第五波、なるほど分からん
「嘘だろ何で何も知らねえんだよ……まさかあんたら義務教育受けてねえんじゃねえの?」
そ、そうだよ。こいつら銃全盛な時代に剣とかアホな物持ってるし持ってるしまともに勉強した事ないんじゃね?
「義務教育? 教育が義務なのか?」
「あんな高額な教育が義務とは恐ろしいな……」
高額ってそんなでもないだろ。いや確かに出費が辛い家庭はあるようだけどそこは国が補助してるだろ。
『ええ加減にせえ。お主は異世界にいるのじゃ』
……ん?
『どうした?』
「……」
「どうした、急に黙り込んで」
「汗が凄い出てるでありマス」
「アァドバァグ。この子何なのかしら」
「分からん。が、少しおかしい所があるようだな」
何か頭の中に、いる?
『いやおらんよ。ただ頭の中に直接話し掛けてるだけじゃ』
ねえよ。そんな事ある訳あるか。
『お主なあ。今まで見た事を考えれば今までの日常にいない事は分かるじゃろう』
だからってこんな事がありえる道理になるか。やべえよ、俺今いる場所も分からないのに加えて精神疾患も発症しちまったのかよ。まあこんな訳分からない事態じゃあ不定の狂気に見舞われても不思議じゃねえがもう俺本格的にやべえよ急いで本格的な治療施設に搬送して貰わないと
い の ち が や ば い
『落ち着かんか!』
おふあべらっしゃあ! すいません落ち着きますんで脳みそシャッフルしないで下さい。
『よかろう。で、じゃな。お主は異世界に逝ってしまったのじゃよ』
いやいやいやいや、そこ説明なしはありえないだろ。何で異世界行く羽目になってんの俺。
『世界の法則が乱れたので空間に亀裂が出来てあれやこれやしてお主は異世界にいるのじゃ』
意味不明乙。
『まあ要約すればつまり、事故っちゃった』
マジかよ。保険とか下りる?
『下りぬが、まあその代わりとして能力を与えたじゃろ?』
何それ?
『近接航空支援じゃよ』
え、あれ。俺の能力なの?
『そうじゃよ~。お主が近接航空支援! と叫べばイメージに見合った飛行機が辺りを掃射爆撃何でもしてくれるのじゃ』
叫ぶのか。
『おお。叫ぶのじゃ! さすれば与えられん、じゃよ』
いや違うだろ。って事はあれか? 俺は超レアケースな事故で異世界にポーンと跳ばされてその保険料が近接航空支援?
『大体あってる』
そうかそうか……今から地球に帰る能力に変更して下さいお願いします。
『無理じゃよ。事故の保険料が事故をなかった事にはできん』
いや出来なくもないだろ。保険料たんまり貰ってウハウハだぜえな人もいるんじゃね?
『それでええのかお主は……』
地球に帰れるならそれもまたよし。
『言っとくが帰ってもお主の存在は無かったものになっとるぞ』
何……だと……?
『だから頑張ってこの世界で暮らすのじゃ』
いやその理屈はおかしい。俺の存在を思い出させるのも、能力の一環にすれば万事解決じゃん。俺天才。
『そうではなくてだな。儂らの能力ではそれを実現する事は無理なのじゃよ』
マジか……。俺この世界で生きてく自信ないわあ……多分水飲んだだけで腹壊して死ぬだろ。
『そこら辺は心配せんでええ。もうお主の肉体は世界の次元を通って色々改変されておる。ぶっちゃけお主を人間と呼べばいいか迷うのう』
そこまでかよ!? あの、どの辺が変わったか教えて頂けると助かるんですけど。
『そうじゃな。取り敢えず肉体は少々の毒物は効かん位汚染について強くなっておるし、鍛えれば白熊も素手で殴り殺せる。精神もあまりに貧弱なんで強くしておいた』
おいおいおいおい。心はいじんな。
『しかしのう。いじっておらなんだら、あの犬ころの死体を見た時点で発狂しておったしのう』
そんなにナイーブだったの俺?
『うむ。信じられん貧弱さじゃった』
なら仕方ないな。多分この世界死体なんてそこら辺に落ちてる民度なんだろうし。
『そうじゃのう。死体が身近にある環境ではあるのう』
肉体は今現在はどうなの? 岩を殴って割れる?
『うんにゃ。身体的強さはそのままじゃ』
何でだよ鍛えるの面倒なんだけど。
『知るか。近接航空支援なんて滅多にない位強力な能力じゃぞ。自制せい』
まあそうだな。空から爆弾落としゃ荒事は何とかなるか。
『うむ。では検討を祈るぞ。あでぃお~す』
おう、じゃあな。
あ。名前聞くの忘れた。まあいいか。




