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変質の竜殺し  作者: 高山イシン
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人竜の覚悟

こんにちは。魔法を出します。

『基本魔法』

基本魔法は『火』、『水』、『風』、『土』の4つで構成され、世界に漂う魔素と身体に流れる魔力を用いて発動される。そして文明とともにそれは派生していった。『照らせ(シャイン)』は光の魔法である。『光』は『火』の魔法から派生したものである。



「手を頭の上へ掲げ、降伏せよ!」

後ろからの声がオレたちに飛んでくる。

「まだ仲間が残ってたのか?!」

振り向いた時、目の前に大きな槍が見えた。


「悪党が…!ここで罰を下す!」

ハッキリと顔が見える。大きな口と鱗、太い尻尾。でも、翼がない。

「『人竜(リザード)』…?」

人竜。竜種の大きな進化のうちの1つ。陸地に適応するために大きな翼は退化し、脚部の進化を進めた。

「マスターの言ってた姿と少し違う…?」

目の前にいる人竜に翼は全くない。人竜をよく見れば肩のあたりに傷があった。

「我らは自ら翼を切った。覚悟の表しだ!」

事情はよく分からないが、オレ達が盗賊として疑われているのは確かだ。

「さっさと捕まれ!悪党が!」

あいつら(盗賊たち)と戦った時のように、上手く魔法を利用すれば…。


槍に向かって、咄嗟に手を伸ばした。

「『変質(理解者)』!!」

オレの手に光が走る。

ただそれだけだった。


「痛ッ…!」

槍が手に突き刺さる。血が流れた。

「貴様…。何をしようとした…!」


この武器には効かない…?なんで…!


リードの行動によって、人竜たちの警戒は余計に強まったように見えた。

その時だった。


「ボク、見てましたよ。その子がここでぶっ倒れている盗賊たちから、この方々を助けたのを」


灰色の髪が、木の影から見えた。



近くで大きな音が聞こえた。

『待て!クソガキども!テメェらは立派な商品だ!逃げんじゃねぇ!』

密猟者か、盗賊の類だろう。商人には何の関係もないことだ。

今しがた『竜国(ドラゴニア)』に入って、近くを散策しようとしていたところだった。


「オレだ!お前を倒しに来た!」

少年の声が響いた。


「立派ですねぇ…」

少し興味が湧いた。

商人はその戦いの結末を見届けることにした。



「お疲れ様でした。ところでさっきの魔法、なんなんですかあれは。」

木陰から出てきた男はそう聞いた。

「新手か…!貴様も悪党の一派だな!降伏しろ!」

槍をたずさえた人竜は叫ぶ。

「ちょっとちょっと。焦りすぎですよ…。ほらコレ!入国許可証!」

灰色髪の男は人竜に板のようなものを見せた。

「なっ…。お客人であったか…」

「その子も一緒だよ」

男はオレを指さして言った。

「本当ですか?!それは申し訳無い!手に怪我を負わせてしまった…!」

先程までの態度はすっかり変わってしまって、オレと男に頭を下げている。


「あの…。あなたは誰ですか…?」

オレは男に問う。男は微笑みながら言った。

「ボクは『商人(しょうにん)』。世界を回る商人さ!」




「商人…。それは職業の名前でしょ?じゃなくてホントの名前だよ…!」

この人…。本当に何者だよ…。あれ、でも確か竜種は人間種(ヒューマー)を嫌っていたはずじゃ…?

「ボクは『商人』なんです。それ以上は無いんですヨ」

「はぁ…。そうですか…。

「その…。ちなみになんですけど、なんで人間種のあなたが竜国へ?」

「それはですね…。ボクの魔法道具(商売道具)の力ですよ…。あまり大きな声では言えないですがね…」

商人はボソボソと俺に言う。

「あ、あのー。客人様方?その…。先程の事なんですが…」

槍使いの人竜が話しかけてくる。

「大丈夫大丈夫。気にしてないヨ!」

オレが口に出す前に商人が答えた。

「お詫びと言ったらなんだけどさぁ…。ボクに宿をくれないかい?」

商人は宿が取れていないようだった。

そういえばオレも…?てか、ノキコは?!

「ちょいちょい。ちょいちょい。リード。おいらここだよ」

どこからかノキコの声が聞こえる。しかしどこを見てもあのキノコ傘が見えない。

「おいらここだって!肩見ろよ!」

「肩?」

不意に視線を肩に上げた。なんかいた。


「ノキコが縮んだ!!??」



「おいらも流石にやべぇと思って隠れてたんだよ!竜種に捕まっても大変だからな!」

もともと小さいノキコがふた周りくらい縮んでいた。

「どうしたんだよノキコ!あいつら(盗賊たち)に襲われたか?!」

「まーまー落ち着けって。これはおいらの分身。『ちびノキコ』だ!」

「ちびノキコぉ…?」

ちびノキコは自慢げに胸を張った。

「きちんと魔法も使えるぜ!安心しとけ!お前が心配だからおいらついて行ってやるからな!」

え?ついて行く…?

「ノキコ…。ついてきてくれんの?」

「うん」

「やった!助かるよノキコ!」

これ以上ない状況だ!ノキコの賢者としての知識は、探索の力になる…!

「あの…。リード君。なに、その魔獣?」

商人が聞いてきた。

「こいつはノキコ。『森の賢者』。…。てか、なんでオレの名前知ってるの?」

「『森の賢者』ですか!噂に聞く偉人がこんな魔獣だったなんて…。いい情報だ…。」

「あのー。なんでオレの名前知ってんのって」

「名前?あぁ名前なんて簡単に知れますよ。君はリード。リード・ローゼンティーヌでしょう?王国で聞きました。というよりも取引で買いました」


「汚れた名前。だとか」



お読み頂き感謝致します。

ご感想等お待ちしております。



イシン

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