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詩という名の吐露

互い違いの桜

作者: 三千


互い違いの桜


散った

花びら

風に

遊ばれ

すべて

日だまり

雨だまりに

落つ


どうしても 忘れられない日 新幹線がホームへと滑り 旅行にでも行こうと 人々が楽しそうに笑う そんな場所で 突然君に別れを告げられ ホームから見える桜 ぐにゃりと曲がりにじんでいく どちらが 悪いわけでもなく どちらも 正しいわけでもない どちらも 正義なのだというのに なぜ 仲がたがうのか 考えても なにも掴めず 付き合った日々 失敗だったと 思いたくなく 思いたくないから 忘れられない 今でも 今もまだ 思い出をこの桜とともに 美化しようとする心のどこか 崩れ落つ立体のパズルのよう ひとつひとつと 組み立てていく最中さなか


散った

花びら

風に

遊ばず

すべて

日だまり

雨だまりに

浮かぶ


君の姿が桜の花びらのもと

見えるのだと思おうとする愚かさ

君の姿を桜蘂さくらしべした

思い浮かべようとする浅はか


互い違いの桜


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― 新着の感想 ―
[良い点] 雨が降った翌日あたりの、散りゆく花びらを眺める中で、 音のない映像(過去)がサーッと早送りのように流れていき、同じところをぐるぐる回る思考。砂礫零さんの螺旋という表現は言い得て妙だと思いま…
[良い点] 視覚的にも面白い試みですね。 ぐにゃぐにゃと螺旋するような心情、消えない想い、それとは裏腹の儚い桜の様子がうまく表れていると思います。
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