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第二十七波、俺の身長は百七十です




「ふふふ。一週間以内には兄様が残りの軍勢を引き連れてここオルリエフトスタアクに到着する。その後はミヤタタツオ、君は私と共に従軍し父様を苦しめさらには領土に攻め入らんとしている帝国軍を蹴散らしてくれ」


 目の前に立ち俺の目をじっと見つめるフャトミトュウ。


「頼むぞミヤタタツオ」

「分かった……分かりました」


 内心では軍隊と戦うなんてまっぴらごめんなんだ。だがよ、黒髪長髪美少女が碧い目を潤ませて頼んでくるんだぞ、おい。誰が断れるんだ! 否! まともな神経がある男なら断れねえよ!


「ミヤタタツオは……それでいいのでありマスか?」


 くい、と上着の端を握ってレェヴェチが後ろから問いかけてくる。くそ! こっちも結構心に響くシチュエーションだな。だが、だがもう俺は決めたぜ。正直に言おう。


 遠い未来の恐怖より、すぐそばにある見栄を取る!


 だって可愛い女の子にはいいカッコしたいじゃん。


「レェヴェチどうした? まさか帝国軍が怖いのかあ?」

「死ぬかもしれないのでありマスよ?」


 何だよ……いつもなら俺の煽りに乗ってくる癖に、真顔で死ぬとか言いやがって。


「死ぬ訳ないだろ俺の能力で瞬殺だって」

「そこまで仰るからにはさぞや自信がおありなのでしょうね」


 ニコニコと優しそうなばあちゃんが話し掛けてきた。ぶっちゃけ虚勢なんだけど、レェヴェチに弱みなぞ見せてたまるか!


「当たり前じゃないですか! レキシボさんも俺の魔法を見たでしょう?」

「ごめんなさいね、私は体の調子が悪くて戦場に出るのが遅れちゃったの。だから物凄い大きな音がしたのを聞いただけ。良かったらその魔法、見せて下さらない?」

「私も是非とも間近で見せて頂きたく思います」


 カイゼルひげのおっさんも見たいのか。そうだな、このもやもやした気持ちを吹き飛ばすにもちょうどいいかもな。


「でも俺の魔法は広範囲を攻撃するのしかないんですよ。場所ありますかね?」

「広範囲って、どのくらい?」


 ばあちゃんは興味津々だな。


「そうっすね。俺の身長の十倍の長さの長方形は攻撃範囲に入るかもです」


 俺がそう言うと室内の奴らが一斉に俺を見つめてくる。いいかお前ら? 俺の身長は百七十だからな。だから十倍は十七メートルだぞ?


「となると百七十の十倍か……」


 ん? 今フャトミトュウは何と言った?


「俺の身長百七十ある?」

「ん、それくらいだと思うが。なあ、イムナナ」

「私も目測ですがその通りと感じました。あとミヤタタツオ、フャトミトュウ様には敬語を使いなさい」

「は、はい……」


 あいつマジ怖い……でもそんなことより俺の身長が百七あるってさ! ひゃっふうううううううううううう! もしかして異世界に来たときに伸びたのか!?


「私もミヤタタツオの身長は百七十レンジあると思うでありマス。わわっ! 頭くしゃくしゃにしないでー!」


 くそっ! どうせそんなこったろうと思ったよ! 異世界でセンチが使われてる訳ねえもんな! 俺の身長が百五十五だから、だいたい一レンジは一センチの九割の長さって訳ね。


「裏庭ならその条件を満たすでしょう。みなさん私に付いてきてください」





 一応注意。自称百七十の壁にぶち当たった宮田竜夫が作中で女性の身長が大きい大きい言ってますが、ただ彼がちっこいだけです。無視して下さい。


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