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俺、一人考える。

 俺は考えた。マラソンに参加するのかしないのか。

 あの男は言った。

 ゴールすれば何日経っていても、元の時間に戻って来られると。それはつまり何日も何十日もゴールするのにかかる可能性があるっていうことだ。

 だが、優勝すればあの男は何でも手に入ると言った

「何でも……か」

 俺は色々と思いをはせた。

 今までの自分の人生のことも振り返りながら。中学まで夢中でやっていたサッカー。そして高校に入ってのこの日常。どっちがいいというわけではない。実際中学の部活は地獄だった。だが、その地獄と引き換えに手に入れることが出来た充実感もあった。だが、またサッカーをやるかと言ったらそれは考えざるを得ない。充実感と地獄、そして今の生活。今の生活は地獄がない代わりに充実感もあまりない。でも、疲れは中学時代と比べて歴然の差がある。激しい運動をしない分。疲労感があまりないのだ。もちろん適度な運動は行っている。まあ、主に筋トレだが。充実感が少ない代わりに疲れが少ない。どっちを取るかと言われたら、それは悩まざるを得ない。これからまた大学に行くための勉強をしなくてはならないし、そういう意味では中学みたいな地獄の練習は俺にはもう出来ないし、熱心に打ち込めないという気がする。

 でも、もし、本当にカードに書かれているマラソン大会が実際にあるというならば、あの男が言っていたのが本当ならば、いくら疲れても、また元の生活に何の影響もない状態で戻ることが出来る。しかも記憶はちゃんと持ったまま元の生活に戻ることが出来るらしい。さらに景品もあるときている。つまりそれは他の人より、長く生きたことと同じではないだろうか。

 他の人が経験出来ない出来事を僅かな時間でたくさん経験することが出来るかもしれない。そしてそれは今後の人生においても後を引くことがない。むしろ、プラスの経験にしかならないはずだ。そして、サッカー引退後、燻っていた気持ちがもしかしたらマラソンに参加することで解放されるかもしれない。

 だんだんと、気持ちが高まっていくのを俺は感じた。

 だが、まだ、夜の11時半まではほぼ丸一日時間がある。

 俺は結論を急ぎすぎる必要なないな、と思いひと眠りすることにした。

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