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プロローグ

初投稿です。誤字脱字等など知らせてくれれば、幸いです。/名前を編集しました。

 皆さんは乙女ゲームという物をご存じだろうか。

 まあ、これを読んでいるという事は、知っていらっしゃるに違いない。

 端的に言うと、美少女な主人公となって、イケメン達に囲まれ、ウハウハできる、女性向け恋愛シミュレーションゲームの事だ。

 どの攻略対象(イケメン)を落とすのもあなた次第。

 一途攻略、三角関係、逆ハーレム、なんでもし放題だ!!


 ただし、それは主人公の場合、である。


 唐突だが、私には前世の記憶という物があっちゃったりする。

 そして何故、最初に長ったらしく乙女ゲーム、略して乙ゲーの説明をしたかと言うと、

 聞いてびっくり、ここが所謂(いわゆる)、乙女ゲームの世界だからだっ!!

 うわあああ

 言っていて私もびっくりした。

 

 ・・・まずは、簡単に私の前世の話から始めよう。

 私の前世は、オタクというヤツだった。女子校で出会いが少ない中、友達の影響もあり、二次元にリア充を求めた。これが私と乙ゲーの出会いだった。

 ・・・。

 不可抗力だったんだ・・・。

 たしか死ぬ直前には乙女ゲーム転生系の小説にも手を出していたと思う。

 数々の乙ゲーをコンプリートしまくってわかったことがある。


 三次元(げんじつせかい)に勉強ができる運動もできるそして金持ちのハイスペックなイケメンはいない。


 ・・・えーと、それはともかく。

 その中でも、一番お気に入りだったゲーム。題名は思い出せないが、それがこの世界。

 思い出した時は、知恵熱で三日三晩うなされたが、今となっては、勉強はできる運動もできるそしてお金持ちのハイスペックなイケメンがうちの学校に集結しているという、この特殊すぎる状況に納得ができる。


 これがモブに転生とかだったら、万々歳で傍観道まっしぐらなのだが。


 世の中はそんなに甘くなかった。というか、神様、ひどい。

 私、藤堂(とうどう) 雪織(せおり)は端的に言うと、主人公のライバルキャラだ。

 ゲームの中では石蕗つわぶき 英仁(えいじ)と付き合っている。

 この石蕗つわぶきという男はもちろん、主人公の攻略対象だ。

 そして、問題のルートを石蕗つわぶき視点で見てみるとこうなる↓


  石蕗つわぶきは主人公と出会い、恋に落ち、まあ結果的に中学校から付き合っていた雪織とは別れる事を決心。

 ――――まだわかる。


  恋に落ちたあとに割とすぐ石蕗つわぶきは、雪織に別れを切り出す。

「好きな人ができてしまったから、雪織とはもう付き合えない。あいつ(主人公)を俺の物にしたいんだ」と。


 ――――ここまでの話の展開はわかる。むしろ、彼の律儀さに拍手を送りたいくらいだ。

  問題はそのあとだ、あと。


 石蕗つわぶきに振られた雪織は、ストーカー化して、挙句の果てに主人公を包丁で刺す。

「この女(主人公)が消えれば石蕗つわぶき様は私を見てくれるはず。」

 ――――あれ、おかしくなってきた。


  まあ、主人公は、補正というかお約束で軽い切り傷だけで死なないのだが、恐怖により精神崩壊。しかも、その時の主人公の選択肢、主人公への石蕗つわぶきの好感度によって、石蕗つわぶきは雪織を殺す。

 ――――んんんん?


 ・・・。


 はははは。製作者側に悪意を感じる。いや、雪織をわざわざ殺す必要はないだろう、石蕗つわぶきくんよ。警察に任せようよ。殺人未遂だよ、殺人未遂。死刑にはならないだろうよ。雪織の自業自得だが。

 前世で、このエンドを見た(読んだ?)時は、まさか自分がこんな体験するとは思わなかった。

 何だっけ?『俺の物を傷つけた奴は許さない・・・後悔させてやるよ。お前が大好きな俺の手でな』

 だったっけ?ぶるる、あらやだ背筋に寒気が。


 ・・・そう、このゲームは石蕗つわぶき 英仁ルートだけ選択肢により、殺人者化する場合があるのだ。

 もちろん、この場合は主人公が精神崩壊の上に、石蕗つわぶきが殺人容疑で逮捕されるのでバッドエンド。

 この場合ヤンデレというのか?いや、これは単に精神が病んでるだけだ。

 まあ、需要はあったらしいが。


 ということで、この死亡フラグ、絶対に折ってみせる。

 何が好きで自分で自分の死亡フラグを立てにゃならんのだ。

 嫉妬で人生を棒に振るだあ?断固拒否する。

 しかも、ストーカー化して殺されるのは完全に、ゲームの都合だ。

 これはゲームじゃない。れっきとした、現実の人生なんだ。

 今回だって私には家族もいるし、迷惑だけはかけたくない。

 まっとうな、幸せな人生を私はおくりたい。


 だが、かといって、あからさまに避けたり、ゲームと違いすぎる対応をすると違う形の(バッドエンド)が来るかもしれない。

 乙ゲー転生の小説にあるように!

 生前はあんなに憧れていた状況だったのに、今となっては・・・いや、なんかもう、忘れてくれ。


 まあとにかく、私が石蕗つわぶきに惚れなければ良いのだ。

 私が奴に惚れていさえしなければ、嫉妬に狂って主人公を包丁で刺すという状況も生み出されない。可能性も。

 ゲームの藤堂 雪織から考えられる行動パターンを予測し、実行、無事に石蕗つわぶき 英仁と別れる。

 これが最良の選択だろう。


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