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王国学校の異端児  作者: あまあん
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入学試験その3

筆記試験の出来栄えは上々だった。両親から昔教え込まれたことの復習と、図書館に行きたくさんの本を読み、暗記してきていたのでそれの賜物だろう。ミルノとの出会いのような強烈な出来事もなかったし、とても集中していたこともあって時間がすぐに過ぎた。


次は戦闘試験だ。まだ時間はある。基本Aの人はテスト合間の休憩で昼食を済ませていたが、俺は昼食を持参していなかったため空腹でテスト後半はお腹が鳴り放題だった。


幸い試験の合間に学校を出ることは容認されていたので学校を出て、近くの適当なレストランに入る。少し古いが、綺麗に掃除されていて良い雰囲気の店だ。


時刻は3時半頃で、店内はがらんとしていた。席に案内してもらい、適当にご飯と炒め物を頼んだ。


あまり待たずに料理が出された。銀の綺麗な皿に盛り付けられていて、とても美味しそうだ。


手を合わせ、スプーンを持ち料理を口に運ぶ。久々の良質な栄養と味に思わず一息で胃に流し込む。最近は乾パンしか食べてなかったので本当に美味かった。


料理を堪能し、しばらくゆっくりとしていると暇だったようでウェイトレスさんが話しかけてきた。


「アルティの受験生ですか?」

「ああ、はい。次の試験まで時間が空いちゃって」


顔を見ると銀髪に緑がかった綺麗な目を持ったエルフだった。エルフというのは、亜人と呼ばれる人間に少し特殊な能力が備わった種族の1つであり、長い耳と魔力量の多さが取り柄だが、筋力において貧弱だ。


「そうですかぁ。入学試験はとても大変と聞きますがどうなんですか?」

「まだ筆記試験しかしてませんが、結構難しかったと思いますよ」

「思う。ですか?」

「あはは。自慢みたいになっちゃいますけど記憶力はあるんですよね」


記憶力にも自信はあるが、勉強量の方が自信があるというのは黙っておいた。


「それは良いですねぇ。ですが戦闘試験もあると聞きますが…?」


実際王国学校は勉学より戦闘技術の方に、圧倒的に重きを置いている。


「それなんですけど、俺には少し人と違う能力があるんですよね」

「能力、ですか?」

「はい。教えないですけど」


冗談めかしてそう言う。ウェイトレスさんは笑いながら。


「えー。気になるじゃないですかぁ」


と言った。まぁ、あれだ。


「ここ結構いい店なのでもしも受かったら昼飯なんかはここに来ますので、いつか教えますよ。ここでドヤ顔で説明して落ちたらダサすぎますし」

「ふふ。そうですね。では、貴方が合格することを祈ってますね」

「ありがとうございます」


会計を済ませ、店を出る。


次は戦闘試験だ。

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