第二十八波、戦況大丈夫なの?
イムナナの後に続いて城の中を進んだ俺たちは裏庭に着いた。縦横どちらも二十メートルはある高い壁に囲まれた広場で、地面は石畳で舗装されている。
「さあ、やるがよい」
「目標がないんすけど」
クレーターでも作れってか? やれっつうならやるけどさ。
「それなら私が造りましょう」
「え?」
「おお、さっそくやってくれ」
「かしこまりましたフャトミトュウ様。1079798101100101107105114111」
ばあちゃんが奇怪な数字を唱えると、高さ二メートルくらいで人が一人隠れられる幅のある土壁が石畳を押しのけて地面から盛り上がって出てきた。すっげえ、これが魔法か!
よっしゃ! 負けてられっか! 俺もやってやる!
「近接航空支援! 目標は土壁! 俺たちに攻撃を当てないでくれよ!」
「あらそれが詠唱なの?」
「詠唱というか……呼び出している感じすかね」
俺の要請の声に応え、すぐさまやってきたA-10攻撃機は地を震わせる轟音をがなり立てると同時に土煙を舞い上げる。
もう前が全然見えない。隣に立ってるイケメンの表情も分からない。
「煙いでありマス」
「んなこと俺に言うなよ」
「相変わらずキチガイじみた攻撃だな」
「うるせえ」
「10797122101121111102117107101」
あ、風が吹いてきた。
「今のもレキシボさんが?」
「そうですよミヤタタツオ」
ぶち壊すことしかできない俺より役に立ちそうだなばあちゃん。つうか俺も魔法って使えないもんなの? 後で誰かに聞いてみるか。
それよりA-10の攻撃はどうなった。土煙が晴れた先には土壁は……ない! よっし、流石だ! でも何か後ろの壁もなくなってるうううううううううううううううううううう! つうか完全に地面耕しちまってるううううううううううう!
おいこれ弁償なんて言われたらシャレにならんぞ!
「あらあら凄まじい威力だこと」
「……先の攻撃は見間違いではなかったか。恐ろしい」
「これはいい! 帝国軍も同じ目に合わしてやれ!」
ふう。弁償はないっぽいな。
「厚さ百五十レンジ(約百三十七センチ)もある壁が……この城の最後の城壁が破壊されたのですが、フャトミトュウ様如何成されるおつもりですか?」
イムナナてめえ余計なこと言うな!
「いやいや! 俺はただ命令に従っただけじゃないですか!」
「黙れ! 敵はここに着実に迫って来ているのだぞ!」
「え……」
ちょっとシャレにならないんすけどそれマジなの?
「イムナナ。敵はミヤタタツオが責任もって全滅させるから心配するな。見ただろうこの威力だ。敵もひとたまりあるまい。なあ、ミヤタタツオ?」
「ああ、はいはいそうですね。それより、敵が迫ってるって……」
「うむ。迫っているな。このままでは我が領は侵攻されかねん」
そこまでやばいのかよ!




