二百文字詩集「虹色交差点」

結晶

　冷えきった此の心を温めるのは、貴女の優しい声でしょうか。

　雪は綺麗ですね。だけど、少し冷た過ぎやしませんか。

　貴女の隣に居ると、こういう事ばかりが考えられるのです。

　その唇紅は綺麗ですね。だけど、少し寂し過ぎやしませんか。

　貴女を見詰めて居ると、そういう事ばかりが思われるのです。

　どんな言葉拠りも響くのは、重ねた掌の熱です。

　貴女が居るだけで私は満たされて行くのですから、だからお願い、死ぬだなんて云わないで。