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卑怯者

 優しい言葉は掛けるのに、其れはきっと上辺だけ。

 情の隠っていない言葉なんて、出任せで幾らでも言える。

 俺の事を笑うか。

 俺の事を軽蔑するか。

 其の程度じゃ如何にも痛くない。

 御生憎様、俺は卑怯者。

 だからもう何も云わないでくれ。

 何依りも哀しいって事は、自分が一番解っているから。

 だけど俺は人間だから、文句なら神様に云いな。

 如何してこんなに卑怯なのだと。

 きっとおまえは笑われるさ。

 所詮同じ、只の人間が何を云うかと。

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