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スラムバレット  作者: 穴掘りモグラ
223/237

バハラタ都市 到着

明けましておめでとうございます

本年もよろしくお願いします

某企業のどこか


「ほう?・・・・・バイオテロとは。面白いことになっている様ですね」

「現在は収束に向かっており、数日で終息宣言が出されるとの事です」

「・・・・・・・この事件の原因は?」

「ドルファンドが開発したナノマシンが原因であると判明しています。しかし、詳細情報には高いセキュリティが引かれており接触することが出来ません」

「ま・・・・そうでしょうね。ですが、喜多野マテリアルはこの短期間で大きな案件を抱え過ぎました。各々に分散すればほころびが出る物・・・さて、どちらに手を伸ばすべきか・・・・・」

「・・・・・シェルターの件と今回の都市管理企業の暴走・・・・ですか?」

「ええ、私としてはシェルターを突くのが面白いと思うのですけど・・・・我が社はミナギ都市の事件を中心に圧力を掛けるでしょうね」

「大事件です。管理企業の暴走。明確な証拠までは掴んでいませんが、大罪に手を出していたとの噂も広まっています」

「広まった噂に気を取られる必要は無いですよ。噂が広まった時点で証拠は確保されていると考えるべきでしょう。私としてはワーカーに公開しているシェルターを調べるべきだと思うのです」

「・・・・生きた旧文明の遺跡をホテル代わりにしている施設ですね。確かに貴重ですが・・・・不特定多数のワーカーと受け入れている時点でそれほど重要ではないのでは?」

現に喜多野マテリアルは、その地下シェルターに多数のワーカーを呼び寄せている。

名目は南部地方の探索拠点。

高度な技術が産出される東方に人手を取られ、南方・北方に探索に向かい移動するワーカーは非常に少ない。遺跡を乗り越え、先に進んでも人類が生息するには厳しい荒野が広がるのみ。

東方には遺跡が点在し、危険度は高いが生物が生きていくのに適切な環境が整っている可能性が高い。

それらの遺跡を攻略し、安全を確保すれば人類の生存圏が広がって行く打って付けのエリアが東部なのだ。今までワーカー達が確保して来た土地は、現在ではナノマシンや有害物質での汚染こそ酷いが、それが改善され防衛体制を整えれば食料生産拠点へと変わる可能性を秘めている。

その着眼点に懐疑的な者たちもいるが、それでも東部に安全な生鮮食材を生産できる土地を確保できる。この魅力に逆らえるものなどいない。その為、企業は多額の資金を用意し東部の進出を推進しているのである。


だが、彼は南部の遺跡跡地を重要視している様だ。


「・・・・・・う~~ん・・・・・・そこの管理者はゴンダバヤシさんですよね?」

「はい、確認が取れています」

「・・・・・・・・・あの人が関わっているというのも不可解なんですよね~・・・・・・・」

「なんでも、子飼いのワーカーが発見したということですが?」

「ええ・・・・でも、そのすぐ後に彼が動きました。たかが少数ワーカーチームの報告を受けて直ぐに・・・・・・・その後直ぐに取締役への昇進です。これは非常に重たい「何か」を発見したという事ですよ」

「・・・なるほど、この情報は・・・」

「当然上に報告しています。ですが、彼等がどう動くかは・・・・・・・」

「・・・・・・・スポンサーの意向ですか・・・・・・」

「・・・・・・そうですね。我が社の利益以上に、自分達の懐を潤すことに必死な様で・・・・」

「部長・・・それ以上は・・・・・・・」

「・・・・・・・そうですね。忘れてください・・・・・・そうですね~・・・・そのシェルターを利用しているワーカー達の動向と、物資の輸送状況を監視してください。それと、そのワーカーチームの情報を集めてもらえませんか?」

「物資の運搬ですか?」

「ええ、旧文明の技術で快適な空間が確保されていても、大勢のワーカーが活動していれば当然物資が必要になるでしょう?武器弾薬、回復薬や治療薬。それに、最も重要性が高いと言ってもいい食料関係です」

「・・・・・・なるほど」

「旧文明の遺産。もしそこで大量の食糧を生産できる設備が存在していると言う可能性が出てくれば、技術の開示要請をする準備が必要です」

「・・・・・・・可能性は無くは無いでしょう。しかし、簡単に開示などしないのでは?それこそ莫大な金額を請求されますよ?」

「この地で食料を生産できるようになる。その為なら吹っ掛けられても応じるべきです。金だけ持っていても、食べられなければ人は死ぬしかないのですからね」

部下の男は、部長の言葉に納得の表情を見せ頷く。

直ぐに端末を操作し、地下シェルターの出入りを調査するように指示を出し始めた。

「それと、スラムバレットというワーカーチームの事もお願いしますよ」

「たった2人のワーカーチームを調査するのですか?」

「そうです。何か面白い物が出てくるような気がするんですよね」

「承知しました」


トラブルに愛された2人組に、注目する者が少しずつ増えて行く。





時にそのスラムバレットはというと、


「おお~、バハラタ都市もガッツリ防壁に囲まれてるんだな」

「そうだね。やっぱりモンスターの数も多いから壁が必要なんだと思うよ」

3日ほど車を走らせ、バハラタ都市が見える所までやってきていた。

また新たなる都市に目を輝かせる2人であるが、元気なのはこの2人だけである。


「なあラルフ。あの都市って食い物旨いのかな?」

携帯食に飽きはじめたシドが後部を振り返りラルフに質問するが、

「・・・・・・・・・・」

壁に背中を預けたままぐったりとして返事をしないラルフ。

ちらりともう1人の同行者に目を向けるも、そちらも同じように俯いて黙ったままだった。

「・・・・・・・・」


<おい、コイツ等いつまでぐったりしてるんだ?>

<・・・・まあ、ラルフさんは遺跡初めてだったから仕方ないんじゃない?>

<確かに、あの大量の虫系モンスターは精神的に負担が強かったと思われます>


その原因は昨日まで遡る。

バハラタ都市に向かっている道中、遺跡と言うには小さい廃墟群が点在しているのだ。そう言った場所は価値のある遺物やシステム等が乏しく、ワーカーが立ち寄ることは少ない。

調査される頻度が少ないため、生物系モンスターは繁殖し放題という状況にあった。

まれに都市から駆除依頼が出され、ワーカーオフィス主導の元、数チームでモンスター討伐が行われる事があるが、それ以外は誰も近寄ろうとはしない。


そんな場所なのだが、此処の所ワーカーらしく遺跡探索を行えていないシドが、その廃墟群の一つに入ってみようと言い出した。

ラルフはその特性を説明し、シドの防護服が無い事を理由にこのままバハラタ都市に向かおうと提案するも、シドは探索したくて仕方がない。

結局はラルフが折れ、少しの時間ならとその廃墟群へと入ることになったのだ。


小粒のモンスター達を蹴散らしながらズンズンと奥へと進み、ライトが地下へと続く扉を発見する。

その奥へと進んで行くと、さらに隔壁が有り、その扉を開くと中から件の虫系モンスターがワサワサと襲い掛かって来たのだった。

それは全長1m程のカタルケアと言われるモンスターで、油に濡れたような赤黒い甲殻と背中に羽根を持つ大きなゴキブリの様な見た目をしている。

さほど危険視されているモンスターではないが、動きが素早く死亡すると周囲に悪臭をばら撒く為、閉鎖空間での戦闘は忌避されていた。


目の前の隔壁の向こう側には、そのカタルケアの繁殖場となっており目の前に現れた餌に食らいつこうと大挙して押し寄せてきたのだった。


その光景を目にしたラルフは悲鳴を辛うじて飲み込み、フィアは嫌悪と恐怖で顔を引きつらせた。

シドとライトを軸に応戦するも、敵の多さと撒き散らされる悪臭に耐え兼ね撤退。

ライトが隔壁を閉じ、地上に繋がっている扉も念入りに瓦礫で埋めて来たのだった。


「まさかあそこまで臭いとはな~」

「ほんとに・・・・・消臭スプレー買っておいて良かったよ」

「次行くときは防臭マスクを用意しないとな」

「絶対行かないからな!!!」「あそこに戻るとか正気?!」

何気に再チャレンジを考えているシドにラルフとフィアが噛みつく。ラルフもフィアも悪臭をばら撒く巨大ゴキブリの巣に突っ込むのはごめんである。

あの廃墟毎バンカーバスターで根こそぎ吹き飛ばしたいくらいだ。

「バハラタ都市の周辺にはちゃんとした遺跡が有ります!そこで活動すればいいんです!!」

「もう廃墟群には絶対行かないわよ!!!」


必死の2人にシドは渋顔を浮かべながらバハラタ都市の門へとたどり着いた。


『身分証の提示をお願いします』

スピーカーから係員の声が鳴り、各自身分証の提示を行う。

『チーム スラムバレットと同行者2名。・・・・・・・確認が取れました。ようこそバハラタ都市へ』


大きな門が開き、防壁の中様子が見に飛び込んでくる。

そこは、整然としたビル群が立ち並び、多くの人が行きかう美しい街並みが広がっていた。

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― 新着の感想 ―
明けましておめでとうございます~ シドたち暴れまくってるから他の大企業にも目を付けられますよねぇ
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