俺は、台所へと行くと、冷蔵庫を開け、何か食べれそうなものを漁った。

 ふむふむ、まずは、牛乳。そして、チーズ。ヨーグルト、昨日の残り物。お惣菜……。

 それらをテーブルの上に並べると、保存用の為に買い置きしていたパックのご飯を取り出し、それをレンジにかける。

 そして今日最初で最後のご飯を胃の中に流し込んだ。

 ものの十分でご飯とおかずを全て平らげた。

 あとは、マラソン大会に持っていくものは……と。

 数日はかかるマラソン大会。つまり、宿泊学習や修学旅行、お泊り会などと同じと考えるべきだ。つまり色々の物が必要になる。

 俺は中学の時に使っていた、スポーツバッグに数日分の服装や、下着、歯ブラシ、ドライヤー、タオル、そして財布や、鏡などを無造作に放り込んだ。

「あ、そうだそうだ。あれがないとな……」

 俺は棚の一角にしまってあるお菓子コーナーの扉を開けた。

「お菓子はいくらまでいいんだろうな。まあでも何も言われていないからいっか」

 俺は棚に収まっていた全てのお菓子を両腕で抱え込むようにして、スポーツバッグの上に持っていき、ドサドサドサと上から落とした。

「へへへ。なんかすげえ楽しいな」

 持ってきた全てのお菓子をバッグに詰め込むと俺は口の端を上げ、にやりと笑った。

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