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第七話
その後、二人は自分達の教室に戻って話をしていた。
夕日が赤々と教室を照らす。
「災難だったな」
リョウタはぶっきらぼうに言った。
「うん······」
ミドリもどこか表情が暗い。
「全部は薬のせいだっていう思い込みだったわけだけど······」
「······そうね」
「で、さ」
「······」
少しの沈黙。
「俺はさ······これからも今までみたいないい感じの関係が続くといいなと思ってるぜ」
リョウタが言った。
ミドリの顔がパッと明るくなる。
「······そうね! 私も同じ気持ちだよ!」
そして、さらにミドリは付け足すように小さく呟いた。
「でも、このままでもいいけど、もしかしたら······もう少し進んだ関係でも、私はいいかも······」
リョウタはミドリの言葉に少し照れくさそうにしながらも、胸が高鳴るのを感じた。
赤い夕日に溶け込む二人の顔は、これからも素晴らしい関係が続くことを確信しているものだった。