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ノリって怖い…緊急事態発生です?!



「森に行きたい!」


あー、あんな事言わなきゃ良かったなぁ。

『後悔先に立たず』

まさにソレ。


だってコレ、小道とかじゃない。まさに『藪』そのもの。そりゃ探検隊とかやりたかったよ。でも切り開くほど本格的とは。。

さっきから葉っぱが顔にバシバシ当たって地味に痛い。


「なぁレナトゥス。この先に本当に拓けた場所あるの?」


呼びかける先が腰。それも自分の腰ってちょっと違和感。まぁ今更だけどさ。

「レナトゥス?」

あれ?返事がない。あの律儀なレナトゥスにしてはオカシイ。慌てて腰に手を伸ばして暫し固まった。それからゆっくり懐に手を入れた俺は、膝から崩れ落ちた。


ない。。

いや、居ないの間違いか。


落とした??

いや、出かけたの間違だよな?誰かそう言ってくれーー!!


返事なし。


ぼっち決定!!

不味いよ、絶対不味い。

だってさ、こんな鬱蒼とした森何か居るに決まってるよね?!しかも、ヒーちゃんまで『お留守しててね』って、置いて来ちゃったんだよ。

あの時の俺…タコ殴り決定だな。


急に盛り上がってさ。


「探検隊になるぞー!」だって。


やっぱり厨二病って怖いわ。

ノリで何でも言っちゃダメの見本だな、俺。はぁ…そうだよ、昔からよくアイツにソレ言われたじゃん。いつも止めてくれたから暴走しなかったのに。。。



ん?



んん??



今なんか誰かが頭の中を過ったのに。ぼやっとしたまままた消えちゃった。。

でも。。そんな物思いに耽っては場合じゃなかった。


ここ…森だった。


ガサ。

ガサガサガサ……!!!!


いませんから。ここには誰もいません!!!


震える身体を抱きしめて気配を消す。


まさかの猛獣祭り開催かもしれない…ん?もしかしてそれって単なる餌祭りじゃん!!

しかも、餌=バカな俺。


ノリツッコミで乗り切れる訳もない俺はひたすら相手が気づきませんように…と祈っていたら。


はい!!

今…目と目で見つめ合ってます。

真っ赤な目玉とか怖すぎる!!

逸らしたら負けだって聞いたよ?でも耐えられないよ。藪から顔だけ出てて怖いんだって!!


「クゥン。クン…クゥぅん。」


へっ?

まさかの目の前の血走る目玉から聞こえてる?そんな訳ないか。

もしかして飼い主がいる猛獣クンかな?それだといいなぁ。。


そんな訳あるか!!なのに…。



ペロペロ…。


めっちゃ舐められてます。

但し、俺に乗り上げた状態ですけどね。

ホントに慣れてる猛獣なのかな?それなら

こんなに飼い慣らした人に感謝を捧げるよ、、俺。本当にありがとうーー!!って。。


ちょっと落ち着いたから、じっくり見ればまさかの虎科の獣。但しその数倍の大きさだけどさ。牙が地面に付いてますよ?

あれ?よだれ出てる??


「俺…不味いっす!!」震える声でやっとそれだけ言ったけどペロペロは終わらないし。


「クゥン、クンクン。」


鋭い歯が丸見えなんすけど。まさかこの甘え声出してます?

舐めるのに飽きたらしい獣が四つ足で立ち上がってその大きさに腰が抜けてたら…。


パク。


た、食べられたーー?!

首元を猫の子のように咥えられた俺は空高く放り投げられた。


今度こそダメか。。口の中行き決定だな。

あれ…まさかの背中の上??


混乱する俺を背中に乗せた獣が前足を踏ん張って飛び上がると、あっという間にあれ程邪魔だった藪の上に躍り出た。


え?まさかの空飛べる獣なの??

「翼はどこだーー!! 」

ヤケクソに叫んでいたら、眼下に湖が見えて来た。見た事ない黄色の湖。


獣の目的地は湖だったようで、畔に降り立つ俺を鼻でグイグイと押し始めた。


湖へ入れって??

カナヅチなのか思い出せないけど、この恐怖心が本能だとすれば。。


「ギャアーーーー!!!助けてレナトゥス!!」


「やっと呼んだか、主人よ。」


やっと返事が来ました。

待ってたよ…我が友。。。ん?


腰が抜けた俺はそのまま座り込んだ。

湖で何か跳ねたけど、それは見なかったことにする。


だって。もう既に限界突破してますから。


湖にネッシーっぽいのが居ても厨二病すら疼かないほど、限界です。。


「とにかく、お前名を名乗れ。」


レナトゥスの問いかけに獣が名乗った。


「お待ちしておりました。我が名はバイフー」




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