表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女上司はハイハイする  作者: とりさん
9/12

女上司と看病

 風邪のせいで体調がすぐれない日、ぼくは会社に勤怠連絡を行い自宅で寝込んでいました。気が重くても、体調と向き合うしかありません。その日一日、ぼくは布団の中でだるさに耐えつつ、何もする気力が出ませんでした。

 その日の夕方、ふとピンポンとチャイムの音がしてドアを開けると、そこには女上司の美咲さんが微笑みながら立っていました。

「こんにちは、小村くん。風邪、大丈夫?」美咲さんが声をかけてくれました。

 ぼくはかすかな声で返事しました。「おはよう、美咲さん。少し具合が悪いんです…」

 美咲さんは心配そうに顔を寄せてきました。「それなら、ゆっくり休んでいて。今日は私が看病してあげるから。」

 驚きと感謝の気持ちが胸に広がりました。美咲さんがわざわざ訪ねてきてくれるなんて、思ってもみなかったことでした。

「でも、美咲さん、大丈夫ですよ。こんなことまでしていただくなんて…」

 美咲さんは軽く手を振って笑いました。「気にしないで。お互い仕事仲間だし、こういう時に支え合うのも大切だよ。」

 その言葉に胸がじんわりと温かくなりました。美咲さんはぼくの近くに座り、優しい笑顔で話しかけてくれました。そして、台所に行っておかゆを作る音が聞こえてきました。

 しばらくして、美咲さんが手に持ってやってきました。暖かいおかゆの匂いが漂い、胃袋が響くようでした。

「食べてみて。体にいいし、少し元気が出るかもしれないよ。」

 ぼくはおかゆを受け取り、美咲さんに感謝の意を込めて微笑みました。「ありがとう、美咲さん。」

 美咲さんはにっこりと応えました。「どういたしまして。それから、家事も手伝うから、気にせず休んでて。」

 ぼくは美咲さんのやさしさに触れながら、心地よい温もりに包まれました。彼女が家事をこなしてくれる一方で、ぼくはおかゆを食べて少しずつ元気を取り戻していきました。

 その日の過ごし方が、ぼくにとっては特別であり、美咲さんとの絆が深まる素敵な瞬間となりました。風邪が治るまでの数日間、美咲さんの優しさと気配りに支えられながら、ぼくは回復していきました。そして、彼女の笑顔と看病が、ぼくの心に温かな思い出として残りました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ