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アレが神で、俺が邪神  作者: 猫の恣意
3/3

人化

第3話まで、書けた!

これって、凄いかも!(作者の心中では)

 目の前に走り寄ってくる漆黒の龍。

「護衛隊…… あの龍から距離を取れ! 攻撃してもかまわん!」


「クソッ、なんだあの龍は……」

 27代目王、ノクト・ヴァン・ソロモンは怯えていた。

 この地にはCランクの魔物か、Bランクの魔物しか出現しないはず。

 だがここに現れたのは、天災級とも言われるSSSランクの魔物…… 〝龍〟の姿があった。

 文献…… 伝説上の存在とも言われる〝龍〟

「だがアレは…… 可笑しいだろう…」

 ノクトは知っていた。

 幼い頃に詰め込まれた教育に龍の存在があったからだ。


『太古の昔、龍がこの地を支配し……』


 伝承に残され一片の言葉。

 それが、その意味が ノクトの中で思い返される。


『支配する龍は、守護神として奉る……』


 思い返す伝承。聞かされた神託。

『この地に守護神が降臨する』と……


 嗚呼、なんと言うことだ。

 我を守る親衛隊に無駄死にをさせてしまう。

 黒龍を恐れて攻撃命令を出したのは失敗だった。自らを守る家臣に犬死にをさせてしまうなどと……

 王たる我の失敗だ。

 もう遅い、と……

 なにをしでかしたのだ、と……

 自らのおこないを恥じる言葉が浮かぶ。


 そして最後に浮かんだ…… フラン王女の姿。

 まだ。死ぬわけには行かないと。

 こんな茶番で死ぬわけにはいかない、まだやり残したことがある。

 全てを支配する伝説の龍に挑む姿は、まさしく王としての姿だった。


◇◆◇


 臣下に無駄死にをさせてはならぬ。

 心に思う、ここで終わることは無いと……

「龍よ! 我々が攻撃したことは謝ろう!」

 言葉を発するとともに、臣下へ攻撃中止の命令を飛ばす。 

「汝を守護神として奉る故、我等を見逃してはくれぬか!」

 王としての威厳は棄てる。

 人の上に立つ存在として、上に立つ事を放棄した。

 王が、民を守るためにした、威厳の放棄。それは配下達の眼に真の王の姿に映った瞬間の出来事。


◇◆◇


 おおふ、なんだあのキラキラした青年は。

 貴族か!? 貴族なのか!

「ぐぉ? ぎゃい!」

 やっべ、言語が話せねぇ……

 そこの貴族さんよ、俺言語喋れねぇから

「どうしたのだ龍よ? 我等の提案は了承してくれぬと!?」

 いやいや、そんなわけじゃ無いけれども……

 どうもこうも《人化》の手段が無いわけで……


 ん? ってあれ……

 身体がどんどん小さくなっていくような……

 身体から小さな黒い光をともしながら、龍の形が人間の形になってゆくような。

 というか、黒く発光しながら小さくなるってどういう原理なんだろうな?


◇◆◇


 やはり、我等の願いは聞き届けてくれぬか……

 こうなることは理解できていたが、まさか龍と戦うことになろうとは…… 思いもしなかったぞ。

「ああ、臣下達よ今ここで死ぬ覚悟は…… なんだ…と?」

 自らが龍に発した瞬間、龍が黒く発光しながら小さくなってゆく。

 その姿に、一瞬だけ絶望を感じた。

 それだけの力が、その黒い光に秘められているのだと本能が理解した。

 だがそれで引くわけには行かない。

 王として、ここで挫かれるわけにはいかない。

 臣下の希望を、王として示さねばならないとノクトが踏ん張る.

「攻撃準備態勢へ…… すぐさま行けるようにしろ…」

 攻撃準備の命令とともに成り行きを見守る。

 黒光りする龍の姿が幻想的に見え、人智の及ばぬ程のエネルギーが集約しているのが分かる。

 段々と小さくなっていく龍が〝暴力の化身〟と表現するかのような威圧…… 圧倒的覇気を放つ。

 死ぬ覚悟を決めたとしても、それでも尚恐怖する。それだけ龍が圧倒的だったと言うことの証明。

 小さくなる、小さくなる。集約してゆき、重くなる。

 力が集約し、エネルギーの密度が増す。

 そのたびに背筋が凍るような寒気に襲われる。


「ぐうぉおお…… これで聞き取れるかな?」


 龍が、黒光りし輝く龍が…… 言葉を放つ。

 自らが想像し得ないことを平然とやってのける。その事に驚きを隠せない。

 震えそうになる声で、龍へと声をかける。


「あ… ああ。勿論だとも、黒龍様」


 いつの間にか人の姿を取っていた黒龍に、返答する。

 一句一句話す毎に精神が一気に削られる。

 そして思う、この黒龍。いや黒龍様は何者なのだ…と。


◇◆◇


 身体が黒く光ってる。

 まぁ。黒く光るなんてどういう原理かわかんないだろうけどさ。

 光が出てくように、闇が溢れ出るような感じの光だ。

 さてだ…… 《人化》について、ある程度分かるようになってきた。

 光り輝く身体には一瞬驚いたが、《人化》するには〝そうした手段を踏む〟という条件があると言うことが何故か理解できたのだ。

 それじゃあ。第一異世界人との交流を図りますか。

 こっちの世界の言語が分かるみたいだし、話すことぐらいお茶の子さいさいだろう。


「ぐうぉおお…… これで聞き取れるかな?」


 よしッ、成功。

 言語に関しては成功かな?

 俺が龍の姿だったから驚いているみたいだけれど《人化》した今なら普通に話せるだろう。

 ならこの世界のことでも聞こうかな……

もしここまで読んでくれた人がいるのであれば

ものすごく感謝いたします ハイ。

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