第11話 逆ハー大混戦!天然タラシ・リオネルの連鎖
王宮での会議後、各地方に向かってイベントを起こして各攻略対象と、いちゃラブする予定のマリエルであったが、全員の好感度はほぼMAXになったであろうはずなのに…いっこうにいちゃラブが発生しない、清い、清々しい程に何もラブを匂わせない日々が続き、全イベントを消化したのであった
ヘルプミー
「……どうして……正規ルートに持っていけないの……?」
資料を握る手が震え、頭を抱えて溜め息。
いっそ、頭を丸めようかな?
昼下がりの王宮。書庫の静けさを破るように、リオネルはふわりと笑いながら歩いていた。
「マリエル、そこはこう整理した方が……」
「あ、リオネル殿……でも、僕の案も……」
リオネルは両手を広げ、にっこりと微笑む。
「うんうん、両方ともいいと思うな!」
キュン♥️
脳内オネエ姉たちの声が響く。
『リオネル、また天然ぶりを披露して……無自覚の天才よ』
『誰もが骨抜きになってしまうわ、この笑顔……』
サイラスは眉間に微かな赤みを差しながらも、冷静を装う。
(……無自覚で、しかもこの上品さ……天然タラシすぎる……)
視線の先では、リオネルが微笑みながらユージンやサイラス、キアンたちと話している。
天真爛漫で、天然タラシなのに、王族らしい上品な立ち振る舞い。
誰もがその(イケメン)笑顔に心を奪われ、骨抜きになっている。
リオネルはそっとマリエルの隣に腰を下ろす。
「マリエル、どうかご無理なさらず。私が微力ながらお手伝いいたします」
その一言で、ユージンもサイラスもキアンも、内心でギュンギュンしつつ視線を奪われる。
無自覚だわ、この人……
(もう……どうしたって、リオネル殿の天然タラシぶりには敵わないわ……)
マリエルは深く溜め息をつき、肩を落とす。
それでも、彼の笑顔を見ると、憎らしいほどに胸が痛む。
リオネルは気づかず、淡く柔らかく微笑む――
その一瞬だけで、マリエルは心の中で小さく呟く。
「……仕方ない……これが、無自覚天然タラシ・リオネルの力なのね……」
最近ではこの顔に良い性格まで付加され、侍女達による磨きも付け加えられ
王宮の誰もが、天然で優雅なタラシ・リオネルに心を持っていかれてしまう――
脳内オネエ姉たちは満足そうに囁く。
『あんたの役目は甘やかされつつ、みんなをじわじわ骨抜きにすることだけ』
『無自覚で魅了してしまう、その優雅さを存分に楽しみなさい』
リオネルはただ微笑む。
――無自覚で、天然で、王族らしく美しい立ち居振る舞い。スバラ
「皆さま、少しお疲れのご様子です。どうか無理なさらず」
軽く声をかけただけで、ユージンの心臓は跳ね上がる。
真面目なユージンは、手元の剣の握りまで力が入らず、頭が真っ白になる。ユージンのユージンはどうか知らない。
キアンは、リオネルの無邪気な笑顔に心を奪われ、思わず照れ笑い。
(おい、なんで俺までドキドキしてるんだ……!)
リオネルはあくまで自然体で、何も意識していない。
サイラスは冷静を装いながらも、瞳の奥で赤みが差している。
(……戦略も策も無意味……この天然タラシめ……!)
資料を広げる手が小さく震え、無意識にリオネルに視線を向けてしまう。
魅了か?魅了の力か?マリエルはリオネルを観察する。
聖女からの天恵を受け、ある程度そういった力には抵抗できるようになったのだ。
ジーーーー
「ん?」
リオネルが、マリエルの視線に気付き、?を頭の上に置いてみる。
ぱああああああああああああああぁ…。
あかん、コレ天然やぁ。天然やぁ…。天然やぁ……。(エコー)
リオネルはただ微笑むだけ――
無自覚で、天然で、優雅で、王族らしい魅力を振りまきながら、逆ハー状態は頂点を迎えるのだった。
(ヒロインも含む)
一旦ここまでで、終わりです。
この後イチャイチャ書こうと思ってたのですが、どうしようかなぁと思い、ちょっと考え中です。
ここまでお読みいただいてありがとうございます。




