男と手紙についてやりとりをする。
男が手紙を取り出したと同時に俺の金縛りが解けた。
俺は、急に解けた金縛りにがくっと力が抜けて、倒れこみ、床に片手をつけた。
再び、立ち上がると、目の前の男がにこりと笑って俺にその取り出した手紙を差し出した。
「何だ? その手紙は?」
「読んでみて?」
「嫌だね。開けたと同時に、爆発したりする手紙なんだろう?」
「ふーっ、君はどうにも用心深いね」
「当たり前だろう? お前さっきまで一体何をしていたと思っているんだよ。さんざん人に嫌がらせをし続けやがって。それなのに、急にお前のことを信じられるわけがないだろう?」
「あー確かに。言われてみれば。反省はしている。でも後悔はしていない」
「後悔しろよ!」
「分かった。分かった。もう絶対に、そんなこと君にはやんないから」
「本当だな?」
「うん。本当本当」
「俺にはやらないっていう言葉が気にかかるけどな。俺にはやらないってことは他の人にはやる可能性があるってことだろう?」
「ははは」
「笑ってごまかすな」
「うーん。どうでしょう? なんちゃって。でも、別にいいじゃん。君にはもうそういういたずらをしないってことだから」
「そりゃあ、そうだけどよ」
でも、これで、いいのか? 自分のことだけを考えて人のことは考えなくて。でも、まあ、まずは自分のこと第一だからな。それがあって、人にも優しく出来るはずだしな。うんうん。
俺は自分で自分を納得した。無理やり納得させた。
「じゃあ、この手紙自分が開けるね」
男は言うと、手紙の端を指でなぞった。
するとなぞった指に合わせて手紙に線が付き、その線が光を放った。
そして、その線の場所が綺麗にレーザーで切り取られたみたいに開いた。
手紙の上部が綺麗に切り取られると同時に、手紙の中から、光が溢れ出した。それは本当に溢れ出したとしか形容できないような光景だった。
「う、うわぁああ!?」
突如として現れた光に、目がくらみ俺は目をつぶり、顔を横に向け、右手の甲で目の辺りを即座に隠した。
光が収まったと思い、薄目を開けると、手紙の光は思った通り消えていた。
「はい~~!」
男はどうでしょう、とでも言わんばかりのどや顔で両手を広げて言った。その光景はどこぞやの伊東さんを思い起させた。




