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裏の話し合い?ーレナトゥス視点ー


「コホン。とにかくペットと言う地位についたからには、もう舐めないで頂きたい!!」


やっぱり、コイツはアホだな。

俺の中で、決定事項になったわ。


「レナトゥスさん。その目はなんですか?もう追っ払ったりさせませんから!!」


相変わらず煩いヒーの言葉にキレたのは、俺でなく…。


「あー、もう煩い。せっかくリベル様が寝入ったのに騒がないでよ。ま、どうせそこの主人大好き男が勝手に睡眠魔法掛けただろうから大丈夫でしょうけどね。」


リベル。

その名を呼べなくなってまだ数日なのに、あの日々が遥か昔の気がする。


「それよりアンタ。山の方は大丈夫なの?例え本性がアホだとしても、山を治める王の癖に。」


ふぅ。ため息が出る。

苦労して世界を救った主人の努力を無に帰すつもりなのか、このアホは。


「その顔…何考えてるか俺にも分かるからな。俺だってちゃんと考えてるんだからな!!それより、二人のその姿の方が問題だろ?普段からなんでその姿でいないんだ?ご主人様だってきっと…」


やっぱりバカだな、ヒーのやつ…声が大きいんだよ。ほらみろ、主人が動き始めたじゃないか!

やっぱり俺の睡眠魔法をもってしても主人には無理って事だよな。ま、仕方ないか…。


「う、ううん…」


ふぅ、何だ寝返りだったのか、本当にいつも心臓に悪い(まぁ心臓があれば…だかな。)

ドキッとしたな。こちらの姿を見せる訳には今はいかないからな。


「とにかく、一度山の方へ戻って来なさい。どうせご主人様の気配を察知して、慌てて何も言わずに飛び出して来たんでしょ?心配してるわよ?」


不服そうなヒーだが、自覚はあるのかイヤイヤ元の姿に戻ると山へと飛び去っていった。

清々した表情のアルクトスに目線を投げる。ヒーの奴を追い払ってまでやるべき事があるのだろうから。


「分かってるって顔ね。相変わらずイヤミな男よね。分かってるでしょ、あの後の事よ…。」


あの後どうなったのかは、俺も気になっていたのだ。まさか、彼が転移(とぶ)とは誰も思ってもいなかっただろうからな。


「そりゃ大混乱よ。当然でしょ?王に戴こうとしていた人が消えたのよ。それもあのセリフを残して。でももう動き出したわよ。大々的な捜索隊が出たわよ。もちろん指揮は…」「ヤツか?」「そうよ。彼しかいないでしょ?」


苦笑いで返した。

今の(ヤツ)の気持ちは恐らく俺が一番理解出来るだろうからな。


「この場所がバレる可能性はまだ低いわ。でも私は諦められないの。まだ…」


悔しそうに唇を噛み締める姿から普段の煩いオバハン姿からは想像出来ぬな。


「。。うーん…」


小さく唸る声。


今度こそ本当に目覚めるか…。

アルクトスのやつ。

ホントに一瞬で既に変化を終えている辺り、相変わらず察知能力はピカイチだな。


もぞもぞ動いた主人が寝ぼけ顔で起き出した。


「あれ?ごめんごめん。昼寝しちゃうとか『社畜』の戦士としては失格だよな。。あれ?ヒーちゃんは?」


「アレは食事だ。」



「やっぱりヒーちゃんは、ミミズ狙いなのか。

うーん。俺もミミズ集めに行くかな…飼い主の責任だしな。」


主人…斜め上へいくのは通常運転だな。

何故ミミズなのか。しかし…笑える。


アレクトスの奴、訂正はしない気か?ヒーの虫嫌いは知ってるだろうに。


俺たちに隠れてペットになったヒーに、実は嫉妬の嵐だったというところか。


ま、かくゆう俺も多少はヤツの困った顔見たさに黙ってるがな。


「なぁ、聞いてるのかレナトゥス?やっぱりスコップとか作るの無理かな…」


おぉしまった。うっかり聞き逃したせいでまたもや吾も暴走したか。無理とかあの口から言われるのは斜め上でも堪えるからやり過ぎたか。

目の前に積み上がった大量のスコップに主人が呆れ顔をだ。


だが、めげない主人が何かぶつぶつ言いつつも大量のスコップの中から一つ拾い上げて、外へと向かうので慌てて定位置に戻る。


主人の行くところ、吾在り。

だからな。


まぁ、特に今の主人は…。


その夜に戻ったヒーが慌てて目を白黒させるのを見て二人して少し溜飲が下げた。


特に。


「遠慮しないで、ヒーちゃん。沢山食べて大きくなるんだよ!」


と、言われたのには吹き出さないためにかなりの労力を必要とした。アルクトスは遠慮なしに大爆笑していたがな。


特に、煩いヒーが言葉に詰まる姿には、な。



だが、ヒーを眷属化した事で周りが騒がしくなってしまった。

山の王であるヒーをいとも簡単に眷属化したのだ。仕方あるまい。予測はしていた。



だが、決して指一本触らせぬ。



今度こそ、な。




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