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僕は姉の代理で勇者――異世界は半ばゲームと化して――  作者: 黒頭白尾@書籍化作業中
第一章 異世界への旅立ち チュートリアル編
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プロローグ

 目が覚めると、そこは見知らぬ場所だった。


「……え?」


 布団で寝ていたはずなのに目が覚めたら全く知らない天井が見える。いや正確には見えているのは天井じゃなくて空なのだけど。


「ようこそ、結城木葉(ゆうきこのは)

「うわ!?」


 わけもわからないまま、とりあえず起き上がったところで急に背後から声を掛けられる。ビックリしながら振り向くとそこには見知らぬ男が立っていた。


 黒いスーツを着ている紳士と言うべきか、すらっとした長身で男から見てもカッコいいと言える容姿だ。寝起きの頭を働かせてみるがやっぱり知り合いではないはずだ。こんなイケメンと知り合ったら忘れる訳が無い。


「どちら様ですか?」

「私は君にとっては異世界の神。訳あって君に頼みたいことがあるんだ」

「はあ……」


 この人、電波系とかいう人だろうか。それとも中二病?


 何にしてもまともじゃなさそうだ。まあ、まともじゃない人物は身内に一人いるので対処は心得ているが、積極的に関わりになりたいわけではない。可能な限り早めに退散するとしよう。


「申し訳ないですけどお断りします。ですから帰っていいですか?」

「随分と落ち着いてるね。いきなりこんな場所で目覚めたら普通はもっと混乱するものなのに」


 もちろん混乱はしてないものの動揺はしている。でも僕はそれがあまり表に出にくいらしく端から見ると冷静に見えるのだとか。そんな事全然ないのに。今だって焦りまくりである。


 まあ、姉のおかげで普通の人よりは色々な事を経験していることも否定できないのだけれど。


「そんなことないですよ、滅茶苦茶動揺してますし。まあ、それはそれとして、そもそもここどこですか?」

「ここは世界と世界の狭間だよ」


 何故だか呆れられた後にそう投げやりに言われた。会って早々失礼な人だ。


「という設定?」

「ではないよ。君にとっては残念なことかもしれないがこれはまぎれもない現実さ」


 そうやって、うまく僕の言葉に繋げるように男は言ってきた。


 そして、


「単刀直入に言おう。君にはお姉さんの代わりに異世界で勇者になってもらいたい」

「お断りします」


 再度、即答で頼みとやらを拒絶したのだった。

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