謎の女上司との出会い
大学卒業後地方から出てきたぼくは、中小ソフトウェアハウスに入社しました。慣れない環境のため、最初は緊張していました。中小企業のため、新入社員研修は即日で終了し、すぐにOJTに取り掛かると、自分のチームの上司として、コンサバ系の女上司と出会いました。彼女の名前は神宮寺遥。IT企業で服装規定もないはずなのに、なぜかスーツを着ている彼女は女性経験に少ないぼくにとってとても魅力的に思えました。彼女はディレクターとしてチームをリードし、プロジェクトを成功に導くことで社員の中では評判のようでしたが、時折彼女には一風変わった一面がありました。
ある日の夕方、突然のシステムトラブルでてんやわんやしたオフィスは疲れた表情を浮かべる社員たちで溢れていました。社員はいつ復旧するのか、ポストモーテムを出してくれなど顧客対応に追われていました。そんな中、女上司が普段とは違う行動に出ました。
「みんな、ちょっと待っててね!」
女上司は突然そう言って、床に膝をついて「ピピピピ」とかわいらしい奇声を上げながらハイハイし始めました。初見でぼくは戸惑ったものの、社員はみな慣れた態度で女上司に接し、すぐに笑いが広がりました。女上司の可愛らしい姿に、疲れが癒されたのでした。
ハイハイする女上司は、まだぼくを知らない




