第七波、こいつら優しすぎだろ善人すぎワロタ……あ、これフィクションだから皆は騙されんなよ?
「……という事です」
ハハッ! 結局嘘だってばれちゃったよ! 洗いざらい全部吐いちゃった! テヘッ!
「俄かには信じがたいな」
「でもこの子告白の時震えてたわよ?」
「実際見てみないと分からないのでありマス」
部屋の隅に固まってこそこそ相談してた連中は、イケメンを先頭にしてこっちに振り返った。
「異世界から来たという話や、謎の声から聴いた話。俺達にそんな話を聞かせてもお前には何の利益もないだろうし、この場は一応信じておく」
「お、おう……」
黙りやがった。く、来んのか? やっぱ異端者扱いで抹殺なのか?
へ、へへへ! でもなあ! 俺には近接航空支援があるんだかんな! 俺が近接航空支援について知る限り懇切丁寧に説明しようとしたのに、もういいって遮ったのを後悔させてやんぜ!
「ミヤタタツオ、悲観する事はない。ここで出会ったのも何かの縁だ。町に連れて行く位はしてやる」
な……何だこいつ、見ず知らずの俺を信用するのか?
「ミヤタタツオ、あまり思いつめちゃだめよ」
「出来る事があれば何でも言うでありマス!」
「何か悩み事があるなら相談に乗るぞ」
いやいやいやいや、この善人の集団はなんなの?
ありえないだろ信じられねえどうなってんだよ。
「あ……ありがとうな」
くそっ! まだ信用なんてしてないんだから! 覚えてろ!
「あはは、照れてるでありマス」
「て、照れてなんかねえし! そんなんじゃねえし!」
ふう。もう寝る時間だぜ。
だが寝床なんてものはなし。床に直寝で毛布を被るだけとか……。
「寝れるかよ……」
「なら代わるか?」
小屋の入口の戸に背中を預けて座るイケメンが声を掛けてくる。
「でも、俺に出来るか?」
見張り番がいないと寝てる間に殺されるかも知れないんだとさ。
全くもって冗談じゃねえぜ。
「怪しいものを見つけたら叫ぶだけだ」
正直な、俺は怖くて叫べないかも分からん。見張りなんか出来るかよばーか!
だが……っ! だがそんな事イケメンに言えるのか……っ!?
「そ、そんなら代わってもいいけど」
「冗談だ。まだお前を完全には信用してない」
ならそんな事言うんじゃねえ。あと腰に差してる剣の柄に手を掛けて睨むなビビるわ。
でも寝れないし、ちょいと雑談するにはちょうどいい相手かもしれん。
「はあ……マジどうすっかなあこの先。俺でも出来そうな仕事あるかねえ」
やっぱ生計立てれないと死ぬからな。つーか現代日本並みに快適な生活出来ないときつい。
「異世界では学生だったんだろう。何を勉強していたんだ?」
「英語数学化学物理生物政治経済現文古典漢文……この中で役に立ちそうなものあるか?」
「すまん何を言ってるか分からん」
はあ……数学化学物理は地味に役に立つかもしれないがなあ。
「あんたらはどうやって生活してるんだ?」
「ギルドから魔獣の討伐依頼とかを請け負っている」
「物騒だな……」
「お前のいた世界はどうも平和だったらしいな」
「ま、少なくとも俺のいた国はな」
そうなんだよなあ……意識してなかったが日本平和だったんだよな。
「ジャァグの家族ってどうしてんの?」
「故郷で農家をしている」
「へえ。兄弟とかっている?」
「ああ、上に二人。下に三人だ」
「すげえな。俺の国じゃ子だくさんだよ」
俺はもう家族にも友達にも会えねえんだよなあ。くそ、泣いてなんてねえぞ。これはあれだ、目が乾燥してただけだ。
「……畜生。めんどくさい奴だな」
「何だよ」
「お前の世話位俺の稼ぎでどうにでも出来る。心配するな」
何照れくさそうに言ってんだよ気持ち悪い。
くそ……小癪な奴め。
「世話になった分の借りはぜってえ返すからな」
「当たり前だ」




