第八波、朝だっ!
「朝でありマスよ~」
「……おう」
うぐぐ、体の各所からダメージアラートが鳴り響いてやがる。
やっぱ床に直寝はキツイぜ。
「ほう」
小屋の戸から差し込んでくる眩い日の光が俺の新しい世界での明るい未来を予知しているな!
「よしゃ、やってやんぞ」
「何をでありマスか?」
「人生のサクセスルート、だよ」
ふ、決まった……。
「さくせするうと?」
ボケえとした顔しやがって。こいつには高尚過ぎたか。
「ま、無学なお前には今の俺のクールな言動の数々は分かるまい」
決め台詞が見事なまでに決まった……完璧だ。完璧過ぎる。
「なにおう!」
怒るな怒るな。むしろ程度の差が知れるぞ。
「ははは、冷静になれよ」
「むきいいいいいいいいいいいいいい!」
「はっはっは! どうした何も言えないか!」
悔しさを地団駄で表すとか古典的ィ!
「うがあああああああああああああああ!」
「おい掴みかかるな! 危ないだろ! ちょ、おま、落ち着けえええええええええええええ!」
俺の後頭部が床にダイレクトアタック!
うおお後頭部がああああああああ!
「み、ミヤタタツオがいけないんでありマスよ? あんまり人を馬鹿にするものじゃないでありマス」
「あ、あのなあ……」
人の上に馬乗りになっても説得力ねえなあおい。
どう見ても俺が被害者だ。後頭部腫れてねえだろうな。
「どうした何かあったか?」
お、三人集まってお帰りさん。
「何をしている?」
睨むなよイケメン。
「何って、レェヴェチとじゃれ合ってただけだ。な?」
「じゃれ合うって……私はミヤタタツオを起こしてあげたのでありマス」
「あらあ、随分仲良くなったのね」
ちょっとちょっと、ジュヴラリクさん何言ってんですか。
俺はこいつなんかじゃなくてあなたと仲良くなりたいんだ!
「仲が良いだなんてとんでもない! 愛玩動物とじゃれ合ってたようなものですよ」
「動物扱いとはひどいでありマス!」
「だから掴みかかるんじゃねえ!」
「いい加減にしろ!」
いきなり叫び出すイケメン。
ちっ、白けたわ。
「おいもう降りろよ、立てないだろ」
「ふん! べーだ!」
あいつなりの捨て台詞か何かを言い捨てて、レェヴェチは小屋から出て行った。
くそっ! むしろ萌えてしまった! 舌をちょこっと出すとはあざとい奴め!
はっ……そ、そういやあいつも一応十五歳。顔も可愛い立派なレディじゃねえか。
天然アホ娘とは言えそんな子に馬乗りになられていたシチュをむざむざと自ら放棄しちまったあああああああああああ! つーか天然アホ娘とかむしろ高ポイントじゃねえか!
「く……」
「ミヤタタツオ。後悔してるなら早く追い掛けてあげたら?」
ジュヴラリクさん! あなたが言うなら喜んで!
「おい待て!」
「あらあ、嫉妬してるのジャァグ?」
「そ、そんな訳あるか!」
マジかあいつ馬乗りに憧れてたのか。やべえ乗り遅れるな! いや乗られ遅れるな! 急げえええええええええええええええ!




