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ラプラスの狂典-Laplace of Record-  作者: その手紙は何処へ行く/今西三田郎?
続きの譚『現実構築<リアリティコンストラクション>』
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七話 『竜撃の調べ+++中編』

ごめんなさい。毎日投稿なんて神みたいな所業は、僕には無理でした。はい。やっぱり余裕を持ってやらないとね。ははは。

……あー、三日坊主とか初めてや(震声)


これを機にタグ外します。ご迷惑をおかけしました。

「それが、っていうのは竜を殺したことが、ですか?」

「うん。竜殺しを行ったものも竜に敵対しされるんだよ。まあ、これがわかっても対策なんて逃げるしかないんだけどね。」


 それもそうだ。竜殺しは竜殺しの匂いがこべりつくため、怒り狂っていた竜ならばまだしも、もし落ち着きを取り戻したら即刻処刑。場所などすぐにばれてブレスで欠片も残さず焼き払われるだろう。それに、倒すと言っても手立てがない。状況からしてプティを助けた少女、エスペも逃げ帰ったことが明白。こちらの手札が少なすぎる。

 それに、プティはほぼ力を出せない状況に陥っている。魔力症候群マナシンドロームと、一般的には言われているのだが、自己よりも多くマナを持っているものに、大量のマナを打ち込まれた場合、魔力の流れが数日ほど不安定になり、魔法はもちろん、走る、跳ぶなどといった多少の運動は大丈夫だが、戦闘になった場合、もしくはそれに準ずる労働を行った場合、よくて失神、最悪死にいたる場合もある。そのため、プティは下手に竜に挑む訳にはいかない。


「じゃあ、どうすればいいのでしょう。魔力症候群で僕は戦闘に参加できない。ギルドに帰るもその間に死ぬ確率も高い。……しかも、奥の手も封じられている。」

「奥の手なんかあったの?封じられたってそれまたどうして。」エスペはそう疑問を挙げたのだが、精霊は愚問だというかのようにため息を吐き、魔力症候群と聞いたらわかるだろうと呆れ交じりに言ったかと思うと、続ける。

〔魔力を伴う作業だから、でしょう?〕


 その通りであった。そもそも、プティはほとんどの攻撃を魔力、剣気に依存している。そのため、生身で戦った場合、今ならそこらの魔物では死なないとは思うが、少なくとも何倍という規模で弱体化するだろう。で、あるのに魔力も、剣気も使わず行える技能なんてものは日常的なもののみで、まして奥の手など、使えるはずもなかった。

 早速、プティの悪い癖が表面化したのだ。


「じゃあ、じゃあつまり私たちは今、立場的に言えば囚人になるのかな?」

「そうですね。ならどうやって脱獄をするのか。……翼竜を殺す。これは実力と時間が足りないためほぼ不可能。逃げる。不確定要素が多すぎる。どうやって逃げるのかが重要だね。」プティは頭を抱えた。

〔だったら、地下を征けばいいのではないのかしら。〕

「地下……そんなルートあったっけ?」

「ええ……。」〔……。〕


 二人合わせて呆れを示す。


「……ぐすん。」エスペは隅っこで膝を抱える。


にしても、もし地下ルートがあるのならば、遠回りにしろ、近道にしろ、


「翼竜の目を、鼻を誤魔化すことができる。」

〔ええ、魔物が多く生息しているけれど、そもそも竜が入れるような大きさではないし、魔物を一列で出るから倒しやすいわ。それに、距離も短い。二日は野営することになるだろうけれど、地上を行くよりは全然マシだと思うわ。〕


 三人は頷く。


「それってどこにあるの?」

〔ここの下よ。〕言って精霊は地を指差す。

「へえ……。」「ええ!?」二人は驚愕に声を上げる。いや、プティの場合は納得というべきだろう。


 プティはこの下に何らかがあることは気づいていた。何せ、たまにであるが、それもほぼプティのみに適応されるのだが、たまに彼の耳をけたたましく叩く音が存在していたのだ。それは水流、魔物の嘶き、悲痛の声。そう、プティは音を情報として手に入れることができるため(索敵の範囲内の所業)、聴力など関係なしに地下らしきものが存在していることが理解できたのだ。

 そうなれば、話は早い。プティはある程度の食料をかき集めろ、といった趣旨のお願いをすると、一人剣を抜き、鏡のような剣身に自分の顔を写し、ぼやく。


「……僕には、エスペがローザに見えて仕方がないんだ。本当に、何なのだろう。ローザは、僕が殺したはずなのに。」


 憂愁を発する彼の元に、二人がもどってくるのは少したった時のことであった。


「さあ、行こう!」


 明るい声が、プティに衝撃を与えるのも。

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