女上司とオフショア出張
新たな挑戦が待つインドへの出張、ぼくは女上司の美咲さんとともにオフショアプロジェクトの進捗を確かめるために1週間の日程で向かっていました。美咲さんはオフショア開発プロジェクトのリーダーで、彼女の明るさと実力に刺激を受けながら、ぼくは海外が初めてということもあり、この旅に期待と緊張を抱えていました。
到着後、現地オフィスでプロジェクトのチームと会議を重ねる日々が始まりました。しかし、予想外の困難が立ちはだかりました。現地の文化や習慣の違い、納期や成果物の質、通信インフラの問題など、様々な壁が立ちはだかりました。美咲さんは冷静な判断とリーダーシップでチームをまとめ、ぼくもその姿に励まされながら、共に困難に立ち向かっていきました。
しかし、プロジェクトの成果物がクライアントの望むようなものとは乖離しており、ぼくと女上司も疲労を隠せずにいました。そんな中、美咲さんはふとした瞬間にほんのり笑顔を浮かべました。
「どうしたんですか、美咲さん?」ぼくが尋ねると、彼女は微笑みながら「ピピピピ」と答えました。
その言葉と共に、美咲さんは地面に腹ばいになり、ハイハイしながら歩き始めました。ぼくとインド人のパートナーはびっくりしてしまいました。インド人もいきなりハイハイし始める人を見るとびっくりするということに気づかされました。
実際は短いもののとても長く感じたハイハイが終わり、女上司はクライアントと連絡をとり、現在のオフショアプロジェクトの進捗状況を連絡することで、何とかクライアントの要求を満たす折衷案(現状のままでローンチするが、追って機能修正を行うこと)で合意しました。
折衷案でチームがまとまり、プロジェクトが最終段階に近づくにつれて、チームの努力が実を結び、進捗も徐々に改善されて今後のめどが立ってきました。そしてついに、プロジェクトの目標となるローンチを達成することができました。美咲さんのリーダーシップとチーム全体の協力が、この成功に大きな役割を果たしていました。
日本への帰路、飛行機の中でぼくは女上司に感謝の気持ちを伝えました。「美咲さん、この出張での困難な状況でも、美咲さんの姿勢や努力に助けられました。本当にありがとうございました。」
女上司は微笑みながら答えました。「ありがとう、小村くん。でも、ぼくたちはチームみんなで協力しあってこそ成功できたんだよ。これからも一緒に頑張りましょう。」
ぼくは美咲さんの言葉に胸を打たれました。この出張を通じて、ぼくは女上司の強さとチームワークの大切さを学び、成長することができました。帰国する際、女上司の笑顔がぼくの心にずっと残り、ぼくは今後の仕事に対する意欲を新たにしました。