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第九波、朝の砲弾の匂いは格別だぜぇ!




 イケメンに負けるかよおおおおおおおおおお!

 ダッシュダッシュダッシュゥ!


 周囲を木々に囲まれた小屋の外には舗装もされていない一本道。そして一直線に伸びるその先に見えるのは小川と……はは、その白い服は視認性が抜群だ!


 レェヴェチ発見! いざ、突き進まん馬乗られん!


「おーい! レェヴェチ!」

「ミヤタタツオでありますか」

「今すぐ俺に馬乗りになれ!」


 レェヴェチの足元へダイブ! すぐさま馬乗られ体勢に移行!


「え?」

「いいから早く馬乗りになれよ!」


 何を戸惑っている!? イケメンが来る前に早くしろ! 


「ミヤタタツオ。あなたは何を言ってるのでありマスか?」


 レェヴェチの冷めるような目に晒され俺は正気を取り戻した。


「あ、いや、その。今言った事は忘れてくれ」


 やべええええええええええええええええ俺変態認定されちゃうううううううううううう!


「馬乗りにされるのがお望みなのでありマスか?」

「ああ、それは言葉の綾って奴さ。忘れてくれ。頼む」


 俺が立ち上がろうと体を裏返し右手を地面に付けると、レェヴェチは右腕を蹴って来た。

 おかげで俺はまた頭を地面にぶつけた。今度は鼻がいてえ。鼻血出てないよな?


「何するんだよ!」

「あれ、馬乗りにされたんじゃなかったのでありマスか?」


 ちょっとこいつ笑ってるんすけど。


「ふざけんな。いいからどけよ」

「それが人にものを頼む態度でありマスか? ほら、お願いしますと言うのでありマス」

「あの、レェヴェチ……さん?」


 こいつ今までと態度豹変してるううううううううううううううううう!

 これがこいつの本性か!?


「さあ、どうしたいのでありマスか? ああ……そう言えば、ミヤタタツオは人に馬乗りにされたい変態さんでしたでありマスなあ」


 おいイケメン追い掛けて来いよ。そして俺を助けろ下さい。

 あ、でも、こいつどうも薄着っぽくて体の感触がダイレクトに伝わって来るな。


「ふふふふふ。何も言えんようでありマスな。この体勢で満足なのでありマスね変態さん?」


 くっ、悔しい! でも言い返せない!


「変態の汚名を否定する気もないのでありマスか、この変態」

「ギイ」


 うおおおおおおおおおおおおおおお童顔でそんな台詞言われるとは……!?

 俺は無理矢理ぐるりと回転し仰向けになった。


「おいレェヴェチさっさとどけ」

「ギイイイ」

「あれぇ? そんな態度でいいのでありマスか?」


 その悦楽とした顔見てるとむらむ……じゃなくて!


「ばっか何かヤバい声が聞こえてるんだよ!」

「ギイイイイイイイ!」

「この声はゴブリンでありマス!」


 さっと立ち上がるレェヴェチ。俺も一緒に立ち上がる。

 その視線が見つめる木々の間からギイギイと甲高い声で姿を現したのは、緑色の小さな化け物。二足歩行をしているがあれは絶対人間なんかじゃねえ。つーか服着ろイチモツが見えてんぞ。


「おいレェヴェチ。後ろからも変な鳴き声が聞こえてくるんだが」


 振り返るとそこには二体のゴブリン。


「前後を囲まれたでありマス!」

「おいゴブリンってやっぱ人に危害加えるの?」

「当たり前でありマス!」


 マジかやっべえなそれは。


「近接航空支援求むわ」

「何でありマスか? それより私が時間を稼ぐのでミヤタタツオは叫んで仲間を呼ぶのでありマス。まあ私にかかればゴブリンなんて一息に殺してやれはするのではありマスが念の為……」


 ひゃっはああああああああああああああ! ヤロウども粉々になりやがった! 30ミリガトリング砲の味はどうだああああああああああああああああああ!


 しかし今回はえらく低空に現れたな。木にぶつかりそうでひやひやしたが誤射を避けるためなんかねえ?

 お、二機編隊のAー10が翼を左右に振ってる。俺も感謝の印に手を振ってみる。見えてんのかね?


 死体に目を移す。

 おうおう、見事なまでにミンチだぜ。原型をとどめてねえ。


「おぼろろろ」


 やっぱ死体気持ちわりいいいいいいい! 見るんじゃなかったあああああああああああああ! 匂いも最悪だああああああああああ!


「あわわわわわわわ、あ、あの怪鳥が現れたでありマス……」


 何こいつ慌ててるんだ? ああ、A-10の事知らないもんな。


「あ。あれ俺が呼んだんだわ」

「え? えええええええええええええええええええええ!?」


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