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アレが神で、俺が邪神  作者: 猫の恣意
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探索

2話になりますが、どうでしょうか?

 海辺の近くに馬車が走る。

 きらびやかな装飾がされた。いかにも貴族が乗るような馬車が海辺に向かって来る。


「フラン第一王女様、到着で御座います」

 馬車から声が外に漏れてくる。

「そんな無駄口を叩く前に準備をしなさい」

 愛想の無い声を出す一人の幼女……

 この海辺を含め、大陸ソロモンを支配する王族、その第一王女様である。

 こんな言葉遣いでも、支配者なのだ。

「畏まりました。直ぐに準備をさせて頂きます」

 王女の命を聞いて直ぐ行動に移す。さすが一国に仕える執事と言ったところだ。

「こんな所へ行かせて何のつもりかしら。お父様は」

 その言葉を聞いて、馬車から一人の男性の声が聞こえてくる。

「国の神官から我が国の守護神が降臨したという信託を聞いてな…… もし降臨しているのであれば、観光ついでにフランと行こうとした訳なのだが…… 駄目だったか?」

 一介の王女を呼び捨てで呼ぶのは、ソロモン王国第27代王ノクト・ヴァン・ソロモンその人である。

 そしてその言葉を聞いたフラン王女は……

「えっ? ノクト…その ま、まぁ良いんじゃ無いの!?」

 お互い、幼少期から政治にまつわる仕事をしている。

 前王が病で急死した頃から、第一皇太子は12歳から政治にかかわり。第一王女は 9歳から婿入り教育を受けてきた。

 二人とも、哀れな政治の道具として生きてきたのだ。

「そうか…… 我は今年で十八を迎える。その時フラン…… 貴様と………」

「え? なによ、聞こえないわ」

「そっ、そうか…… まぁこの話は後日しよう」

 聞こえなかったと言われて少々へこむ27代目王ノクト。


 元々この旅がフラン王女への告白のためだったとは誰も知らない。

 そして、本当に守護神が降臨したことも、この二人は知らない。

 何より、この話を傍観している。一柱の龍に気づかずに…… 話は進む。



◇◆◇



(どうしよう、なんか面白い物を見つけてしまった気がする!)

 弥一は自分の所へ近づいてくる馬車を眺めていた。

 この世界へ来て、まだ数十分しかたっていないがそれでも少し飽きてきたのだ。


 自分の姿が、MMO RPGのアバターだったと言うことにもある程度の見込めてきた。

 それに自分の姿が、設定とは違うことも分かってきたのだ。

まず自分のアバター滅神龍は〝力が強すぎるため人の形をとっている〟と言う設定だったが、現在俺の身体は〝《スキル:真の姿》を使った時の龍形態〟なのだ。

 不便では無いから、それでいのだが……「いつかは人化したいものだな~」とか考えていたりする弥一なのだ。


 と、そこへ来たきらびやかな馬車。これは何かこの世界のことが分かるかも! とかいう好奇心の赴くまま馬車へ突撃していった。それも龍形態のままで。



◇◆◇


 弥一が嬉々として馬車に向かい、歩を進める。

「前方、魔物の気配在り!」

 馬車から人の声が聞こえたと思ったら、馬車から騎士みたいな人からローブを被った人が出てきた。

 おお! と言う歓声を上げそうになりなが、弥一は馬車へ近づいていく。

「守護結界、発動 総員円陣を組め!」

 馬車から降り立った人を指揮している一人の男の姿を捉える。

 そして、なんか不穏な気配が? と思いながら「害意はありません」と言おうと弥一が口を開いたのだが……

「ぐおぉお? ぐぉ?」

 口からはうめき声しか上がらなかっ。

 これはやばいと、なにも出来ずに固まった弥一だが、いったん害が無いことを証明することにした。

「くそッ、なんでこんな所に龍が!?《魔術:火ノ息吹》!」「俺はまだ死にたくねぇ!《剣技:連撃・斬》」「了解した《毒:即死毒》!」

 だが目の前にデカい生物が現れた時に、まともに話すバカはいない。

 弥一がそんなことを考えなかったのは、自分の部屋だけが自分の空間という価値観をもっていたからだ。

 それは、他人の価値観を自分の世界観で埋めることに他ならない。

「がぁ! ぐぁ!」

 何とかして害意が無いことを示そうとする弥一だが、それが無下に終わろうとしてゆく。

 しかし……

「龍よ! 我々が攻撃したことは謝ろう、汝は守護神か!」

 弥一がついさっき見かけた馬車の中から、めっちゃキラキラした服を着た青年が攻撃を中止させた。


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