食料これだけですか?
「どこだ・・・ここ?」
俺は呟くように言った。さっきまで手術室にいたのになぜか海のど真ん中にいるからだ。状況を整理しようにもあの時の記憶もぼんやりとしか覚えてないし、どんな経緯で患者が海にいなきゃいけないのかさっぱりだ。俺はこんな状況になったことよりも今がどんな状況なのか整理することにした。
「・・・足元になんかあるな」
俺は足に当たっている何かを掴んで手元に寄せた。暗くて色はよく判んないが皮か何かでできた袋だった。それにしても触り心地が悪い。ざらざらしていて撫でるように触ると何かが手についた、売り物だったら相当な劣化品だ。そんなことを考えながら俺は袋を開いた。
袋の中を覗くと食べ物らしきものがあった。取りあえず一つ出してみる、取り出したのは真ん丸のパンみたいな食べ物だった。だが、そんなことはどうでもいい。それ以上の問題を俺は気づいてしまった。固いだ、とっても。例えるならフランスパンみたいにガチガチに固い感触がはっきりと判る。
ガチガチパンを戻して次に瓶らしきものを取り出す。液体っぽいのが見えたが色までは判らない。これはのどが乾いたら飲む事にしょうと思いながら袋に戻した。
それから調べたことがほかに入っていたのはいくつかのガチガチパンだった。というわけでたった今ある俺の食料はガチガチパンとよく分かんない液体だけになる。ここでまた俺は呟くのだった
「少なくないっすか・・・!」