裁きの時
ここはとある警察署。
取調室の中で刑事の男と対峙しているのは元革命党2大議員のニルガンだった。
刑事の男が尋問を行っている。
「武器、麻薬の横流し、未成年売春と人身売買の黙認、果てはテロリストとの裏交渉による老人施設の連続爆破。他にも数え切れない程の余罪が散見される。今この場で罪を認めるなら死刑だけは免れるかもしれないぞ?」
ニルガンは鼻で笑い堂々とした態度で背もたれに寄りかかっているが、その両手には手錠が嵌められていた。
「っふん!ナメた口を利くんじゃない、青二才が。君が職にありつき家族を飢え死にさせないで済むのは、その下らない尋問を差し向けている相手のお陰だということを忘れるな!」
「そうだな。ならその与えられた職務を全うしないのはお宅にも失礼になるという訳だ。既に証拠は出てる。せいぜい優秀な弁護士を雇っておくんだな。一連の事件全てがお宅の単独犯ということなら団体を雇ったところで終身刑は確実だ」
「…単独犯?一体何の話だ?」
「ん?上げられてる罪状と今回の事件は全てニルガン議員、お宅の単独行動だと言ったんだが?」
「何を馬鹿なことを言っている?政党の裏政策は革命党一丸での決定だった。2大議員である私とドドノが主に計画したことだ」
「そいつはおかしいなぁ。出て来た証拠データは全てお宅名義のサーバーから出て来た物だ。アクセス記録も全てお宅のアカウントログで残ってる」
「なっ何ぃ!?ばっ、馬鹿な!一体どういうことだ…!?」
「それは演技か?それとも本当に党の誰かに裏切られてた男の可哀想な叫びか?いずれにしてもやっと状況を飲み込んだみたいだな。弁護士はもう100人追加するか?」