動画シリーズpart1
恐怖心に打ち勝てば
それは好奇心に変わる
東田浩二(MK2[メチャクチャ無茶クチャ]代表兼パフォーマー)
皆さんはご存知だろうか。今、ある無料動画サイトで驚異的な再生回数を誇るMK2という存在を。
MK2とは、メチャクチャ無茶クチャという意味で、その名の通り動画では、ありとあらゆる無茶を披露している。そのMK2の代表作というか、一躍有名にしたのが「スリでウンを掴ませろ」である。
この「スリでウンを掴ませろ」というのは、あるスリが多発している海外の土地(場所は伏せさて頂きます)で、カバンの中にウ○コを入れ、スリされるか、そして、スリされたら一体スリした人、集団はどういう行動に出るのか、という動画である。この動画は3日間に渡って撮影されており、まず一日目はある人通りの多いところで観光客を装い、カバン(ウ○コ入り)を置き、2人組の男が記念撮影をしている光景を離れた場所から撮っているものなのだが、結構離れた場所からその様子は撮られており、人通りも多いため、2人組の男達を見失ってしまう瞬間が多々ある。すると、3分ほどして観光客を装い記念撮影をしていた2人が戻って来た。すると、1人が、こう言うのである。
「カバンを盗まれた。」
なんと、わずか3分足らずの間にカバンは盗まれてしまったのだ。
「次のアクションを待つためしばらくここで待機する。」
なんと、彼らMK2はスリした人、もしくは集団が中身を確認して、中身がウ○コと知った時に自分達に仕返しに来るか待つという訳である。
しかし、
➖3時間後➖
というテロップの後に、
➖何も起こらず➖
とテロップが出る。
私は初めて見たとき当然のように思った。何故なら、 スリした人、もしくは集団のプライドがあるし、そもそも中身はウ○コだったにしろカバンを盗むという犯罪を起こしているのだから。ただ、本当に仕返しに来たら彼らはどうしたのだろうか…
もちろん、この動画には続きがある。2日目、彼らの失敗の理由は私のものとは違った。
「スリ、もしくはスリ集団は盗んだカバンにしか目が行かず、誰がカバンの持ち主かなんて考えもせずに、盗んだのであろう。だから、中身を確認して、報復しようにも、文句を言いに来ようとも、誰が持ち主か特定出来なかったのであろう。」
なるほど。なのか、どうかはさて置き、確かに理に適っている。
「そこで、我々はこのような格好で作戦を決行する。」
と言って、顔だけしか映されていなかった映像が引きの画になり、体全体が映し出された。そこには、昨日の服装とは全く違う、とても派手な出で立ち(どれほど派手かは映像でご覧下さい。)の2人が立っているではないですか。更に…
「カバンも、こちらを使用する。」
と言って、映し出されたカバンも、これまた派手(どれほど派手かは映像でご覧下さい。)ではありませんか。確かに、この格好で、このカバンを盗んだなら、いくら何でも覚えているだろう。そして、1日目と全く同じ場所で全く同じように観光客を装い2人組の男が記念撮影をている映像が始まった。
すると、5分後、服装が派手である以外は全く同じように2人組はカメラに近づき、こう言った。
「カバンを盗まれた。」
そして、
「次のアクションを待つためしばらくここで待機する。」
私は、ドキドキした。確かに、あの格好の2人組からカバンを盗んだというのは、スリ、スリ集団は嫌でも頭にインプットされたであろう。もし、中身を確認して、カバンの中にウ○コが入っていたら、スリした人、もしくはスリ集団は一体どんな行動に出るのか。しかし、このあと出されたテロップもまた一日目と同じものだった。
➖3時間後➖
➖何も起こらず➖
やはり、いくら盗んだカバンの持ち主がわかっても、カバンを盗むという犯罪行為を犯している訳だし、スリした人、もしくはスリ集団のプライドに賭けて何も出来ないのであろう。
もちろん、まだこの動画には、続きがある。そして、彼らはまた今回の失敗を反省し、次の作戦に出る。
「我々は元々間違っていたようだ。スリとは盗んだ瞬間にミッションは達成されている。中身が何であれ盗まれた時点でスリした人、もしくはスリ集団の勝ちで、我々の負けであった。つまり、現行犯で、その場で掴ませて捕まえなくてはならなかった。なので、今回はこのカバンにして、その瞬間を捉えたいと思う。」
そう言って、彼が取り出したのはウエストポーチである。確かに、ウエストポーチなら手を入れ盗もうとした瞬間に何らかのアクションが起きるはずだ。その柔らかい物体を手にしたとき何が起こるのか。そして、3日目を迎えるのである。
3日目も、1日目と2日目と同様の場所からのアングルで撮影されており、違うのはいつもカバンを置きながら記念撮影をしていたのがウエストポーチに変わっていることである。相変わらず人通りは多く、彼らの姿は度々人混みで見失ってしまう。そして、数分が過ぎたあとに前に付けていたウエストポーチを後ろに回し、2人組の男は記念撮影を始めた。それから、1分20秒が経ったとき、ちょうど人混みで彼らの姿が見えなくなった瞬間である。
「アウチッ!」
その声が聞こえた瞬間に、遠巻きから撮影したカメラが彼らの方に向かって行く…
続きはWEBで。
この動画は、今や全世界で約500万回以上再生されており、他の作品もかなりの回数が再生されている。テレビでも、この動画は流されてMK2は有名になった。
そして、MK2の代表兼パフォーマーである東田はあるテレビ番組にゲスト出演したときに、この名言を言った。更に、東田はこのように述べている。
「ジェットコースターが1番わかりやすい例ですかね。怖いと思う人もいれば、好きな人もいる。怖いという感情を乗り越えればジェットコースターに乗り込めるということです。ハハハ。あとは、 お化け屋敷なんかもそうですけど…両方とも例えが遊園地ですけど、そういう事だと思うんです。遊園地には、恐怖心を好奇心に変えるものが多くあるんですよ。だから、楽しいし面白いんです。」
確かに言われれば、その通りである。私は、
遊園地がとても苦手である。それは、全てのアトラクションが怖いからである。ジェットコースターはもちろん、観覧車やコーヒーカップも苦手である。私も恐怖心を乗り越えれば…
東田は続けて、このように言っている。
「最近の若者が何に興味を持ち、将来何になりたいか、というものが薄れているのはテレビが一つの原因だと思うのです。規制が厳しく昔のような無茶な事が出来なくなって安全安心が第一でやりたいようにやれない。そういった生ぬるい映像しか見れなくなって最近の人は好奇心を抱く機会がすくなくなっているのです。好奇心を持つ感覚すらなら低下していると思うんです。だから、僕らが無茶をして、見ている人がハラハラドキドキしてくれれば、脳に刺激を与えれば色んな事に好奇心を抱く人が増えると思うんです。」
少し話が飛躍している気がするが、確かに彼らの映像を見たら、いかに自分の人生がつまらないのかと、無意識の内に感じているのかもしれない。
何故なら、私はこのMK2の映像を見た後に浮気をした。つまり、彼らのせいである。
妻よ、愛している。