オカカノ4
ある日の放課後、リョウタとミドリは教室で話をしていた。二人は以前より格段に仲良くなっており、楽しく会話ができるようにまでなっていた。
「ねえ、リョウタ。最近、オカルト研究部で新しい都市伝説を調べてるんだけど、面白いよ」
「本当か? 進捗があったらその都度聞かせてくれよ」
「うん。それとね、実はね、幽霊が出るって噂されている廃墟の調査もしてるんだよ」
「面白そうじゃん。いつか連れてってよ」
「いいよ、今度一緒に行こうね」
喫茶店のカップルかのような時間を過ごすと、ミドリは部活に行くために教室を出ていった。すると、リョウタのクラスメートがちょっかいを出してきた。
「おーい、リョウタ。ミドリと仲良くなったみたいだね。なんだか意気投合してんじゃん」
クラスメートのケイスケがからかってきた。
「ミドリって、オカルト研究部でちょっと変わってるし、面白い子だよね。リョウタはそういうのが好きなの?」
別のクラスメートのサヤカである。
リョウタはそうしたクラスメートたちの言葉にイライラしていたが、それでも耐えていた。しかし、クラスメートのカナがさらに言い放った言葉に、とうとう堪忍袋の緒が切れた。
「リョウタってさ、案外、変わり者のミドリちゃんが好きだったりして」
カナのニヤケ顔にリョウタは怒って大声で語り始めた。
「お前たちにミドリのなにがわかるんだよ! あいつは賢いし、面白い話もたくさん知ってる! 大人しいのに俺に対してはいつもキャンキャンと子犬のように吠えるかと思ったら、今度はうってかわって素直になったり、人見知りなのに好奇心旺盛でなんにでも首を突っ込みたがって、なのに優しくて困った人を放っておけなくて、笑顔が屈託なくて世話焼きで、髪はサラサラで、華奢なのに無理をしがちでどうにも守ってやりたくなるんだ! おまえらにミドリの魅力がわかるもんかよ!!」
叫ぶだけ叫ぶとリョウタはそのまま教室を飛び出していった。
リョウタは気づかなかったが、偶然にもミドリが廊下の柱に隠れてそれを聞いていた。
ミドリはリョウタの言葉に感激し、一人で顔を真っ赤にしていた。