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明るい未来を抱きしめて 改訂三版  作者: ある自殺志願常習者
2.大学生時代
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2-1.経緯(5)

 こんなふうに、自分にとって楽しくもないのに私が受け入れようとして、実際にある程度受け入れられたのは、要するに死ぬほど嫌ではなかったし、実害と言うほどのことはなかったからだろう。アルバイトだって、できればやりたくないけど、必要だからやっていて、そして嫌だと言い続けなければならないほどではない。勉強も、必要性も分からないしきついけど、やれなくはないし、まあ成績が良ければ嬉しいし、授業の中で面白いと感じることが全くないわけではない。

 実際、付き合っている間、話し相手には困らなかったし(話題には困ったけど)、後から振り返ってみれば、存在自体がずいぶん私にとって助けになっていたと思える。後になってから、一人だけで行くと居心地が悪い場所というのが世の中の大部分なのだと気づいて唖然としたものだし。存在自体が、というのはそういうことだ。だからもちろん、同じ立場というか役割を果たす相手になれるのが、世界中でその一人しかいないという意味ではない。もっと良い相手はいくらでもいるに違いない、とも今は思える。そのくらいには私は冷静だった。

 とにかく、私が相手との関係に熱心ではなかったのは否定しようがないけど、不十分だったとも思わない。向こうからの誘いを、出かけるとか「F」とか全部含めて、一度も断ったことはない。季節イベント(ゲームみたいな言い方だ)のプレゼントとかを欠かしたこともない(向こうと違って)。

 ここまでの話を通じて私が言いたいのは、私は私なりに努力していたということ、ただそれだけであって、それ以上の、つまり、「こっちはこれだけのことをしてやった、なのにあの男は」、というような話ではない。

 ただ単に、ある日、


「おたがいに負担になてると思うから分かれようか その方がいいよね」


 というあっさりしたメッセージを携帯電話で送って済ませられたことについて、私に非はないと信じてもらいたいだけだ。ここでわざわざ、見たくもないものを見返して、漢字とか文章の間違いや句読点も改行も使わない手抜きまで再現しているのも(できれば、少し時間を置いてから送られてきた絵文字というかスタンプもここに載せたいくらいだけれど)、あえてあげつらうためではなく、客観的な証拠を提示したいと思ったに過ぎない。相手に未練があるわけでもなく、まして恨みがあるわけでもなく、非難したいわけでもない。ただ、私の絶望を少しでも知ってほしいだけだ。


(改定三版における注:念のため言えば、「読者に」である)


 絶望とは大げさだけれど、こうやってここに挙げただけで三つも重なれば、そういう馬鹿な感覚にまで至ってもしょうがないんじゃないだろうか。しょうがないという表現がおかしければ、その可能性が生じることはあり得るだろう、と言い換えてもいい。

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