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経験の果て  作者: ナかめ
4/9

壁一面に敷き詰められた本


窓から差し込む光が空中に舞うホコリを輝かせる

ここはまるで倉庫の様な


あぁ、そうだここは学校の図書室だった


俺は、ほぼ毎日放課後に図書室に来て

日の当たる決まった席でウトウトするはずだった


だが今日、その席には女子生徒がいた


そして俺はその生徒に観覚えがあった

確か一つ上の先輩で最近、県内の文学賞を貰っていたのを覚えている

仕方ないどうせまた明日もここに来る今日は譲るか


そう思って席を譲り向いの席に座ったが……


次の日も、また次の日も、またまた次の日も

先輩はそこに座っていた


そして一週間がたった

以前の向いの席がいつもの席に変わり始めた頃


先輩は、話しかけてきた……


-------------------------------------------------------



私は、首筋に冷たさを感じ飛び起きた


「おはようございます少年、身支度が終わり次第ギルドへ行きますぞ」


「……おぅ」


外はまだ薄暗い


体痛くねぇや、風呂の効果は本物だったのか


俺は身支度を整え、今日からまたお金稼ぎの為にギルドへと向かう


ギルドは主に魔物の討伐や薬草の採取、護衛などなど依頼を集め会員にそれを売る組織の事だ


ちなみに会員になれば月額お金を払わなきゃならないけど、

色々有益な事あるしな


故にこれが一番金を稼ぐのに効率のいい手段だ


だが質のいい依頼を取るためにこんな早朝に起きるのはやだけどな


「うぅ、寒っ」


外は冬の終わりにも関わらずシンと冷えている

ただ川に沿って連なる桜の木は多くの蕾を持って春の暖かさを待っていた


「着きましたぞ」


一つ付け足し忘れたものがある


ギルドはとてもでかい


五重塔の様に連なるそれはこの街でまさに一番の大きさとも言っていい


「にしても大きいな、どうやって立ってんだろうな」


「はて、私にもさっぱり」


そう言ってギルドの中に入っていった


「おはようございます青年、早いですね、前回初クエストで突然気絶したと聞きまして、体の方は大事ないですか?」


ギルドに入ると入口あたりで掃除をしていた女性からべらべらと話しかけられる


うわっ、朝からよくそんなに喋れるな


「お、おかげさまで」


いや、しかし俺たち担当のギルド職員だ、慣れなきゃな……


担当のギルド職員、ギルド会員の利点ではあるが少々当たり外れがある様


「今日は何かいい依頼はないかね」


「そうですね、以前受けた依頼に似てますが緑人鬼の討伐なんてどうでしょう」


「それって以前俺が失敗したクエストの討伐対象ですよね」


「大丈夫ですよ、あなた達にこのクエストを達成するだけの技量があるくらい知っていますから」


この女人の話聞いてんのか?

さっき失敗したって言ったよな

いや、だがもう無理だこの女めちゃくちゃに諦めが悪い

以前、依頼紹介された時に頑固として他の依頼を出そうとしなかった

こうやって取引している間に他の人に質のいい依頼を取られている

紹介というよりも、もはや強制だろこれ


「わかった、わかったよやればいいんでしょ」


「そうこなくっちゃ、それじゃ依頼料金を頂きます」


そう言いながらあの女はクエストの紙に受注の判子を押す


「あぁ、言い忘れてました今回緑人鬼の毒武器の使用を確認されてましたね、それじゃお気をつけて」


そう言ってあの女は、すたこらサッサッと奥に消えてしまった


その重要事項先にいうべきだろが!


だがもう無理だ、受けた依頼やらずに辞めるべからず


ギルドのルールの一つだ破ればギルドのトイレ掃除一週間


やだ!そんなのやりたくない


あぁ最悪だ毒武器なんて確率10回こいつのクエストを受けて1回当たるか当たらないかだぞ

そもそも10回も緑人鬼の討伐クエストなんか受けないのによぉ……


まぁ、今回毒の使用が確認、報告されているのが不幸中の幸いと取るべきなのか……


「場所はここからそれ程離れていない村、数は20程度ですか、かなりの数ですね攻めるなら夜ですが良いかと」


「ん?あぁ」


俺が放心している間にじぃは情報をまとめていた


「じゃぁ、買うものは食事しながらでも」


そう言ってギルドの二階を指差す


「そうですな、では景気付けにカツ丼にでもしますかね」


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