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第二話――④

「あっ、今気付いたんだけど、全寮制の理由ってこれじゃないかな、SCW中は参加生徒しか校舎内に入れないってやつ」

 和弥が自分の発見を口にする。

「………そうか、つまりSCW中は関係のない生徒は寮内で授業があるってことか」

「あっ、ごめん、俺それ知ってたんだけど言い忘れてた」

 倉は祭から話を聞いていたためこのことを知っていた。だが、完全に話すのを忘れていた。ごめん、とへこへこ頭を下げる。

 そんな倉に和弥が一瞬不満そうな顔をしたが、まぁいいかと話を続けた。

「それじゃぁ、こっからSCWの詳しい説明をするよ。まず、CBについてだけどSCWはこれを確保して死守することを目的としてするわけだけど、CBの中身が全部が全部同じってわけじゃないそうなんだ」

「と、いうと?」

「部費の量が違う、ってこと。倉君、パソコンを三台買うのにいくらぐらいお金が必要になるかな?」

「う~ん、安いのって言ってもピンからキリまでだしなぁ、やっぱり性能も考えていくと一台安くて三から五万円ぐらいかなぁ。だから三人で、」

「十五万前後だな」

 さりげなく銀次郎が答えた。倉はどこかいいところを持って行かれたような気分になってしまう。

「とりあえずそのくらいだね。でもねCBの一番いいやつを手に入れれたらなんとね、」

「「なんと?」」

「なんと…………三十万だよ!」

「さ、三十万っ!!?」

「!?すごいな………」

「でも一番少ないのは、五千円」

「うっわぁ、格差社会すっげぇ………」

「部ができても活動できないな、それじゃ」

「うん。お金を使わない所ならその金額でも十分活動できるんだろうけどね、僕達の所だと五万は堅いよね」

「だな。自分のパソコンを使ったとしても、活動内容によっては周辺機器をそろえないといけなくなる」

「ねぇ、和弥。その五万のCBって十個中いくつあるの?」

「待ってね、そのことだけど、えっと、CBは全部で三十万が一つ、で、ちょっととんで十万が二つ、五万が三つ、一万が三つ、五千が一つ。あとはこれが運動部、文化部それぞれあるってことだね」

「狙うはもちろん三十万だが、悪くて十万、五万ってところか。パソコンは少しずつお金をためて買っていけば大丈夫なはずだ。十五万はほしいとこだが最初だからこんなもんでいいだろう」

「そうだね。っていうかまずはCBを死守するところから始めないとね」

「そうそう!PC買うも何もなくなるからね。いくら安くなっても、CBゲットは絶対!」

「それもそうだな」

「じゃっ、最後に争い方の説明をして今日は終わりにしようか。時間も時間だし」

 和弥の言葉で倉と銀次郎は壁に立て掛けてある時計に目を向けた。針は午後10時を回ろうとしている。

「もう十時か………」

「夜ごはん食ってねぇ」

 倉はうげぇと舌を出しながら腹に手を当てた。

「あとでコンビニに買いに行くか」

「……そうしよう……」

 ――うぅ……マジで腹減った………。

「倉君のおなかも限界そうだし、ぱっぱと進めていくよ~」

「………なんか俺がせかしてるみたいでいやだな……」

「は~い気にしない気にしな~い」

 和弥が軽い返事を返す。

「うぅ……っすっげぇ腑に落ちない」

「そんなことはいいから、ね。何回も言ってるけど続けるよー。まず、SCWの参加人数は一つの部から最高十人まで、最低は…………部を創るときと一緒で四人だよ。で―」

「ちょっ、ちょっとまった!」


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