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第二十二波、何か俺のあずかり知らぬトコで話が進んでいく




 その後、落ち着いたフャト何とかさんの指示で俺たちは一か所にまとめられ、周囲を騎兵に囲まれた。全員フャト何とかさんの部下なんだろうな。視線だけで今にも殺されそうだぜ。


「さっそくだが、ミヤタタツオを譲り受けたい」

「いやでありマス!」


 おいだから俺を無視して話を進めるな。


「分かってないようだな。これは話し合いではないのだ。お前たちは、はい分かりましたと言えばいい」

「傲慢にも程があるのでありマス!」


 あ、フャト何とかさんが何か企んだ嫌らしい笑顔してる。


「まさか逆らうなんて出来ないよなあ、ナヴィ一門のアァドバァグさん?」


 何だ、おっさんのことか?


「私のことを知っているのか?」

「君にとってはおあいにく様だがね」


 んん、さっきまできゃんきゃん吠えていたレェヴェチも黙り込んじまった。それどころかおっさんもジュヴラリクさんもイケメンまで追い詰められた雰囲気出してやがる。


「どうしたんだよ一体?」

「彼の一門は優れた魔法技術でもって栄えているのだが、彼はそれを持ち逃げした一門の恥さらしなのだ。そうだろうアァドバァグ?」

「……」


 おっさん言い返せないのかよ。つまりあいつの言ってることが本当なのか?


「もしミヤタタツオを引き渡すのなら、私に暴力を振るったことも不問に処するし君を見なかったことにもしてやるが?」


 ちょ、フャト何とかさん。それじゃ俺が見捨てられるじゃねえか!


「その言葉に偽りはないのか」


 え、おっさん? 嘘。だろ?


「もちろんだ。私は約束は(たが)えない」

「アァもぐうう」

「レェヴェチ、今は黙ってなさい」


 はあ……まあ仕方ないか。ここまでして貰って文句言える筋合もねえし。おっさんも色々事情抱えてたんだな……。


「待った。俺たちも雇わないか? 貴族さん」


 イケメンんんんんんん! 馬鹿お前無理に決まってんだろ! せめて殴らなきゃ何とかなったかもしれんがさあ!


「私を殴ったお前を雇えだと?」


 ほらほら、フャト何とかさんの小さな口の端がぴくぴく震えてるよ! もうお前黙ってた方がいいって!


「こいつの魔法は攻撃特化だ。しかも範囲攻撃しか出来ないときている。詠唱中の護衛は必須となる」

「私の部下にやらせよう。貴様に頼る必要はない!」

「今は一兵でも無駄にする余裕があるのか? それにアァドバァグの前歴を知っているなら護衛には最適と考える」


 えっ、途端に黙り込んだんだけどイケメンの言葉のどこに論破される要素があったの?


「……なら一発殴らせろ。そしたら雇ってやる」


 えええええええええええええええええええええええええええええええええええ!? いいのかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?


 とてとて歩いてイケメンに近付いたフャト何とかさん。イケメンの顔を見上げ生意気なツラに右こぶしをブチ当てる。ひゃっはあ! イケメンざまあ!


「契約成立だな」

「……むう。いいだろう」


 イケメン余裕か。つうかむしろ殴ったフャト何とかさんの方が右こぶしをさすりながら涙目。かわいいいいいいいいいいいいい。


 いやでも、貴族のメンツって一体……。まあいいか。


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