表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変質の竜殺し  作者: 高山イシン
7/9

長と種族

こんにちは。よろしくお願いいたします。

人竜(リザード)達との作戦会議が続く。

「現在の行方不明者は24人。子供から老人までだ」

人竜の1人が言った。

「昨晩の盗賊達が全て行ったとは考えられない…。俺が知らない裏のハナシなのか…?」

人竜派の副首領、エイルは話す。彼の顔には怒りが見えた。

「俺は副首領として…。この人竜の民、仲間を守る責任がある。でも…。届かないんだ!この手をいくら伸ばしても…!」

エイルは嘆く。しかし彼の言う魂ってやつは燃えているように思えた。

「リード。キミはどうすればいいと思う?このままでは行方不明者が増え続け、民が消えてゆく…」

頭の中で対策を幾つか考える。しかし、人間種(ヒューマー)の尺度で考える訳には行かない。これは竜種(ドラゴ)と人間種間の問題でもある…。

「行方不明者ってのは最近になって増えたんだよな?」

「俺の調べではそう見ている。ただこれまでもある事にはあったから、一概に正しいとは言えない」

エイルが書類を触りながら呟く。

最近って…。

「なぁ。翼竜(ワイバーン)派と人竜派の確執って、いつから始まったの?」

ここで気になっていたことを聞いた。

「それは100年ほど前からだ。竜種としての誇りを持つ翼竜派は、我ら人竜派の人間種達との交流や共存を望む姿をよく思っていない。竜種とは、清く強い種族だと言ってな。

「古臭い、頭の硬いやつらだよ…」

エイルは悲しそうに言った。

ふと考えた。最近になって増えた行方不明者…。人間種を排除する意識…。

「オレの想像ならいいんだけどさ…。この行方不明者って、翼竜派が人竜派を減らそうとする作戦なんじゃないかな」

突拍子もない発言だ。

「急に何を言っているんだリード。わざわざ我らの民を減らすために、嫌う人間種と協力してまで…?」

「そうだよな…」

そうだとしたら、理由が分からないよな…。

「いや…。一理ある…」

エイルが言葉を漏らす。

「最悪の場合を考えたんだ…。翼竜派は俺たち人竜派を滅ぼそうとしてるんじゃないかって…。

「同じ竜種同士での争いから100年ほど…。竜王(りゅうおう)が区切りをつけようとしているとしたら…」

竜王…。この竜国を150年もの間まとめあげる竜…。ソイツが何を考えているかなんて、人間種のオレにわかるのか…。


「なぁ。メシ、食わないか?頭使いすぎてハラ減った!」

エイルが先程と打って変わって笑顔でオレに言った。

「うん。腹減った!」

オレも思わず応えた。

「人竜の食堂へ案内する。腹減らしとけよ!」


2人で里の奥へ歩いていく。



「ねぇお兄ちゃん。この国は人間種の人が入っちゃダメなんだよ?ここだと兵隊さんに怒られちゃうよ?」

小さい翼を動かしながら、幼い翼竜は話す。

「あぁ…。分かってるよ。あのさ、ひとつ聞きたいことがあってな。キミと似たような姿で、翼がないヤツらを知っているかな?」

男は問いかける。

「翼がない…?人竜のこと?それなら国の門の対角にいるよ!隠し通路があるらしいの!」

悪意なんてひとつも無い。翼竜達は人竜を同胞と教育されない。

「お嬢ちゃん。ありがとうね。本当に助かるよ…」

男は笑みを浮かべた。

「おいお前!何者だ!人間種ならこの国に入ることは出来ん!立ち去れ!」

警備兵達が走って向かってくる。

「ハイハイっと。じゃあね、お嬢ちゃん」

「うん。バイバイ、お兄ちゃん!」


純粋な言葉が、人竜派を追い詰めることになる。




「ここが人竜の里1番の飯屋さ!特に美味いのは…」

会議場所から少し歩いて、里の奥の方へ来た。

「おばちゃん!いつもの頼むよ!」

エイルが店番のおばさんに話しかけた。

「いらっしゃいエイルちゃん。今日もアレね」

「あぁ!今日は客人が来てるからたっぷりで頼む!」

「あいよ」

テンポよく注文が済んだ。常連なのだろう。

「さてとリード。キミの話が聞きたい。さっき言ってた、翼竜派が人竜派を滅ぼそうって考え。なんで思いついたのさ」

メシに誘ったのは、他の人竜に聞かれないようにするためか…。

「それは…。なんて言うか、ただの想像なんだ…。こう…生物ってのは完璧を求め続けると、些細な変化でさえも消してしまおうとするから…」

「些細な変化…。それが俺たち人竜派の存在ということか…」

オレが考えることがエイルにはしっかりと伝わっている。

「はいよ!いつもの魔豚の丸焼き!」

ドンっと音を立てて、テーブルに料理が置かれた。

「ヒャッホウ!ありがとうおばちゃん!いただきます!

「食いながら話そう。ここのメシはぶっ倒れるくらい美味いぞ!」

エイルはヨダレが止まらないようだ。

オレもヨダレが溢れてきた。

「いただきます!」

目の前の肉に食らいつく。


お読み頂き感謝いたします

ご感想等お待ちしております。



イシン


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ